海外旅行傷害保険 vol.4

パッケージツアーの「特別補償制度」を利用しよう

公開日:2018.07.27

更新日:2018.07.27

パッケージツアーで旅行中に「急激かつ偶然な外来の事故での傷害や携行品の損害」は、旅行会社に責任があるかないかに関係なく、旅行会社から補償金や見舞金が、自身で加入した海外旅行保険とは別に支払われことをご存知でしょうか?

保険金の他に補償や見舞金をWで受け取れる

旅行中のケガで治療を受けたり、持ち物(携行品)が盗難にあったり、落として損傷したような場合、自分で海外旅行傷害保険や国内旅行傷害保険を契約していなければ、何も補償がないと思いがちですが、パッケージツアーで旅行中、「急激かつ偶然な外来の事故での傷害や携行品の損害については、旅行会社に責任があるかないかに関係なく、「特別補償制度」により、旅行会社から補償金や見舞金が支払われる」ということが旅行業法で決まっています。

「特別補償制度」から支払われる補償金や見舞金は、自分で契約する海外旅行傷害保険や国内旅行傷害保険の保険金とは別に支払われるため、自分で海外旅行傷害保険や国内旅行傷害保険を契約していれば、もし海外でケガをし、3日以上通院した場合は、海外旅行傷害保険の保険金と、「特別補償制度」の見舞金の両方を受け取ることができるわけです。

万一、海外旅行傷害保険に加入し忘れても、パッケージ旅行なら補償がゼロということはないのです。
 

対象となるパッケージツアーとは

 

日帰りのスキーパックなら特別補償制度の対象に

 

「特別補償」があるのは、「企画旅行」です。「企画旅行」というのは、旅行会社が旅行の目的地・日程・運送・宿泊などのサービス内容及び旅行代金を定めた旅行計画を作成し、運送機関等と契約をして旅行商品を作成して販売する旅行契約のことです。

簡単言えば、旅行会社の店頭に置いてあるパンフレットに載っている旅行で、旅行会社が電車や航空機等での運送とホテル等での宿泊を組み合わせたりして、旅行の企画を作成し、参加者を募集するタイプや、社員旅行や修学旅行のようにお客さんからの依頼で旅行会社が旅行の企画をし、交通機関や宿泊などを手配する旅行は「特別補償」の対象で、傷害と携行品が補償されます。

国内旅行でも、スキー場のリフト券と電車の切符がセットになっているだけの「日帰りスキーパック」や、ホテルの宿泊と新幹線の切符や航空券がセットになっている「出張パック」も、「パッケージツアー」なので、「特別補償制度」が適用されます。

入通院日数によって見舞金額が変わる

 

補償金額は、国内旅行と海外旅行とで異なります。旅行中に被った傷害が原因で、事故の日から180日以内に死亡した場合、海外旅行の場合は2500万円、国内旅行の場合は1500万円の死亡補償金が支払われます。

旅行中に被った傷害が原因で、事故の日から180日以内に後遺障害が生じた場合は、後遺障害の程度に応じて、海外旅行の場合は最高2500万円、国内旅行の場合は最高1500万円が、後遺障害補償金として支払われます。

旅行中に被った傷害が原因で、平常の業務や平常の生活ができない状態で、入院したり通院した場合は、日数に応じた見舞金が支払われます。


「特別補償制度」の補償金や見舞金は、旅行を申し込んだ旅行会社に請求します。筆者は以前ハワイに行ったとき、現地滞在最終日の前夜、少し段差があるところでつまずき、足首を捻挫し、帰国してから治療を受けたのですが、通院日数が7日以上になったので、「特別補償制度」から5万円の見舞金を受け取りました。

 

入院見舞金額

入院日数

海外旅行 国内旅行
180日以上 40万円 20万円
90日以上180日未満 20万円 10万円
7日以上90日未満 10万円 5万円
7日未満 4万円 2万円

 

通院見舞金額

通院日数 海外旅行 国内旅行
90日以上 10万円 5万円
7日以上90日未満 5万円 2万5000円
3日以上7日未満 2万円 1万円


 

まとめ

万一、海外旅行傷害保険に加入せず、事故に巻き込まれても、パッケージツアー、つまり企画旅行なら、要件さえ満たせば補償がゼロということはありません。しかし、「特別補償」だけでは十分とはいえないので、やはり海外旅行傷害保険には加入しましょう。この特別補償は旅行会社に請求します。保険会社への請求で頭がいっぱいになってしまいがちですが、両方とも補償されますので、特別補償の請求もお忘れなきよう!

 

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古鉄 恵美子

こてつ・えみこ ファイナンシャルプランナー.. 2カ月に1度は海外に出かけるという大の旅行好き。保険、貯蓄、投資などお金に関するわかりやすい解説で、雑誌、新聞、テレビ、ラジオなどメディアでも活躍。

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