50代からの女性のための人生相談・104
人生相談:独身の50代…老後の準備はいつから何を?
人生相談:独身の50代…老後の準備はいつから何を?
更新日:2024年08月30日
公開日:2022年11月24日
50歳女性の「天涯孤独…自分の介護が心配」というお悩み
私は天涯孤独です。この先、自分で自分のことができなくなった場合、どう対応していけばいいか不安です。
どういった選択肢があるのか、施設といっても種類がたくさんあり、どんな施設がいいのか、何を基準に選べば良いのか……。いろいろ考え出すと不安しかありません。
自分の老後のために、いつ頃から、何を、どのように、準備していけばいいのか教えてほしいです。
(50歳女性・わんころんさん)
太田さんの回答:サービスや制度を利用しながら自分らしく生きて

将来、介護が必要になって、自分で自分自身のことができなくなったら?
「家族」と呼べる信頼できる人がいない場合、不安になることがあります。わんころんさんも、とても心配されているようです。
介護が必要になったら、介護保険をはじめ、さまざまなサービスを利用することができます。家族がいても、それぞれに事情があり、必ず世話をしあえるわけではありません。
家族の有無にかかわらず、地域包括支援センターという介護の相談窓口や、ケアマネジャーという介護のプロが支援してくれるので、そんなに心配しなくても大丈夫です。
必ずしも、施設に入居しなくても、ホームヘルプサービスやデイサービスなどを利用しながら、自宅で一人で暮らしを継続している高齢の方はいくらでもいます。

ただし、一人暮らしだと、自宅で倒れても、誰にも気付いてもらえないことがあります。近所に安否を確認しあえるような友人や知人がいると安心です。
「遠くの親類より近くの他人」ということわざがあるように、いざという時は近所の人が頼りになります。地域の友人作りは、一朝一夕にできるものではないので、50代の頃から意識して交友関係を築いておきたいものです。
「後見人」を選んでおくと、より安心

認知症などにより判断能力が不十分になると、在宅でサービスを利用するにしても施設に入居するにしても契約を結ぶことが難しくなります。お金の管理もできなくなる可能性があります。
そこで、もしもに備えて「任意後見制度」を利用するのは一案です。
「任意後見制度」は、認知症などにより判断能力が低下した人の財産を保護するために設けられた「成年後見制度」の一つです。
元気なうちに自分の信頼できる人に、いざという時に「任意後見人」になってもらえるよう、あらかじめ契約をしておくものです。任意後見人がいれば、自分で適切な判断や支払いなどの処理ができなくなった場合に、代行してもらえます。
任意後見人には家族でも、弁護士や司法書士などの専門家でも依頼可能です。
後見人に頼んでおけること
任意後見人の仕事は大きく分けて2つあります。
- 財産管理
- 介護や生活面の手配
本人の「財産管理」とは、自宅などの不動産や預貯金、年金の管理、税金や公共料金の支払いなどのことです。
「介護や生活面の手配」は、要介護認定の申請や介護サービス提供機関との契約、介護費用の支払い、入院の手続き、入院費用の支払い、老人ホームへ入居する場合の入居契約など、生活全体のバックアップをお願いしておくことができます。
どうしたいかを決めておくことが重要

任意後見人には、「判断能力が不十分になったら、こういうサポートをお願いしたい。その費用はこれをあててください」というように、具体的に相談する必要があります。
そこで、まずは、自分が老いたら、どのように生活をしていきたいかを考えてみましょう。大きく分けて、下記1、2のどちらでしょうか。
- できる限り在宅で暮らし、身の回りのことを自分でできなくなったら施設に入居。
- 元気なうちに施設に入居。
上記を考えたら次は、任意後見制度の知識を深めることをおすすめします。
例えば、司法書士会の「リーガルサポート」のウェブサイトをのぞいてみてはどうでしょう。
また、任意後見制度以外にも、近年は、高齢者を対象とする身元保証や日常生活の支援、死後事務などを行う民間事業者のサービス、通称「身元保証等高齢者サポートサービス」が広まってきています。
ただ、費用やサービス面などのトラブルも少なくなく、国民生活センターに多くの相談が寄せられているようです。依頼する際には、必ず複数の業者を比較検討しましょう。

そして、元気なうちは地域の友人、知人と交流しておくことも重要なことです。
いざとなったら、直接の介護は介護保険を中心としたサービスを利用し、契約などのサポートは専門家に依頼する!そんな体制を元気なうちに築けていれば、わんころんさんも人生を安心して過ごしていけるのではないでしょうか。
回答者プロフィール:太田差惠子さん

おおた・さえこ 介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ理事長、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」 等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』(翔泳社)など多数。最新刊は『子どもに迷惑をかけない・かけられない!60代からの介護・お金・暮らし』(翔泳社)。
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