「いつもの暮らし」を守る在宅避難と防災の知恵#2

「防災備蓄」実は食料より先にトイレ!専門家が教える今すぐできる備え8

LIFE LIFE
「防災備蓄」実は食料より先にトイレ!専門家が教える今すぐできる備え8
xiaoping / PIXTA

防災備蓄は何から始めればいい? 専門家が最優先に挙げるのは、実はトイレ。必要な水・食料の量や簡易トイレの備蓄目安、停電対策、ローリングストックの方法まで、今すぐできる8つの備えを紹介。家具の転倒防止や片づけなど、家の安全対策も解説します。

教えてくれた3人の専門家

鍵屋  一さん

かぎや・はじめ 跡見学園女子大学教授。一般社団法人福祉防災コミュニティ協会代表理事。内閣府「避難所の役割に関する検討委員会」座長などを務める。『だれでも防災』(中央法規刊)など著書・監著多数。

鈴木みきさん

すずき・みき 登山イラストレーター・執筆家・防災士。2018年の北海道胆振東部地震での在宅避難経験を機に、防災士を取得。『おうち防災チャレンジBOOK』(エクスナレッジ刊)など著書多数。

宮下由多加さん

みやした・ゆたか ITライター、防災士。「スマホで防災」を広めようと活動中。著書に『スマホで防災 家族も自分も守る! スマホで始める最新防災マニュアル』(ジャムハウス刊)がある。

防災備蓄はトイレが最優先!水と食料は何日分必要?

備蓄で最優先するのは、我慢ができない「トイレ」。そして、「水」。食料は、日常的に食べながら買い足す「ローリングストック」で備えましょう。「支援が届くまでの時間を安心して過ごすため、水と食料は最低3日分、できれば1週間分を目安に」と鈴木みきさん。

家の片づけが防災に!備蓄スペースと避難経路を確保

特別な準備の前に、まずは片づけから。服を減らせば備蓄できる場所が生まれ、床に物を置かなければ避難時の転倒を防げます。日々の整理整頓こそ、自分を守る土台に。いつもの家事が、実は大切な防災アクションになります(鈴木さん)。

地震で家具が倒れたら危険!寝室と避難経路の安全対策

寝室や避難路の大きな家具は、固定器具で対策を。小さな地震などを点検どきとして、一か所ずつ確認しましょう。また、家具が倒れても安全な位置へベッドなどを移動する工夫も有効です。家族と協力して、動線を確保しましょう(鈴木さん)。

防災備蓄は何を用意する?今日からできる8つの対策

1.飲料水は1人3L×3日分、生活用水は水道水を備蓄

水は、飲む水だけでなく生活用水も必要。飲料水は1人3L×3日分、生活用水は水道水を空きペットボトルに入れて備蓄するのがおすすめ。また、浴槽に水を残す習慣も断水時のトイレや手洗いに有効です(鈴木さん)。

2.一番大切な備えであるトイレは1人1日5回×7日分

切実なトイレは、今すぐ準備を。目安は1人1日5回×7日分。専用品はもちろん良いですが、イラストのように袋と凝固剤を別々に用意すると、安価にコンパクトに備えることができます(鈴木さん)。

3.停電時は両手が空くヘッドライトがあると安全

停電時は、両手が空くLEDヘッドライトが便利。見ている方向が照らされるので、避難も家事も安全。ホームセンターなどで、1000円程度で買えます。火災の危険があるろうそくは避けましょう(鈴木さん)。

4.カセットコンロのガスボンベ1本で2Lの湯沸かし約6回分

温かい食事は、避難生活時の大きな支えです。カセットコンロとガスボンベがあれば料理もできます。ボンベ1本で2Lの湯沸かし約6回分。ボンベの本数は定期的に確認して、買い置きを(鈴木さん)。

5.ペットボトル氷を作り、停電時の保冷剤に

冷凍庫には、水を入れ凍らせたペットボトルを常備。停電時、冷蔵庫に移せば保冷剤となり、庫内の温度上昇を防げます。溶ければ水として使え一石二鳥。普段から入れておけば、節電効果も(鈴木さん)。

6.安いときに少し多めに買い置きして「ローリングストック」

「非常用」ではなく、「ローリングストック」で備えましょう。スーパーで安いときに缶詰や乾麺、乾物、パックご飯など、いつもの食品を多めに買い置きを。日々の節約が防災につながります(鈴木さん)。

7.無理なく持てる非常用持ち出し袋を見えるところに用意

非常用持ち出し袋はリュックにまとめ、玄関など見える場所へ。普段の防災意識も高まります。水、防寒具、ライト、軽食、常備薬などを基本とし、無理のない重さに。両手を空けておくことで、転倒防止に(鈴木さん)。

8.いつもの調理で食材を長持ちさせる

停電時は冷蔵庫をむやみに開けないのが基本。長引きそうなときは、生ものから計画的に使います。手早くみそ漬けやオリーブオイル漬けなど普段の調理の延長でできる工夫で、数日間は持たせられます(鈴木さん)。

取材・文=井口桂介(ハルメク編集部)、イラストレーション=鈴木みき

※この記事は、雑誌「ハルメク」2026年3月号を再編集しています。

===罫線下===

次回は、災害時のスマホ活用術と被災後の行政支援を紹介します。 

■「『いつもの暮らし』を守る在宅避難と防災の知恵」をもっと読む■

#1:在宅避難とは?災害時に自宅で安全に過ごすための備え3つ【専門家が解説】

#2:「防災備蓄」実は食料より先にトイレ!専門家が教える今すぐできる備え8

#3:災害時のスマホ活用術!命を守る9つの備えと被災後に必要な手続き

SERIES

シリーズ

HALMEK up編集部

HALMEK up編集部

「今日も明日も、楽しみになる」大人女性がそんな毎日を過ごせるように、役立つ情報を記事・動画・イベントでお届けします。

ライター記事一覧
  • TOP
  • LIFE
  • 「防災備蓄」実は食料より先にトイレ!専門家が教える今すぐできる備え8

RECOMMEND

関連コンテンツ

もっと見る

PICK UP

注目の記事

NEW

今週のアップデート