教えてくれた人：本間朝子（ほんま・あさこ）さん

知的家事プロデューサー。雑誌、TV出演、講演多数。企業・自治体等で時短家事セミナーを多数実施。『60歳からの疲れない家事』（青春出版社刊）など著書多数。

ナゼ？「秋の小掃除」がおすすめのワケ

「夏が過ぎ、気候がいい秋のうちに、寒いと大変な場所、普段やらない場所に絞って掃除をしておくと年末がラクです」と話すのは、知的家事プロデューサーの本間朝子さん。おすすめの場所は、冷蔵庫、窓・網戸、そして玄関です。

「秋は冷蔵庫の中身を少々外に出しておいても大丈夫ですし、窓・網戸についた台風や長雨の汚れを落とすのに最適。玄関も寒くならないうちに、ひどい汚れを落としておきましょう」

秋の小掃除がおすすめな理由4つ

・気候がいいから動きやすい
・寒くないから汚れが落としやすい
・衣替えと一緒に不要品も処分
・忙しい年末に余裕ができる

秋にやるのはここだけ！

• 普段はやらない場所
• 寒いと大変な場所

効率よくキレイになる！ラクラク掃除の基本

「効率のいい掃除は上の汚れから下へ、そして内の汚れから外へが基本。ただし唯一窓だけは外側からキレイにしてください」と本間さん。窓は外がキレイになっていないと内側の汚れが落ちた確認できないためだそう。

道具や洗剤は手持ちのもので十分です。「秋の衣替えや片づけをした際に出た古着や古タオルを使えば経済的で一石二鳥ですよ」（本間さん）

冷蔵庫

買い物の前日など中身が少ない日が狙い目。

＜主な道具＞
アルコール除菌スプレー、キッチンペーパー

全部出しはしなくていい！中身を動かし空きスペースをつくる

冷蔵庫の食材が減っている日に1段ずつ中身を動かして拭き掃除をするとラクです。中身を出して掃除したい人はもちろんそれもOK。涼しい秋は少々外に置いても大丈夫です。

丸洗いしなくていい！キッチンペーパーにアルコールを吹き付けて拭く

本間さんのおすすめのアルコール除菌スプレーは「パストリーゼ77」。77度の高濃度アルコールで除菌効果が高く、手垢や油汚れがラクラクとれます。すぐに乾くので二度拭きも不要。

冷蔵庫の「キレイが続くワザ」

【使用頻度の低い調味料はトレーへ】

あまり使わない調味料はトレーにまとめて最上段へ。掃除がラクになる上、賞味期限が確認しやすく冷蔵庫に余計なストックを増やしません。

【野菜室は紙袋で野菜クズを防ぐ】

野菜室に新聞紙を敷いている方も多いと思いますが、紙袋なら小分けもでき野菜クズをこぼすことなく捨てられます。汚れにくく後の掃除もラクに。

窓・網戸

曇りの日がラク。網戸は内→外、窓は外→内の順で。

＜主な道具＞
ワイパー、マイクロファイバークロス

窓ガラスは水だけでいい！

1．網戸を内→外の順にワイパーで拭く

ワイパーの柄を短く調整して、ウエットシートを取り付けて、優しく拭きます。

2．窓は緩めに絞って水拭き

マイクロファイバークロス（古着などでも）を緩～く絞り、窓の外側から汚れを拭き取ります。汚れたらこまめにすすいで。

3．濡れているうちに乾拭き。「己」の字を書くように

乾かないうちにすぐマイクロファイバークロスの乾拭きで磨いていきます。「己」の字を書くように、⅓ずつくらい重ねて拭くと拭き残しなし。

枠の皮脂汚れには洗剤を

鍵や引き手まわりの汚れは住居用洗剤をつけた布で拭きます。本間さんおすすめの洗剤は「ウタマロクリーナー」。家中どこでも使えます。

玄関

天気のいい日に、上→下、内→外へ向かって掃除

タタキはリビングのついででも

1．ドアは内→外、上→下へ拭く

ハケでほこりや砂を落とした後、ウェットシートなどで内側→外側の順に拭きます。インターフォンや表札も忘れずに。

2．タタキは内から外へ掃いたらワイパーで仕上げ

泥やほこりを掃き、リビングを拭いた後のウェットシートが付いたワイパーで拭くとラク。目地の汚れは歯ブラシで。

靴箱は空きをつくり上→下へ掃除機で吸う

靴をずらすか出すかしてスペースをつくり、まずは掃除機でほこりや砂を吸い取ります。さらにアルコール除菌剤などで拭けばスッキリ。

玄関の「キレイが続くワザ」

【玄関にハケを下げてちょこっと掃除】

出掛けるときにドアのちょっとしたホコリが気になりませんか？　「後で」と思いながら放置しがちですが、小さなハケなどをフックで吊るしておくとササッと掃除ができます。

秋は家事代行が安い時期！大変な所は業者に頼む手も

レンジフード、お風呂、エアコンなども掃除したい方は「家事代行業者を検討してみては」と本間さん。「年末は料金が上がりますが、秋はキャンペーンなどで、安く頼めることもあります」

次回は知っているともっとラクに！がんばらない「秋の小掃除」5つの心得を紹介します。

取材・文＝原田浩二（ハルメク編集部）、撮影＝鈴木まゆみ、イラストレーション＝山村真代

※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年11月号を再編集しています