1日2杯の甘い飲み物が危険?若年性大腸がんリスクが2倍跳ね上がる理由
その一口が引き起こす「健康負債」#1
「いつもの朝食」のつもりが…毎日50gで大腸がんリスク18%増?
朝食やランチで大人気のあの食材、実は食べ過ぎに注意が必要かも? 毎日のように口にすることで積み重なる「健康負債」と大腸がんリスクの関係とは。体に負担をかけない賢い食べ方のコツを、医師のDr.パンダさんがわかりやすく解説します。
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教えてくれるのは、医師・Dr.パンダさん
どくだーぱんだ 患者と向き合う中で、医学や健康に関する情報の受け取り方の重要性を実感し、YouTube「やさしい予防医学チャンネル【医師解説】」で発信を開始。生活習慣、予防医学、食事、医療に関する一般的な情報を、わかりやすく解説している。著書に『毎日の小さな習慣が病気をつくる ヤバい健康負債』あさ出版 刊
※本記事は、書籍『毎日の小さな習慣が病気をつくる ヤバい健康負債』より一部抜粋して構成しています。
朝食の「定番食材」に隠された知られざるリスク
私たちが日常的に口にするベーコンやソーセージ、サラミ、ハム、ビーフジャーキーなどは「加工肉」と呼ばれます。
加工肉は、長期間保存できるように塩漬け、燻製、発酵、または保存料を加えるなどの加工を施された肉のことを指します。
このような加工の過程で、製品によっては食品には特定の添加物が加えられ、肉本来の味や香りが変化するだけでなく、その保存性が向上します。しかし、その一方でこの便利で風味豊かな食品には、健康に対するリスクも潜んでいるのです。
加工肉には、保存のために「硝酸塩」や「亜硝酸塩」といった化学物質が使用されることがあります。これらの化学物質は体内で「ニトロソアミン」という発がん性物質に変化する可能性があることがわかっています。
さらに、ベーコンやソーセージを高温で調理するときに発生する「ヘテロサイクリックアミン」や「多環芳香族炭化水素」などの物質も、がんのリスクを高めると考えられています。
自覚症状がないまま進行?大腸がんの怖さとは
皆さんは、「大腸がん」 という病気についてどれだけ知っていますか。
大腸がんは、結腸や直腸の内壁に形成される悪性腫瘍(がん)で、日本でも比較的発症率の高いがんの一つです。
早期に発見されれば治療の成功率が高い一方で、特に症状が進行してから発見された場合だと、治療が難しくなることが多く、5年生存率はステージによって大きく異なります。
大腸癌研究会によると、早期のステージIやIIでは5年生存率は80~90%以上とされていますが、ステージIVになると、他臓器への転移を伴うため予後は大きく悪化し、5年生存率は2割前後にまで低下します。
手術では腸の一部を切除することがあり、排便機能に影響を与える場合があります。特に直腸に近い部分を切除した場合、便をためる機能が低下し、排便回数の増加、便意を我慢しにくい、便漏れが起こるといった症状が出ることがあります。そのため、術後も排便障害や生活の不便さが長期に続き、患者のQOL(生活の質)は大きく損なわれることがあります。
毎日50gで18%増?大腸がんと「加工肉」の関係
さて、大腸がんの原因は遺伝的要因などさまざまですが、食事や生活習慣が大きく関与していることが多くの研究で明らかになっています。
特に、先ほどお話しした加工肉の摂取が大腸がんのリスクを高めることは、近年多くの注目を集めています。研究の結果では、一貫して「加工肉の摂取は大腸がんのリスクを高める」 と報告されています。
国際がん研究機関(IARC)では、加工肉を「人に対して発がん性がある(グループ1)」と分類しています。これは、タバコ(グループ1)と同じ「リスクの大きさ」という意味ではなく、加工肉が大腸がんリスクを高めることについて、人での証拠が十分にあるという分類です。
ある報告では、毎日50gの加工肉を摂取することで、大腸がんのリスクが約18%増加するというデータがあります。50gというと、ベーコン2~3枚、またはソーセージ1本程度の量です。
これは、日常的にベーコンを朝食に食べたり、ランチにハムを使ったサンドイッチを食べたりする習慣がある人にとっては、それほど大量の摂取に感じられないかもしれませんが、それでもリスクは増大するというわけです。
先ほど述べた通り、加工肉に含まれる保存料の硝酸塩や亜硝酸塩は、体内で発がん性物質であるニトロソアミンに変わることがあり、これが腸の細胞を損傷することで、がんが発生する可能性が高まるとされています。
ステーキや焼肉も?「赤肉」はどこまで食べていい?
加工肉ほどではありませんが、「赤肉(牛肉、豚肉、羊肉、馬肉、鹿肉など)」も、大腸がんのリスクを高める可能性があります。
赤肉には「ヘム鉄」という成分が含まれています。ヘム鉄は、酸素を運ぶために重要な役割を果たしますが、腸内で代謝される際に、酸化ストレスを引き起こします。
ヘム鉄が腸内の脂質や他の成分と反応することで、有害な化合物が生成され、大腸の細胞にダメージを与える可能性があります。こうした刺激が慢性的に続くと、炎症やDNA損傷を通じて、がんが発生しやすい環境がつくられると考えられています。そして、突然変異が蓄積されると、がん細胞が形成されることがあるわけです。
加工肉や赤肉は、大腸がんのリスクを高める可能性があるとはいえ、完全に避ける必要があるわけではありません。適量を守り、バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
具体的には、赤肉は週に350~500g(調理後の重量)以下に抑えることが推奨されています。これは、週に3~4回、小さめのステーキ1枚分程度を食べる量です。例えば、1食で150g程度のステーキを食べる場合、週に2~3回程度にとどめることが目安となります。暴食しなければ、普段の生活でもそれほど気にしたり、我慢したりする必要はないことがおわかりいただけるでしょう。
ただ、加工肉の摂取は、できる限り減らすことが望ましいとされています。ベーコンやハム、ソーセージを日常的に食べるのではなく、魚や大豆製品(豆腐や納豆など)を使った食事に置き換えるだけでも、健康リスクの低減につながる可能性があります。
参考文献
・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21674008/
・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25319089/
・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30993317/
※本記事は、書籍『毎日の小さな習慣が病気をつくる ヤバい健康負債』より一部抜粋して構成しています。
※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、特定の臨床的診断や治療を代替するものではありません。
次回の記事では、「コレを1日2杯飲むと、なぜ危険?甘いドリンクと大腸がんの意外な関係」を紹介していきます。
■その一口が引き起こす「健康負債」をもっと読む■
#1:朝食の定番でがんリスク!?大腸がんと関係する「あの食材」
#2:1日2杯飲むと危険?甘いドリンクと大腸がんの意外な関係
#3:熱いもの好きは注意!食道がんリスク「危険度チェックリスト」
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