健康な人がやっていること決定版

1万人の日本人を60年間、追跡調査して実証!健康寿命を延ばす3つの習慣

1万人の日本人を60年間、追跡調査して実証!健康寿命を延ばす3つの習慣

公開日:2026年06月11日

1万人の日本人を60年間、追跡調査して実証!健康寿命を延ばす3つの習慣
nonpii / PIXTA

「〇〇を食べれば健康になる」「XXすれば長生きできる」…… 巷にあふれる健康法の多くは、実は科学的な根拠がはっきりしないもの。本記事では、60年以上、1万人超の日本人を追跡した調査によって科学的に実証された、効果的な健康習慣を紹介します。

教えてくれた人:大平哲也(おおひら・てつや)さん

医療×統計の専門医。1965年福島県生まれ。福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授。同大学健康増進センター副センター長。大阪大学大学院医学系研究科招聘教授。福島県立医科大学卒業、筑波大学大学院医学研究科博士課程修了。大阪府立成人病センター等を経て現職。著書に『10000人を60年間追跡調査してわかった 健康な人の小さな習慣』(ダイヤモンド社刊)

60年の医療×統計データで判明!健康で長生きする人の共通点

60年の医療×統計データで判明!健康で長生きする人の共通点

いきなりですが、「疫学」という言葉を知っていますか? 疫学者で医師の大平哲也さんは、「『医療』と『統計』を掛け合わせた実践的学門、それが疫学です」と説明します。

医療では主に「今、病気になっている人」を診察し、治療しますが、疫学では「今、病気でない人」も含めた集団を定点観測し、病気が起こる原因や、どうしたら予防できるかを明らかにしていきます。

「つまり、疫学とはビッグデータ。数が多いほど、期間が長いほど、その知見は蓄積されていきます」(大平さん)

自然と健康になるしくみづくりが大事

大平さんが携わってきた疫学研究の一つが、1963年に始まった「CIRCS研究」。

日本人の生活習慣病や脳卒中、心疾患、認知症などの発症の原因や予防法を明らかにするために1万人超を60年以上にわたり調査した「日本の財産」といえる研究です。

他にも日本の大規模な疫学研究に、「久山町研究」(61年〜)、「JACC研究」(88年〜)、「JPHC研究」(90年〜)などがあり今も続いています。

「横断研究」と「コホート研究」の違い

CIRCS研究をはじめ大規模な疫学研究で行われているのは、人の集団を、時間を追って見ていく「コホート研究」です。20年、30年と時間を追っていくことで、病気が起こる原因と結果がわかってきます。

一方、「今この瞬間」だけを見るのが「横断研究」。例えば、今あるデータだけ見て「ストレスが大きい人は、高血圧が多い」と指摘します。でも、ストレスによって血圧が上がるのか、血圧が上がることがストレスになっているのかはわかりません。

自然と健康になるしくみづくりが大事
「高血圧の人の多くが(低血圧の人に比べて)ストレスを訴えている」と今あるデータから指摘する

 

自然と健康になるしくみづくりが大事
「ストレスを訴える人は、血圧が高くなっていくのか?」を長期間かけて集団を追跡調査する

60年の疫学調査でわかった日本人の健康5原則

60年の疫学調査でわかった日本人の健康5原則

では、圧倒的なエビデンスを誇る疫学研究でわかった、日本人の健康5原則とは何でしょう? 結論からいうと、下で紹介している通りです。

「当たり前のことばかり、と思われるかもしれません。実際、私が医者として患者さんに話したときも、そう言われました。でも疫学データから明確にいえる健康な人の共通点は、この5つです」と大平さん。

大事なのは、これらをいかに無理なく実践していくかだと言います。

  1. タバコは一切吸わない
  2. お酒は1日2合未満
  3. 塩分を減らしカルシウムを増やした和食をとる
  4. 座っている時間を減らして適度な有酸素運動をする
  5. 肥満を解消する

自然と健康になるしくみや環境をつくることが重要

「健康寿命を延ばすためには、自然と健康になるしくみや環境をつくることが重要です。例えば、ここ数十年でアメリカ人のコレステロール値が日本人より低くなったのをご存じですか。

日本人とアメリカ人の血清総コレステロールの推移

自然と健康になるしくみや環境をつくることが重要
出典:Japan:NationalSurveyforCirculatoryDisease(1980,1990,2000,2010)
​​​​​アメリカ:NationalHealthNutritionExaminationSurvey(MargaretDCetel.JAMA2005;JAMA2012)

アメリカでは早くから高過ぎるコレステロール値に警鐘が鳴らされ、スーパーの牛乳売り場の多くは低脂肪タイプが占めるように。そのため自然と低脂肪を選ぶことになります。この『自然と』がポイントです」

大平さんが提唱する、自然と健康になる3つの方法が「日常の食習慣を無理なく変える」「自然と運動できるしくみをつくる」「ストレスを減らすように人と関わる」。それぞれ具体的に解説します。

血圧は計測するだけで下がる

脳卒中や認知症のリスクを高める高血圧。これまでの疫学調査で、高血圧になるかどうかは遺伝よりも生活習慣の影響が大きいとわかっています。

一方で、血圧は「計測する習慣を持つだけで下がる」ことも明らかになっています。ぜひ「続けるうちに下がる」と信じて、毎日計測してみてください。

自然と健康になるために今すぐ実践したいこと

  • 日常の食習慣を無理なく変える
  • 自然と運動できるしくみをつくる
  • ストレスを減らすように人と関わる

次回から2回にわたり、具体的な対策「食事編」と「運動・ストレス解消編」を紹介します!

取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部)、イラストレーション=福井彩乃

※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年11月号を再編集しています。

HALMEK up編集部
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