空き家4年、維持費100万円からの脱却 #1
築56年の実家を「貸す」と決めるまで。空き家4年、主婦が選んだ正解は?
築56年の実家を「貸す」と決めるまで。空き家4年、主婦が選んだ正解は?
公開日:2026年03月05日
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築56年の実家を前に、答えが出なかった4年間

親の看取りを終え、相続した築56年の実家。
介護施設への入居で人が住まなくなってから、気付けば空き家歴は4年になっていました。
月1回の換気や通水、庭の手入れ。誰もいない家でも、手間と時間はかかります。固定資産税なども含めた維持費は、この4年で約100万円。
「このまま空き家で持ち続けるのは、もう限界かもしれない」。そう感じたのは、母の四十九日を終え、遺骨を実家のリビングに置いた日でした。
「ねえ、お母さん。この家、どうしよう」母の位牌を前に途方に暮れたことを覚えています。
売却をすすめられても、心が追いつかなかった理由

最初に行ったのは相続登記(名義変更)です。母の名義のままでは、認知症の影響もあり、売却など大きな決断が進められませんでした。名義が私になったことで、売る・貸すの判断を現実的に進められる状態になりました。
次に、不動産会社に査定を依頼しました。「売る」「貸す」どんな選択肢があるか、具体的な金額を知りたかったからです。地元の大手不動産屋さんと中堅不動産屋さん2社に売却額の査定をお願いしました。
築年数が古いため、家の資産価値はゼロ。土地の資産で計算されます。査定額に大きな差はなかったものの、2社とも基本は「売却」をすすめるスタンス。
理由の一つが、相続した空き家を売却した際に、条件を満たせば譲渡所得から最大3000万円を控除できる特例があることでした(相続空き家の3000万円特別控除)。
ただ、制度は期限や要件が細かく、相続開始の翌日から3年後の年末までに売却を済ませないといけません。3年後にはこの家が私の手元からなくなる……。そのことがイメージできず、売却の提案を受け入れられないまま「持ち続ける方法」を考え続けていました。
「貸す」という選択肢が浮かんだ、あるきっかけ
売る決断ができないなら、賃貸は?でも築56年の家を貸せるのか?そこで不動産屋さんに賃貸の査定も出してもらいました。すると「400万円かけて内装を整え、月10万〜12万円で貸しませんか」という提案が返ってきたのです。
400万円の内訳は水回りも含め、壁紙やカーペットの内装替え。この金額では、最短で回収しても4年以上かかります。そこまでの費用をかけて賃貸業をすることに抵抗感がありました。とはいえ、空き家を単に維持するだけでもお金がかかることは経験済み。なんとか維持費だけでも賄える形にできたら。
私には一つ、夢がありました。
昔読んだ『金持ち父さん 貧乏父さん』で、金持ち父さんが不動産業をしていたこと。

「いつか、こんな働き方をしてみたい」
とはいえ、銀行からお金を借りて物件を買うような不動産投資をする勇気はありません。でも、今回、実家を賃貸に出すなら——、この夢が、少しだけ叶うかもしれない。
そう思ったとき、私はまず掃除を始めていました。とにかくきれいにしてこの家を見てもらいたい。そして不動産屋さんに相談しよう。この家を賃貸に出せますか?と。そんな気持ちで片付けを始めました。




