親の介護を経て気付いた50代から自分を楽しむヒント

介護も老いも笑いに変えて。カータン流「人生は楽しんだもの勝ち」の考え方

介護も老いも笑いに変えて。カータン流「人生は楽しんだもの勝ち」の考え方

公開日:2026年02月28日

介護も老いも笑いに変えて。カータン流「人生は楽しんだもの勝ち」の考え方

親の介護という重い現実に直面しながらも、笑いとユーモアを忘れず発信を続けてきたカータンさん。介護をオープンにする意味、心が折れそうな時期の乗り越え方、そして50代から人生を楽しむための考え方を伺いました。

主婦のリアルな日常をユーモアたっぷりに描くブログ「あたし・主婦の頭の中」で絶大な人気を誇る、人気ブロガーのカータンさん。

『健康以下、介護未満 親のトリセツ』(KADOKAWA刊)や『ビバ 女の古(こ)』(主婦の友社刊)など、親の介護や50代の生き方をテーマにしたコミックエッセイも大きな反響を呼んでいます。

親の老いという重い現実に直面しながらも、なぜカータンさんは明るく前向きでいられるのか。

介護の葛藤を経て、50代の自らを「女の古(こ)」と呼び、人生を謳歌するようになった理由まで。等身大の言葉で語っていただきました。

「恥ずかしいことじゃない」介護をオープンにする勇気

「恥ずかしいことじゃない」介護をオープンにする勇気

コミックエッセイ『健康以下、介護未満 親のトリセツ』『お母さんは認知症、お父さんは老人ホーム 介護ど真ん中! 親のトリセツ』で、介護のリアルを描いたカータンさん。 

――親の介護について発信し始めたきっかけは何だったのでしょうか。

カータンさん(以下、カータン) 
2016年頃は介護について発信している人がまだ少なくて、「よく現在進行形で書けるね」と言われることもありました。でも私にとって、介護は一人では抱えきれないほど大きな問題だったんです。

外に発信する。それだけで、少し気が楽になるような、一種のストレス発散になっていたのかもしれません。読者の方から「自分も同じです」という共感をいただけたことも、大きな励みになりました。

――当時は「親が認知症」であることを隠したいという風潮もありましたよね。

カータン そうですね。どこか恥ずかしいという思いがあったのかもしれません。でも、長く生きていれば誰にでも起こりうること。自分もいつか通る道だと思えたとき、隠す必要なんてないと思えるようになりました。

介護も更年期も、いつ始まってどれほど重くなるかは人それぞれ。正解がないからこそ、誰かに話したり、共感し合ったりすることが救いになるのだと思います。

「介護ど真ん中」よりつらかったのは心の準備期間

「介護ど真ん中」よりつらかったのは心の準備期間

突然、親の介護に突入したカータンさんが、当時を振り返り、苦労したこと、感謝したことを振り返ってくれました。 

――親の変化を目の当たりにするのは、心身ともにハードな経験だったかと思います。

カータン 実際に手がかかる「介護ど真ん中」の時期も大変でしたが、精神的に一番つらかったのは、まだ心の準備ができていなかった「介護未満」の頃でした。 勝手に「90代まで元気にピンピンコロリ」という理想の姿を親に重ねていたんです。

それなのに、まるで触角を取られたアリのように弱々しくなった親の姿を見たときは、本当に切なくて。友人からも親の認知症について相談を受けますが、やはりみなさん、親の老いを受け入れる最初の時期が一番つらそうです。

――特にお母様の認知症の症状には、ショックを受けられたそうですね。

カータン 母がゴミの分別ができなくなったり、台所に放置された鍋を見たりしたときは、怒りよりも切なさが押し寄せてきました。今まで一番の相談相手だった母が、ストレスの原因になっているという現実。 

そんなとき、同じ目線で愚痴を言い合える姉の存在は本当にありがたかったです。夫に話しても“きれい事”しか返ってこないことが多いので(笑)、同じ立場で吐き出せる相手がいることは、精神を保つ上で不可欠でした。

――プロのケアマネジャーさんの存在も大きかったとか。

カータン 良いケアマネジャーさんは、本当に神様のように見えます。初めて担当の方と話したとき、50歳を過ぎた私と姉が、子どものようにワンワン泣いてしまったんです。プロの方は、私たちが抱えている悩みのすべてに答えを持っていました。自分たちだけで抱え込まず、プロの力を借りることの大切さを痛感しましたね。 

「人生は楽しんだもの勝ち」と思えるようになった理由

「人生は楽しんだもの勝ち」と思えるようになった理由

親の介護を経て、自分の人生を見つめ直すことになったカータンさんは、より人生を謳歌しようと前へ進み始めます。

――介護を経験したことで、ご自身の老後観に変化はありましたか?

カータン  自分の老後が身近になり、準備の大切さを実感しました。また、考え方も変わりましたね。あんなにおしゃれだった母が無頓着になっていく姿を見て、「自分の意思で装いを楽しめるのはあと10年ちょっとかもしれない」と気付いたんです。

そう思ったら、「地味な服を着ている場合じゃない!」って(笑)。体力や記憶力が衰えていくのは止められませんが、だからこそ今、おしゃれを楽しめるうちに楽しんでおきたいと思うようになりました。

私は韓国ドラマの悲劇のヒロイン!妄想で逆境を笑い飛ばす

「人生は楽しんだもの勝ち」ヒロイン気分で逆境を笑い飛ばす

――最新作『ビバ 女の古』では、50代を謳歌するカータンさんの新しい一面が描かれています。

カータン 父が入院し、姉が癌になり、母の介護も重なって……まさに韓国ドラマのようなヘビーな状況になった時期がありました。そんなとき、自分を“悲劇のヒロイン”のように思って、カメラが回っていると妄想してみたんです。

第三者の視点を持つことで、つらさの沼に沈み込まないようにしました。「神様は乗り越えられない試練は与えない。私は今、ドラマの主人公なんだ」って。その韓国ドラマは長かったですが(苦笑)

姉は亡くなる前、 「介護で大変な時期に、『なんで私がこんな目に』とずっと気持ちが沈んでいた、だからあなたは自分を追い詰め過ぎないで」  と話してくれました。

その言葉が、今も心に残っています。どんな状況でも、自分の気持ちを守りながら生きることの大切さを、姉から教えてもらった気がしています。 

――現在はエキストラやボイストレーニングなど、新しい挑戦を次々とされていますね。

カータン 自分のお金を使ってやる習い事などは、楽しまなきゃ損です。面白そうだと思ったら始めてみて、合わないと思ったらすぐにやめてもいい。そんな軽やかなスタンスでいいと思うんです。 3月からは、新しく着付けも始めてみようと思いますし、ボランティアなどもやってみたいです。

また、映画、グルメ、趣味……というように、目的ごとに一緒に過ごす女友達を分けて持っておくのもおすすめです。昔は1人や2人の親友にだけ依存していたけど、それはしんどいです。50代からの「女の古」は、たくさんの居場所を持って、軽やかに、欲張りに楽しんでいきたいです。

「人生は楽しんだもの勝ち」ヒロイン気分で逆境を笑い飛ばす

「人生は楽しんだもの勝ち」ヒロイン気分で逆境を笑い飛ばす

 

HALMEK up編集部
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