コンプレックスを飼いならすおしゃれ術#3

50代からのおしゃれは「枯れ」が武器。年齢を魅力に変える7つのアイテム

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50代からのおしゃれは「枯れ」が武器。年齢を魅力に変える7つのアイテム

シワや白髪、体型の変化は本当にマイナスなのでしょうか。SNS総フォロワー22万人のスタイリスト・安井百合子さんは、「枯れ」は劣化ではなく熟成だと言います。年齢を魅力に変える素材選びやメイク、小物使いなど7つのポイントを紹介します。

撮影/Jo Moriyama

※本記事は、書籍『コンプレックスを飼いならして「好き」を着こなす センスのトリセツ』(高橋書店)より一部抜粋して構成しています。

教えてくれた人:安井百合子(やすい・ゆりこ)さん

教えてくれた人:安井百合子(やすい・ゆりこ)さん
写真/Jo Moriyama

パーソナルスタイリスト・ファッションコンサルタント。「隠すを魅せるに変える」をモットーに、コンプレックスの取り扱い、チャームポイントを表現するメソッドやノウハウをファッション・ヘアメイク・マインドのトータルでコンサルティングするスタイリストとして活動。

SNSでは「ノースリーブは飼いならす」などの名言を生みだし、ファッションコンサルティングの枠を超えたメッセージが共感を呼び、22万人以上のフォロワーから支持を得ている。

枯れることは「劣化」ではなく「熟成」 

人は枯れる。これはあらがえない事実です。顔に刻まれるシワ、黒髪に交じる白髪、体の輪郭の変化──外見は確実に歳月の痕跡を残します。

40〜50代になると、それをジワジワと感じ始める人が多いでしょう。枯れることに1ミリでもあらがいたい人の多さと、枯れにあらがうことをあおるような広告に若干の奇妙さすら感じます。

ここで大事な視点をひとつ。

枯れることは「劣化」ではなく「熟成」です。

盆栽は老木になるほど価値が高くなることがあります。白檀の香りは年を経るほど深みを増しますね。ワインも古いものほど値が張ります。人も同じです。

歳月がもたらす時間の重みは、言葉や声のトーン、表情や視線の説得力といった「味」を生み出します。

では、現実に向き合ってみましょう。

枯れることを嘆き、ひとつのシワも許せずに若さを追い求め続ける人と、シワや白髪が出始めたことを人生の深みの一部として受けとめ、その変化を生かして表現する人ーーどちらが自分の価値に気づいているでしょうか。

若者には着こなせないスタイルが大人にはある

突然ですが、アイリス・アプフェルという人物をご存じですか?

1921年生まれのアメリカ人インテリアデザイナーで2024年3月に102歳で永眠するまでソーシャルメディアセレブとして活躍し、今も世界中で愛されるファッションアイコンです。

彼女のファッションの特徴は、とにかくカラフル! カラーオンカラーコーデ、シワすらチャームポイントに感じさせるお顔に真っ赤なリップ、遊び心たっぷりの伊達メガネ、静脈がくっきり浮き出た手首にアクセサリーを幾重にもつけたスタイルがアイコンです。

彼女を見ていて思うことがありました。色合わせやアクセサリーは、その人の価値観の歴史がはっきり出るということです。年齢を重ねたぶんだけ、人としての歴史の厚みが増すからでしょう。

アイリスと同じ服装を10〜20代の女性がしたら、何かのコスプレに見えてしまうかもしれません。若者こそ、余白が美しいのです。若者のシンプルなスタイルは、真っさらな可能性を感じさせて、素肌のみずみずしさをより美しく見せます。

では、年齢を重ねたらシンプルな服は似合わないのかと言うと、それも違います。シンプルな服装にどんな小物を合わせるかで、その人の培ってきた価値観やセンスが宿るのです。

何を伝えたいかと言うと、若者には着こなせないスタイルが、枯れてきた大人には確実にあるってことです。

では、枯れてきた大人にしか出せないスタイルは、どのように表現していくといいのでしょうか。

ここで具体例をお見せします。これから紹介する方法は、あくまでも私が日々実践している、私の主観で判断した枯れを生かした表現です。

「枯れ」を魅力に変える素材選び 

シャリッとしたリネン

「枯れ」を魅力に変える素材選び 
写真/Mai Watanabe

空気を含んで多少のシワも愛嬌で許されるリネンのエアリーな余白は、落ち着いた表情、少し乾いた肌の大人が持つ余裕を表現するのにもってこいです。

目の詰まった繊細なニット

「枯れ」を魅力に変える素材選び 
写真/Mai Watanabe

年齢を重ねた大人には軽さより重さ、薄さより厚さが似合うことがあります。密度の高い服は、着ている人の説得力を高めるのに有効です。

つるんとしたサテン

「枯れ」を魅力に変える素材選び 
写真/Mai Watanabe

サテンは、枯れた肌にツヤを足すためのアイテムではなく、人生の艶めきを表現します。若い子が着ると安っぽい衣装になりかねない低価格のサテンも、人生経験を積んだ大人が装えば、上質なシルクに見えてくるから不思議です。

「枯れ」を魅力に変える色みとメイク

肌の陰りやくすみを生かしたメイク

「枯れ」を魅力に変える色みとメイク
写真/Mai Watanabe

若い子たちが一生懸命涙袋を描いているのを横目に、大人はすでにある目のくぼみを生かして印象的な影を際立たせます。影のある女性を演出できると、それだけで色っぽくなります。下まぶたに少し太いブラウン系のシャドウを入れると、一気にミステリアスで年齢不詳の魅力が生まれます。

アクセントカラーを使う

「枯れ」を魅力に変える色みとメイク
写真/Mai Watanabe

年齢を重ねた大人は、天真爛漫、純粋無垢ではなくなります(笑)。アクがあってクセが出る。色濃くなってきた個性の強さや、人生経験を積むことで生まれる多面的な性格。それらを、意表を突いたアクセントカラーやカラー同士の組み合わせで遊びながら表現します。

「枯れ」を生かす小物

光りすぎない金属製のアクセサリーや重厚感のあるレザー

「枯れ」を生かす小物
写真/Mai Watanabe

くすみゴールドは、みずみずしい若者の肌につける意味はありません。少し疲れて乾いている円熟した素肌にこそ、鈍い貴金属の輝きが生きてくるのです。アクセサリーの役割は、単に飾ることだけではなく、着る人や装いの質感を整えることでもあります。

肌に少し乾きや陰影が生まれてくると、鈍い金属や重みのあるレザーなどが肌と調和して、装い全体に落ち着きと深みをもたらします。

おもちゃのような素材やアイテム

「枯れ」を生かす小物
写真/Mai Watanabe

成熟した大人が少しだけチープなアイテムを使うと、不思議と余裕のある印象が生まれます。完璧に整えたうえで、あえて1か所外す。その余白から、「大人だからきちんと見せなければ」という義務感を一切背負っていない遊び心がにじみ出るのです。

装いは、上質なものだけでそろえるほど素敵になるわけではありません。質感の異なる要素をひとつ混ぜることで、装い全体に抜けとリズムが生まれます。そのコントラストが、大人の余裕として映るのです。

これらの「枯れ」を生かす方法こそ、センスが必要です。 


■「コンプレックスを飼いならすおしゃれ術」をもっと読む

#1 体型コンプレックスは消さなくていい。XXLのスタイリストが見つけた答え

#2 センスはパジャマで育つ !?「おしゃれは年相応に」の呪縛を手放す方法

#3 50代からのおしゃれは「枯れ」が武器。年齢を魅力に変える7つのアイテム

もっと詳しく知りたい人は

もっと詳しく知りたい人は

『コンプレックスを飼いならして「好き」を着こなす センスのトリセツ』安井百合子・著(高橋書店)

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HALMEK up編集部

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