帰省して気づいた親の老い…どう向き合う?戸惑う50代に読んでほしい3冊

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帰省して気づいた親の老い…どう向き合う?戸惑う50代に読んでほしい3冊

実家へ帰ると親や家の変化に戸惑うことが増えた50代。親の老いを理解すること、実家のこれからを考えること、そして自分自身の老いにも目を向けるきっかけになった3冊をご紹介します。

「どうしちゃったの?」と親を責める前に『老いた親はなぜ部屋を片付けないのか』平松類・著

「どうしちゃったの?」と親を責める前に『老いた親はなぜ部屋を片付けないのか』平松類・著

「え、なんだか臭う」

実家の玄関を開けてドキッとしたあの瞬間が忘れられません。前回と同じ位置に置きっぱなしの生活用品。うっすらとたまったほこり。そして母は、前回と同じ服装。

あんなにきれい好きだった母が、掃除を億劫に感じ始めた。それが、介護の始まりだったのかもしれません。

「少し掃除をした方が体にもいいよ。頭の体操にもなるよ」

そう声をかけるものの、内心では「どうしちゃったの?」という不安でいっぱいでした。

そんな私に、老いた親の体に何が起きているのかを教えてくれたのが、10万人を超える高齢者と接してきた眼科医の著者です。

高齢になると、視覚や聴覚、嗅覚などの衰えによって、自分では部屋が散らかっていることや、においに気づきにくくなると書かれていました。

この汚れが見えていない。このにおいにも気づかない。クーラーをつけないのも暑さを感じにくくなっているから。ここまでとは思わなかった、老いの事実を知り、切なさがこみあげてページをめくる手が止まりませんでした。

とはいえ、すぐにモノを捨てたり大掃除するのではなく、まずやってあげられるのは親が通る場所を片付けたり、高いところに置かれたモノを下ろしたり、さりげなく家を整えたりすること。親の感覚も知らずに「掃除して」と言ってきた自分が情けなく、この本に出合えて本当によかったと思いました。

帰省先で親の変化に戸惑ったとき、最初に読んでほしい一冊です。

『老いた親はなぜ部屋を片付けないのか』日経BP 日本経済新聞出版

実家といえども「他人の家」『モノが減ると不安も減る 実家の断捨離』やましたひでこ・著

実家といえども「他人の家」『モノが減ると不安も減る 実家の断捨離』やましたひでこ・著

実際に実家を片付けるとき、どんな心構えがあればいい?

準備段階の方に読んでほしいのが、断捨離の提唱者・やましたひでこさんの『モノが減ると不安も減る 実家の断捨離』です。

モノをため込む母親を自分の住む地域に呼び寄せ、同居して介護した体験をもとに、親との関係と実家じまいを整理していく過程が書かれています。

いつまでも娘を子ども扱いする母親とぶつかりながら、介護がしやすい家づくりや、自分と親との距離感の保ち方。娘として「ここだけは譲れない」と線を引く姿が印象的で、何度もうなずきながら読みました。

親の好み通りに生活させてあげるのが、よい介護。初めの頃はそう思ってがんばり、疲れてしまった私にとって、やましたさんの「自分軸」という考え方は、介護する側を守ってくれるもの。

「希望通りの介護にならなくて、ごめんね」そう思いながらも、自分の生活も守らなければいけない。

これから実家の片付けに向き合う人に、まず心構えとして読んでおいてほしいと思います。

『モノが減ると不安も減る 実家の断捨離』大和書房

親の老いとこれからの私をつなぐ『100年の旅』ハイケ・フォーラ・著

親の老いとこれからの私をつなぐ『100年の旅』ハイケ・フォーラ・著

老いは、いつもの暮らしの中で始まっている。

書店で「全国の書店員さんから圧倒的支持」という紹介を見かけ、気になって手に取った『100年の旅』。読み終えて、買ってよかったと思った本です。

本書は、0歳から100歳までを、1歳につき1ページ、イラストと短い言葉で描いています。子ども時代の長かった夏休み。仕事や恋愛、新しい経験をどんどん吸収して上っていく感じの前半部分。それが次第に50代頃から下り坂を感じ始め、60代からは、今までと同じ生活ができるか不安になる様子なども描かれています。

若い頃より、時間が何倍も速く過ぎていくように感じる。

80代になれば、今年できたことを、来年も同じようにできるだろうかと考える。

どれも、これからの自分が感じそうなことで未来の自分を見ているようで、泣きそうになりました。そして、同時に親はまさにこの年代を生きているのだと気づいたのです。

老いには、はっきりとした始まりも終わりもありません。どこからが老いなのか、はっきりとした境目もありません。

帰省して老いた親を見ると、子どもである私たちは切なくなります。けれどそれは、未来の自分の姿でもある。

今の自分と未来の自分を同じ本でつなげて感じられる本。老いを見る視点を変えてくれた一冊でした。

『100年の旅』かんき出版

この夏、久しぶりの実家で切なさを感じた50代へ。そっと手渡したい3冊です。

まいこ

まいこ

4人の子を育てる専業主婦から、実母の介護と看取りを経て、資格取得など迷走しながら50代からSNSに挑戦。Instagram(@maiko_books)で「50代読書主婦の惚れる言葉に出会える本紹介&選書」をテーマに、がんばる女性を応援する本や書店の売れ本情報を紹介している。

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