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- 【実録】年金は月4万足らず!1日千円でも心豊かに
年金家計の守り方・増やし方の大特集です。楽しく賢く年金生活を財布のひもは締めながら、人生をたっぷり楽しんでいる年金世代2人の暮らしを拝見。1人目は1日1000円で暮らす「徹底節約派」の小笠原洋子(おがさわら・ようこ)さんを紹介します。
教えてくれた人:小笠原洋子(おがさわらようこ)さん
74歳、東京都在住。大学卒業後、画廊に勤務。退職後、美術館学芸員、エッセイストとして活動。著書に『おひとりさまのケチじょうず』(ビジネス社刊)他。
生活のぜい肉をそぎ落としたら家計も暮らしもスッキリ
テーブルもソファもなく、スッキリと明るいリビング。「一人暮らしには広過ぎるけれど、安い団地はこの間取りしかなくて」と笑う小笠原さんは、定年退職を迎える前から、もう10年以上「1日1000円」生活を続けています。
現在の主な収入は国民年金のみで、月4万円足らず。あとは預貯金が頼りで、買うのは食品と日用品くらいですが、それでも「十分暮らしを楽しめます!」と胸を張る自称“ケチ上手”です。
「子どもの頃から貯金が好きで、知恵を絞って節約するのが趣味でした」と語るだけに、とにかく今あるものでなんとかする“工夫を楽しむ”のが小笠原流。
「欲しいな、と思ったら、反射的にどうすればお金をかけずに似たようなものが手に入るか考えるのがクセになっています。その工夫がうまくいったときの“やった!”という感覚が好き。ゲームに似ているかもしれませんね」
例えば、食事のときはキッチンワゴンをテーブルに代用。また、レースのカーテンの代わりに、メモ帳で作ったモビールをつなげて窓辺に下げました。
家具店で、モビールをつなげた北欧のカーテンに一目ぼれ。メモ帳でモチーフを作り、糸でつなげたら「それっぽくなりました(笑)」
「野菜や果物は皮まで食べるし、家具や服は買い替えるのではなく古いものをリフォームして使い回します。お金をかけないための工夫ですが、結果的に地球にもやさしいエコにもつながっていると気付きました」
徒然草を学び簡素な生活への憧れを持った
趣味は散歩。雑木林が広がる郊外の街で、季節を味わいながら3~4時間歩くこともあると言います。
「お金がかからず、健康にいいだけでなく、自然を感じられ、通りすがりのお店の建物や商品からセンスを学ぶこともできます。私にとってはむしろ“心の収入”です。天気がいい日はたまにベーカリーでおいしいパンを買って、ベンチでいただくこともあり、これも楽しいです」とにっこり。
高校時代に『徒然草』を学んで、よけいな装飾や贅沢を排した簡素な生活に憧れたという小笠原さん。「私は、年金も預貯金も少ないので施設に入るのも難しいし、病気や災害で予想外の出費が重なることもあるでしょう。
なるべく最後まで元気で自立していなくては、という切実な思いもあるのです」としながらも、「節約は、知らず知らずに積もった暮らしの無駄をそぎ落として“心”を豊かにすること。決して貧しいことではないと思っています」。そう語る表情は、満ち足りてとても穏やかです。
小笠原さんの暮らしを楽しむ節約の工夫
使わないお金は予備費としてクリップ留め
1週間分と予備費の1万円を1000円札にして財布に。予備費は「いつの間にか使ってしまった」とならないようクリップで留めておく。
豆皿によそえば粗食も小料理店ふうに
少しずつ豆皿に盛り付けると、豆腐や納豆、前日の残りものなどでもサマになり、食卓が豊かな雰囲気に。
白髪染めもメイクも卒業
鮮やかな色のベレー帽からグレイヘアを覗かせて。パールのイヤリングでさりげない華やぎを添えれば、あとは口紅だけで十分。
小笠原さんの生活費(一人暮らし)...
FPが講評!小笠原さんのやりくりポイント
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