空き家4年、維持費100万円からの脱却 #4
実家リフォーム400万円は必要?50代主婦が選んだ“やり過ぎない賃貸”
実家リフォーム400万円は必要?50代主婦が選んだ“やり過ぎない賃貸”
更新日:2026年03月28日
公開日:2026年03月05日
50代主婦・まいこさんの体験談シリーズはこちら
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築56年の実家、リフォームはやり過ぎないと決めた理由
「水回り含めて400万円リフォーム」という提案には、正直、抵抗感がありました。築56年の古い家に400万円をかけ、その費用を回収できるのか。現実的に考えると、簡単には答えが出ません。
そこで、知り合いの不動産屋さんに相談しました。すると提案されたのは、 「現況賃貸+最低限の修繕」という考え方でした。リフォーム費用の目標額は100万円。その金額内で貸せる状態にするために、私が決めた「お金をかける/かけない」の線引きは、次の通りです。
気持ちよさに直結する場所
→トイレは新品に(印象が変わる)
見た目が大きく変わる場所
→絨毯からフロアタイルに(DIYも混ぜて費用圧縮)
プロに任せる場所
→壁紙、設備点検、雨どい、給湯器のメンテ、最終クリーニング
自分でやる場所
→カーペットの剥がし作業、内見前掃除、写真撮影の準備
絨毯をフロアタイルに替える作業は、業者さんに丸投げすると100万円ほどかかると言われました。そこで私は、絨毯剥がしを自分で行い、床の下地とフロアタイル施工のみを業者さんに依頼しました。その結果、修繕費を約2割ほど抑えることができました。
掃除やDIYがもともと好きなこともあり、この作業は、実はとても楽しかったのです。手を入れるほど、家が少しずつ息を吹き返していく感覚がありました。
大きな家具を手放し、冷蔵庫や洗濯機など生活感のある家電を処分し、床が変わったとき——。家が見違えるように、生き生きして見えました。「やはり、この家を手放したくない」掃除を通して、自分の気持ちがはっきりしたことで、心を込めて手を入れることができるようになったのだと思います。
築古賃貸の内見で効いた、主婦だからできる掃除
賃貸に出すとき、入居前にはプロのハウスクリーニングを入れます。でも、内見は「家主が掃除をした状態」で行われます。
以前読んだ本に、「部屋の清潔感は、四隅や手垢の残り方で決まる」と書かれていました。
そこで私が特に意識したのは、
- スイッチのパネル
- 部屋の四隅
- キッチンのシンク
- 換気扇
古くても、きちんと手入れされている家だと伝わる状態で見ていただきたいと思い、心を込めて磨きました。
築古物件でも決まった理由。写真・家賃・内見で意識したこと

修繕が終わり、ようやく募集へ。家賃設定やポータル掲載(SUUMOなど)は、不動産会社にお願いしました。
ただ、写真だけは自分で撮りたいと思いました。この家が一番きれいに見える時間を、実家だからこそ知っていたからです。
写真・募集で意識したこと
1:家具あり撮影で暮らしのイメージを出す
“見栄えのする家具”は最後まで残し、部屋をそのまま映すのではなく家具ありで撮影しました。重厚感のある家具を置くとグッと印象は上がります。入居者さんから「家具ごと使いたい」と言われるほどでした。
2:写真は「光」を狙う
実家だからこそ、何時にどの部屋へ陽が入るかを知っています。部屋ごとに時間を狙って、明るい写真をスマホで撮りました。
3:家賃は最初から正解を狙わない
家賃は不動産屋さんに値付けしてもらい、相場よりやや高めでスタートしました。募集開始1か月、反応ゼロ。家賃を1万円下げたところ内見のお申し込みが入りました。このあたりのさじ加減は不動産屋さんと相談して決めていいと思います。
4:内見に立ち会い、弱点も正直に伝える
私は内見に立ち合い自分で家を案内しました。建付けが悪い場所や使い勝手が悪い場所は、隠すことなく丁寧に説明し、実際に触って現状を確認してもらいました。現況で渡すことを正直に話す代わりに、ペット可やDIY相談可など、できる提案は積極的に提示しました。

内見当日、言われてうれしかった一言があります。
「住んでいた人が、大切に使っていた気持ちが伝わってくる家ですね。 ぜひ、この家を貸してください」
ああ、心を込めて掃除をしてよかった。築56年でも、必要としてくれる人がいる。契約書にサインをいただいたときの気持ちは、今でも忘れられません。
相続から4か月。築56年の実家で賃貸が始まるまで

相続から4か月。登記変更、片付け、掃除、修繕、募集。想像以上のスピードで、賃貸が始まりました。
初期投資は、結果的に約200万円。
- 不用品処分費……30万円(業者さん以外にも物品運搬レンタカー代、粗大ごみ代含む)
- ハウスクリーニング……20万
- 電気配線の改良工事……20万
- 床建具等のの補修修繕……50万
- フロアタイル、トイレ等備品の材料費……30万
- フロアタイル、クロスの張り替え(業者さん依頼分)……50万
当初の目標だった100万円は超えてしまいましたが、築古だからこそ必要な安全面と住みやすさを優先した修繕は、やってよかったと思っています。
そして、目標としていた維持費を賄うラインは、その後2年の賃貸でなんとか回収しつつあります。
実家を貸して気付いた、50代からの「お金と気持ち」の整理

実家の空き家問題は、お金と気持ち、両方から考える必要があります。
使える制度は何か。優先したい価値観はどこにあるのか。家族の意見も聞きながら、後悔のない選択をしてほしいと思います。
私の場合、金銭面だけを見れば「相続から3年以内に売却」が有利だった可能性もあります。でも私は、心が追いつかなかった。だから、誰かに使ってもらいながら、ゆっくり整理する道を選びました。
「実家賃貸って、お金がかからなくていいね」と言われることもあります。けれど、維持すること自体にお金がかかる。家主として入居者さんに安心して住んでいただくための責任がある。これは、実際にやってて分かった大切な気付きです。
50代で実家の問題に直面する私たち。私の経験が、どこかで誰かの参考になれば幸いです。




