吉原友美（よしはら・ともみ）プロフィール

東上セレモサービス常務取締役、終活コーディネーター。一般社団法人ライフ・パートナーズ理事。自身の家族が早くから他界。その経験から死生観を育成して生きていくことの大切さを知る。終活セミナーでは絵本を使い、死生観育成について伝えている。また、最新の終活事情・葬儀・お墓・相続についてもわかりやすく解説する。セミナーの参加数は累計2万人以上の人気を誇り、自社では3万件以上の葬儀を承っている。

心がふっと晴れる3つの行動

夜、ふと鏡に映る自分の顔に、ドキッとすることはありませんか。

「こんな顔してたんだ……」

髪は乱れたまま、メイクもせず、心もどこか空っぽ。今日もまた、誰かのために動いて終わった一日。時間にも、心にも、余白がない。やることは山ほどあるのに、誰にも代わってもらえない。

介護は、親だけとは限りません。配偶者、きょうだい、義理の家族、大切なパートナー。人それぞれに「支えたい人」がいて、その人のために尽くす日々が続くと、ふと心のどこかでつぶやいてしまうのです。

「私の人生、どこにいったんだろう」「とはいっても、介護するしかないんです」

そう話してくれた方がいました。

その一言の奥には、長い時間、誰にも言えなかった孤独と、静かに擦り減ってきた“自分”が隠れていました。我慢強く、やさしく、責任感のあるあなたへ。今日は、そんなあなたの心にそっと光が射すような、“心がふっと晴れる3つの行動”をご紹介したいと思います。

電車に乗って、知らない町のカフェへ行く

思いきって切符を買い、隣町のカフェにふらっと入ってみる。 誰も自分を知らない空間で、ただコーヒーを飲むだけ。それだけなのに、 「私は“誰かの世話をする人”だけじゃない」 「私として、ここにいていいんだ」と、じんわり思い出せたりします。役割を脱いだ、ただの“私”に戻れる時間。 そういう時間を、これから少しずつ取り戻していってもいいのだと思います。

写真を撮ってもらう～今の“あなた”の姿を

プロのカメラマンに、自分の写真を撮ってもらう。メイクをして、少しおしゃれをして、レンズの前で笑ってみる。最初は照れくさくても、写った自分の姿に

「あ、こんな表情、私にもまだあったんだ」「この顔、ちょっといいかも」

そんなふうに、自分の中の“やわらかい部分”に気付けることがあります。鏡では気付けなかった“今のあなた”の存在を、再発見する時間です。

 “声にして話す” そして “聞き返してみる”

誰にも言えない思いを、スマートフォンのボイスメモなどにそっと話してみてください。

「もう限界」「つらい」「誰もわかってくれない」――そうやって心の内を声にして外に出すと、ふだん押し込めていた感情が、少しずつほどけていきます。

そして後から、その録音を自分で静かに聞いてみる。涙をこらえる声、怒りを抑えた呼吸、必死に整えようとする言葉……。その声には、あなたの「ほんとう」がにじんでいるはずです。

もし目の前に、同じように話している誰かがいたら、あなたは何と言葉をかけますか？

「よくがんばってるね」「苦しかったね」「ちゃんと見てるよ」

そんなやさしい言葉を、今こそ自分自身にかけてあげてください。

録音した自分の声に、どんな声をかけてあげたいか？その問いに向き合うことが、あなた自身を回復させる糸口になります。もちろん、すぐに状況が変わるわけではありません。けれど、ずっと“自分を後回しにしたままの人生”でいいのでしょうか。ほんの少しでも、自分の心に光を当てる時間があっていいはずです。

私はふだん、「グリーフケア」の視点から、“喪失の中にある心”に寄り添う活動をしています。介護のことを直接テーマにしているわけではありませんが、誰かを支える日々の中で「自分を見失いそう」という思いに気づいたとき、その心をそっと受けとめ、整えていくヒントをお届けしています。

あなたの人生は、まだ途中です。

そしてあなたの未来には、本当の自分として、静かに輝き直す時間が必ず訪れます。

【お知らせ】

「自分らしい時間を取り戻す、やさしい終活のヒント」
をテーマに、終活セミナーを開催いたします。
少し疲れた心に、やわらかい風を送りにいらしてください。

日時：9月19日（金）午前10時
住所：埼玉県新座市東北２丁目27−14　ベルセゾン志木
参加費：無料
アクセス：東武東上線 志木駅南口 徒歩3分
予約・お問い合わせ：TEL【048-485-5910】まで

↓連載コラムの他の回はこちらをクリック↓

 東上セレモサービス加入者様（互助会会員様）は
初年度年会費無料でHALMEK upプレミアム会員登録ができます
詳しくはこちら