疫学調査でわかった健康な人の食事

【1万人超の実証データ】死亡リスクを下げる「和食」4つのカギ

【1万人超の実証データ】死亡リスクを下げる「和食」4つのカギ

公開日:2026年06月11日

【1万人超の実証データ】死亡リスクを下げる「和食」4つのカギ
freeangle / PIXTA

60年以上にわたり1万人超の日本人を追跡した調査によって、本当に効果的な健康習慣は、食事と運動、そしてストレス解消であることが科学的に実証されました。今回は、健康的な食事とは、具体的に何をどのように食べたらいいのかを紹介します。

教えてくれた人:大平哲也(おおひら・てつや)さん

医療×統計の専門医。1965年福島県生まれ。福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授。同大学健康増進センター副センター長。大阪大学大学院医学系研究科招聘教授。福島県立医科大学卒業、筑波大学大学院医学研究科博士課程修了。大阪府立成人病センター等を経て現職。著書に『10000人を60年間追跡調査してわかった 健康な人の小さな習慣』(ダイヤモンド社刊)。

朝食をとって糖尿病、肥満、脳出血のリスクを下げる

朝食をとって糖尿病、肥満、脳出血のリスクを下げる

朝食をとった方が糖尿病や肥満が少なくなるというエビデンスがあります。またJPHC研究では、1週間あたりの朝食の摂取回数が少ないと脳出血のリスクが高まるとわかりました。血管を強くするために朝からたんぱく質をとりましょう。

塩分を減らし、カルシウムを増やした和食が最強

朝食をとって糖尿病、肥満、脳出血のリスクを下げる

和食には、野菜、大豆製品、魚が多く、飽和脂肪酸を含む動物性の脂肪が少ないという素晴らしい特徴があり、死亡リスクを下げるエビデンスがあります。ただし欠点は、塩分が多く、カルシウムが少ないこと。塩分を減らして乳製品などを加えれば、最強の食事になるはずです。

日本食パターンのスコアが高いと死亡リスクが低くなる

日本食パターンのスコアが高いと死亡リスクが低くなる
出典:国立がん研究センター がん対策研究所 多目的コホート研究(JPHC Study)

日本食パターンのスコアとは、ご飯、みそ汁、海藻、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶、牛肉と豚肉の摂取量を点数化したもの。スコアが高いグループは低いグループに比べて全死亡のリスクは14%、循環器疾患死亡と心疾患死亡のリスクは11%低かった。

しょうゆは「かけずにつける」

和食が塩分過多になる原因の一つがしょうゆ。そこで大事なのは「かけずにつける」を習慣にすること。アジフライなどは小皿に垂らしたしょうゆをつけて食べる、また刺し身は片面だけにつけましょう。

塩分は「徐々に減らす」が正解

塩分は徐々に減らすと気付かないもの。福島のスーパーで2021年末から4か月間で総菜の塩分を2〜5割、周知せずに減らした結果、売り上げは落ちず、購入者の多くが「ちょうどいい」と評価したそう。

緑黄色野菜と葉物野菜でカリウムをしっかり摂るには?

JACC研究では、カリウムを摂取するほど脳卒中の死亡率が下がるとわかっています。カリウムを効率よく摂取するには、トマトを含めた緑黄色野菜、葉物野菜を生で食べましょう。

カリウム摂取量と全脳卒中死亡の関連

緑黄色野菜と葉物野菜でカリウムをしっかり摂るには?
JACC Study地域十男女40-79歳5万8730人
出典:Umesawa M,Iso H, et al.Am J Clin Nutr,2008;88:195-202

魚はどの研究結果からも「食べるべき食材」

魚はどの研究結果からも「食べるべき食材」

魚はどの研究結果を見ても「食べるべき」に行き着きます。例えば週3回青魚を食べると、中性脂肪の十分な改善効果が見込めます。JPHC研究では、魚介類の摂取量が多いほど認知症の発症リスクが低くなることがわかりました。

次の記事では、「運動・ストレス解消法」についての対策を紹介します。

取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部)、イラストレーション=福井彩乃

※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年11月号を再編集しています。

HALMEK up編集部
HALMEK up編集部

「今日も明日も、楽しみになる」大人女性がそんな毎日を過ごせるように、役立つ情報を記事・動画・イベントでお届けします。