50代からのオフィスおしゃれアップデート術
「その服で信頼される?」58歳女性が見つけた“引き算エレガント”の正解
「その服で信頼される?」58歳女性が見つけた“引き算エレガント”の正解
公開日:2026年06月16日
50代から必要になる「役割としてのおしゃれ」とは?
年齢を重ねるにつれて、「今の自分に似合う服がわからない」「毎朝、服を選ぶのが憂鬱……」と、おしゃれ迷子になっていませんか?
周りの目より自分のラクさを優先して、ついカジュアルスタイルばかり選んでしまう40代・50代は少なくありません。
今回は、上司のふとした一言から“おしゃれ迷子”になってしまった前田まきさんが登場。人気スタイリスト・髙尾香織さんのアドバイスのもと、職場で生かせる「エレガントなスタイル」を再発見するアップデート術をお届けします。
今回のアドバイザー&相談者

左:髙尾香織さん
STYLE PARADIGM代表。パーソナルスタイリスト、パーソナルファッション(R)協会認定スーツスタイリスト。大学で英語・言語学の講師を務めた後、心理学を学ぶ中でファッションの持つ力に魅了され、スタイリストに転身。40代以上の働く男女を中心に支持を集めている。公式HPはこちら
右:前田まきさん(58歳)
企画系の管理職。撮影や打ち合わせなどの現場と、重要な会議を行き来する日々。趣味の和太鼓やパーソナルジム通いで体づくりに余念がないストイック派。骨格タイプは骨格ストレート(骨格ナチュラルMIX)体型。パーソナルカラーはブルベ。
上司から「職場にふさわしい服装を」と喝が入って

コロナ禍を経て、テレワークも増え、いつの間にか「楽で、考えなくていいカジュアル服」に感覚が麻痺していったという企画系の管理職の前田まきさん。
以前はアイロン掛けしたシャツをピシッと着こなしていましたが、時間もないなか面倒になり、「ノンアイロンのTシャツ出社」が日常になっていました。
そんなある日、社長や役員との重要なミーティングにいつもの現場カジュアルな服で出席したところ、同世代の女性の上司から、こんな言葉を掛けられます。
「装いも仕事のうち。仕事でここぞという場では、信頼される印象が結果に影響することもあるのよ」
おしゃれが好きで自分らしいスタイルを楽しんでいた前田さんはハッとします。「この服装で損してる……?もっと知的でエレガントな服を着るべきなのかな」
ここから、前田さんのファッション・アップデートが始まりました。
「女性らしく見せたい」が逆効果になることも

「スカートをはくべきでしょうか?女性らしさも欲しいとなるとフリルも必要?」と相談する前田さん。
髙尾さんはまず、骨格診断やパーソナルカラー診断を始めました。
「前田さんの体型は、体に前後の厚みやハリのある肉感を持つ『骨格ストレートタイプ』(一部、骨組みががっしりした骨格ナチュラルMIX)。このタイプの方は、フリルなどボリュームの出る服を着ると、服と体の質感が喧嘩してしまい、着太りや違和感に繋がってしまいやすいです」
「垢抜ける」とは、その人の外見的個性と服が調和していること。だからこそ、大人のおしゃれは自分の外見の特徴を知ることから始まると言います。
「シンプルだけど地味じゃない」管理職コーデの正解は?
Before:お気に入りの「クリエイティブ企画系カジュアル」

普段の前田さんの出社スタイル。
ストレッチの効いた黒のTシャツにオフホワイトのワイドパンツ。厚底のローファーの足元にカラフルな柄の靴下をのぞかせて。
シンプルだけど小技の効いたアイテムで、似合っていない訳ではありませんが……
「脚のラインを拾わないパンツの形選びは素敵ですが、全体が『カジュアル素材』でまとまっているため、50代後半の管理職に必要な「清潔感」や「信頼感」という点では、少し物足りなさが残ります」と髙尾さん。
After:「まっすぐライン」と上質素材で醸す、大人の余裕

そんな前田さんの装いを、信頼感がありつつ女性らしさも失わない、エレガントな管理職スタイルにアップデート!
同じパンツスタイルでも、「落ち感・とろみ」のあるネイビーのカットソーに、ピンストライプのストレートパンツ、ヒール3㎝の黒パンプスでスッキリとしたシルエットです。
落ち感がある素材ならほどよく体のラインに沿ってくれるので、ゆったりしたシルエットでも着ぶくれしません。
「お尻にボリュームがあるのが気になっていたけれど、全然気にならないどころかスッキリ、脚長に見えます」と前田さんもビックリ。
「ピンストライプが効いていますよね。骨格ストレートやナチュラルタイプは、全体に『縦ライン』を意識するとスタイルアップして見えます。上下の色を統一しているのでよりシルエットが際立ちます」と髙尾さん。
鏡の前に立った前田さんは、シンプルなのに驚くほど「華やか」。「まるで憧れの安藤優子さんのような、自立した格好いい女性らしさ!」と思わず笑顔がほころびます。
首元を隠したい50代へ。老け見えしないアクセサリーの使い方
さらに前田さんには、大人世代ならではの悩みが。
「50代前半で更年期太りを経験して以来、ダイエットして体型を戻しても、なんだか首は年々太く短くなっている気がして……。首元の詰まった服は似合わないから避けたいんですが、年齢を重ねると首や胸元を大きく露出するのには抵抗も出てきてしまって」
そんな前田さんのおしゃれストッパーを、髙尾さんはこう外します。
「首元を大きく開けなくても、アクセサリーでラインをつくればスッキリ見せることができます。メタリックなシルバーなど、シャープな印象の素材で、少しだけ曲線のやわらかさを取り入れたデザインを合わせると、女性らしさも生まれますよ」
診断は「縛られるため」ではなく「客観視のきっかけ」に

フリルやスカートなどフェミニンな要素を足して盛るのではなく、素材を上質にしてラインを削ぎ落とす。そんな「引き算のエレガント」が似合うタイプもいる。
「自分で『これが似合う』と思い込んでいる服装と、客観的に見て似合う服装は、意外とズレていることがあります。骨格診断やパーソナルカラー診断は、その結果に自分を縛り付けるためのものではありません。自分を客観的に見てみるための、いい『きっかけ』なんです」と髙尾さん。
年齢や立場が変われば、似合う服も少しずつ変化していくもの。今の自分を知ることが、これからのおしゃれをもっと楽しむ第一歩なのかもしれません。
次回は、「ジャケットは暑いけれど、きちんと見せたい」という50代の悩みを解決!
夏のオフィススタイルに活躍する「黒ジレ」の着こなし術と、「ベージュを着ると老ける」「二の腕は隠すべき?」といった大人のおしゃれの悩みに髙尾さんが答えます。
文・構成=長倉志乃(HALMEK up) 写真=日高奈々子






