-10歳髪を目指す!「1日3分」シャンプー習慣でやること・やめること
50代の薄毛「髪のため」が逆効果?8万人を見た美容師が疑った“当たり前”
薄毛や抜け毛が気になり始める50代。「年齢のせい」と思いがちですが、約8万人の髪を見てきた美容師が気付いたのは、良かれと思って続けてきたヘアケアの盲点。白髪染めやパーマ、毎日のトリートメントなど、大人の髪を守るために見直したい習慣とは?
INDEX
約8万人の髪を見てきた美容師・宇留間祐介さん

うるま・ゆうすけ 一般社団法人 髪育JAPAN協会代表、株式会社URUMA代表取締役。
1978年、鎌倉生まれ。美容師歴25年以上。難関サロン「ACQUA」を経て、鎌倉で一人サロン「URUMA」を約20年経営し、のべ8万人以上の髪と向き合う。長年の経験から、自宅でのシャンプー習慣を軸にした「髪育(R)」メソッドと、頭皮と感情のつながりを読み解く「頭皮感情マップ(R)」を考案。髪育JAPAN協会代表として、全国76名の「髪育専門士(R)」を育成。「髪を育て、日本を元氣にする」を掲げ、髪の悩みの解決と美容師の社会的地位向上を目指して活動している。
※本記事は『60代、70代 髪は、まだまだよみがえる―1日3分の髪育シャンプー習慣』(かんき出版)の内容を一部抜粋・再編集したものです。
50代の薄毛、本当に「年齢のせい」だけですか?
年齢を重ねるにつれ、女性の髪が細く、薄くなっていく理由のひとつには、まずホルモンの影響があります。
女性の場合、閉経が近づく40~50代になると、髪の成長に好影響を与える女性ホルモンの分泌量が減少します。その結果、抜け毛や薄毛が進行しやすくなることは事実です。
しかし、大人女性の髪トラブルの原因は、それだけではございません。私がこれまで多くのお客さまの髪を見てきた中で感じるのは、むしろ加齢以上に、「長年の美容習慣の影響が大きい」ということです。
たとえば、これまで当たり前のように続けてきた、ヘアケアやシャンプー。
もし、そうした日々の習慣が、髪にとって良くないものだったとしたら──?
その積み重ねが、白髪や抜け毛、薄毛の原因になるということが、なんとなくおわかりいただけるのではないでしょうか。
かくいう私も、かつては、その「当たり前」をまったく疑っていませんでした。
けれど、大人女性のお客さまと深く向き合うようになってから、美容師が長年お客さまにおすすめしてきた髪の美容習慣の中にこそ、薄毛を助長する原因が潜んでいることに氣づいたのでございます。
「髪のため」のケアが、薄毛や白髪を助長する?
美容師である自分が若かりし頃、大人女性の薄毛の原因は「加齢」だと思い込んでいました。
加齢だから仕方ない、治せない。それなら、美容師である自分が、技術で何とかしてさしあげよう。
白髪には白髪染めを。
薄くなったトップにはパーマでボリュームを。
髪にハリやコシを出すためにトリートメントを。
「髪の外側」を整えること── 医療でいうなら「対症療法」で対応いたしました。
それが髪のプロとしての正解だと信じていたのでございます。
けれど、そんな施術を続ける中で、少しずつ違和感が膨らんでまいりました。
──これは、本当にお客さまの望む解決になっているのだろうか?
というのも、カラーを重ねるたびに、髪の手触りは悪くなっていく。パーマでボリュームを出しても、次の来店時にはさらに毛がダメージを受けている。
それなら、トリートメント剤で、髪のハリやコシを戻してさしあげればいいだろう。そう思ってしっかりケアするのですが、塗ったときはよくても、次回の来店時には、さらに髪が傷んでいる。しかも、こうしたケアをこまめにする方ほど、薄毛になるスピードが速い気がしていたのです。白髪が増えるスピードについても同様でした。
もしかしてあなたも……同じことをお感じになってはいなかったでしょうか? こうした感覚を前に、私は自分の仕事を疑い始めました。
もしかすると、美容師が良いと思ってしていること──カラーやパーマやコーティング剤──をすればするほど、お客さまの髪が弱っていくのではないか? それを長く積み重ねることで、大人女性のお客さまの髪が必要以上にダメージを受けているのではないか?
たくさんのお金と時間をかけていただいているのに……。
そう感じた私は、改めて、目の前のお客さまの髪を丁寧に観察するようになりました。
すると、大人女性のお客さまの薄毛にまつわる、いくつかの問題点が見えてきたのです。
薄毛を隠す「パーマ液」「カラー剤」が招く髪の変化
まず問題になるのが、刺激が強すぎるパーマ液やカラー剤です。
これについては、「髪や頭皮にとって、あまり良くなさそう」と、あなたもどこかで感じていらしたのではないでしょうか。
その直感は、かなり本質を突いています。実際のところ、カラーやパーマの薬剤は、髪や頭皮にダメージを与えるからです。
これらの薬剤は、まず、髪のキューティクルを傷つけます。
キューティクルとは、髪の表面を覆う鎧(よろい)のようなもの。この鎧があるからこそ、髪の内側の水分やタンパク質は守られています。ところが、カラーやパーマの施術では、この鎧をゆるめます。美容師のイメージする髪型や髪色をつくるために、あえて髪の守りを外すのです。
その結果、内部の水分やタンパク質が流出して、髪は乾燥してパサパサに。そして、細く、切れやすくなります。それだけではありません。薬剤の強すぎる刺激は、頭皮にも及びます。それが積み重なることで、白髪や抜け毛の原因にもなりかねません。
つまり、美容師である私たちが、お客さまの薄毛をカバーしようとしてパーマをかける。あるいは、白髪をカバーしようとして、カラーをする。カバーしようとすればするほど、かえって髪は細く、薄くなってゆくのです。
ツヤ髪のための「コーティング剤」が乾燥を招くワケ
もっとも、カラーやパーマの負担については、美容師もよく理解しています。そこで使われるのが、「コーティング剤」です。
コーティング剤(トリートメントやコンディショナー、ヘアオイルなど)は、髪の表面をシリコンやオイルで覆い、ツヤや手触り、ハリやコシを与えるためのもの。あなたも美容室でカラーやパーマの後に、必ずすすめられると思います。
実際、これを使えば髪は見違えるように整います。指通りはなめらかになり、ツヤが出て、髪も太くなったように感じられます。
けれど──ここに、ひとつの落とし穴があります。
「トリートメントした直後はツヤツヤなのに、数日経つとパサパサになるのよねぇ」これは、多くのお客さまが口にされる言葉です。
実は、私もこの点が以前から、なんとなく気にかかっていました。
そこで改めて調べたところ……驚きの事実がわかりました。コーティング剤は数日ではがれ落ちるのですが、なんとその際、髪を守るキューティクルまで一緒にはがしてしまうのです!(※ちなみに、一度はがれたキューティクルは、二度と回復しません)
すると、髪の表面は荒れ、内部の水分やタンパク質が流出します。つまり、塗れば塗るほど、髪はパサパサに乾燥し、細く痩せていくのです。
しかも──。
パサつきを抑えたければ、毎日、繰り返し、コーティング剤を塗らなければなりません。実際のところ、あなたもご自宅のバスルームで、トリートメントなど何かしらのコーティング剤を、いつもご使用になっているのではないでしょうか。
でもあれは、塗るから髪がパサつくし、細くなるのです。塗らなければパサつかないし細くならないのに、一度塗ったらやめられない──。
「髪美容業界の一部でコーティング剤が『ドル箱』と呼ばれているのは、もしかすると、そういう意味だったのかもしれない……」その可能性に気付いた私は、なんとも言えない気持ちになりました。
ちなみに、コーティング剤の問題は、「髪」だけに留まりません。実は、「頭皮」にも深刻な影響を与えています。
原因は、すすぎ残したコーティング剤が頭皮に溜まり、酸化(いわゆる「サビ」)を引き起こすことです。コーティング剤は水に強く、シャワーだけでは落ちにくいため、どうしても頭皮に残りやすくなります。それが頭皮をサビさせ(※ここでいうサビとは「活性酸素」のこと)、やがて乾燥させることもあります。
また、そのサビが皮脂と反応して、別種のサビ(※こちらのサビは「過酸化脂質」。皮脂が活性酸素によって酸化された悪玉物質のこと)を生むこともあります。
こうしたサビが毛穴に溜まることも、白髪や抜け毛、薄毛の原因となるのです。
このように、女性ホルモンの減少や加齢のせいだと思っていた髪の悩みが、実は日々のヘアケア習慣から起きていることも少なくありません。まずは毎日のヘアケアを見直し、健康的で豊かな髪を育てる一歩を踏み出してみませんか。
髪のために続けてきたケアが、かえって負担になっているかもしれない――。では、50代からの髪に必要なのは、何かを「足す」ことなのでしょうか。
次回は、宇留間さんが実践をすすめる「1日3分」の髪育シャンプーを紹介。毎日のシャンプーで、やること・やめることを具体的に教えてもらいます。
もっと詳しく知りたい人は

『60代、70代 髪は、まだまだよみがえる―1日3分の髪育シャンプー習慣』(かんき出版)
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