50代、これからの人生を見つめ直す映画時間
50代の共感必至！活力がもらえる大人女性が主役の人生ドラマ映画5選
50代の共感必至！活力がもらえる大人女性が主役の人生ドラマ映画5選
公開日：2025年12月25日
目次
血のつながりを超えて結ばれる親子の絆「かくしごと」
北國浩二の小説『嘘』を、杏主演で実写映画化した本作。一つの嘘をきっかけに怒涛の展開を見せる物語は、親のあり方の多様性を問う、杏さんの意欲作となっています。
主人公は絵本作家の里谷千紗子。絶縁状態だった父・孝蔵が認知症を発症したことを機に故郷へ戻り、介護を始めます。そんな折、事故で記憶を失った少年と出会い、彼の体に虐待の痕を見つけた千紗子は、少年を守るため、自分が母親だと偽って共に暮らす決断を下します。
自身も母親である杏さんが、覚悟を持って挑んだ本作。少年を守るために重ねる嘘、その裏にある深い愛情、そして父の介護に揺れる心情が、息をのむようなリアリティで描かれていきます。物語の終盤に用意された展開も、強い余韻を残します。
介護や家族の問題に直面することも多い50代、60代の女性にとっては、決して他人事とは思えない切実さを持って心に迫るはず。衝撃と感動が待ち受けるヒューマンドラマをぜひご覧ください。
Blu-ray：5280円（税込）DVD：4180円（税込）／発売・販売元：ポニーキャニオン
小泉今日子と永瀬正敏が夫婦役を演じた「毎日かあさん」
人気漫画家・西原理恵子の自伝的ベストセラー・コミックを、小泉今日子主演で映画化した本作。主人公のカアサン役を小泉さんが、その夫役を永瀬正敏が演じ、元夫婦である二人の共演も大きな話題を呼びました。
6歳の息子と4歳の娘を育てる漫画家・サイバラリエコ。突拍子もない行動をする子どもたちに振り回されながらも、毎日をたくましく、明るく過ごしています。一方、元戦場カメラマンの夫はアルコール依存症と格闘中。同じ過ちを繰り返し、やがてリエコは離婚を決意します。
仕事と子育てに奔走しながら、トラブル続きの日常を笑い飛ばして生きるカアサンの姿に、心を揺さぶられる人も多いはず。小泉さんと永瀬さんは、長年連れ添った夫婦ならではの信頼と葛藤を、驚くほどリアルに体現しています。
依存症に苦しむ夫との別れや再会、そして看取りまでを描きながら、「それでも人生は愛おしい」と包み込むようなまなざしが貫かれた物語。笑いと涙が交錯する、家族と再生を描いたヒューマンドラマです。
1960年代にNASAで活躍した3人の女性たちを描く「ドリーム」
1960年代、米ソの宇宙開発競争に湧くアメリカの航空宇宙局NASA。人種差別やジェンダーの壁が存在していた時代に活躍した、実在の女性3人の奮闘を描く本作は、見るたびにパワーをもらえる快作です。
主人公は、天才的な計算能力を持つキャサリン、管理職への昇進を願うドロシー、エンジニアを目指すメアリーの3人。当時のアメリカには、まだ人種隔離政策が色濃く残っていて、彼女たちは卓越した能力を持ちながらも、トイレやオフィスは白人と別にされるという不当な差別を受けていました。
でも、中には彼女たちの味方をする白人も登場。特に、キャサリンの能力を認めた上司（ケビン・コスナー）が、オフィス内の「白人専用トイレ」の看板を自らハンマーで叩き壊すシーンは見ていて実に痛快！
どんな状況下でも、明るくポジティブに、自らの夢へと邁進していく3人。やがて彼女たちは、まだコンピュータですら無かった時代に、人類を宇宙に送るという壮大なプロジェクトに関わり、多大な功績を残すことに。見れば気分爽快のおすすめ映画です。
自分らしく胸を張って生きることの素晴らしさ「ノマドランド」
「スリー・ビルボード」（2017年）などの名優フランシス・マクドーマンドが、季節労働をしながら、アメリカ西部の広大な自然を旅する60代の女性を演じた本作。第93回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞（フランシス・マクドーマンド）の3部門を受賞しました。
リーマン・ショックによる経済崩壊で、長年住み慣れた家も仕事も失ったファーン。住まいは一台の車だけ。道中で出会う本物の「ノマド（放浪民）」たちと交流しながら、過酷な自然の中で自活していきます。
一見、お先真っ暗な状況に見えても、彼女は決して悲観していません。「私はホームレスではない。ただハウスレスなだけ」と語るファーンの表情には、人生の荒波を越えてきた熟年女性ならではの強さとたくましさがにじみ出ています。
どんな境遇に置かれても自分らしさを失わずに生きる姿が胸を打つ、ロードムービーの傑作。今を生きる私たち自身とも重ねて観たくなる、共感に満ちた作品です。
吉永小百合と天海祐希が贈る、勇気と友情の物語「最高の人生の見つけ方」
モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンが共演した同名ハリウッド映画を原案に、吉永小百合、天海祐希を迎えて日本版としてリメイクされた本作。人生の後半戦をどう豊かに生きるかを描いた、ハルメク世代に深く寄り添う感動の人間ドラマです。
家庭に尽くしてきた真面目な主婦・幸枝（吉永小百合）と、仕事一筋で生きてきた女社長・マ子（天海祐希）。立場も性格も正反対の二人は病院で出会い、12歳の少女が落とした「死ぬまでにやりたいことリスト」をきっかけに、思いがけない冒険へと踏み出します。
スカイダイビングへの挑戦や、ももいろクローバーZのライブ参戦など、これまでの人生では考えられなかった体験を重ねながら、「自分の人生」を少しずつ取り戻していく二人。次第に目を輝かせていく姿からは、自然と勇気と元気をもらえるはずです。
何歳になっても、自分の幸せを見つけ、有意義な時間を重ねていきたい――。毎日をもっと大切に過ごしたくなる、おすすめの人生ドラマです。
年末年始のひとときに、これからの自分を見つめ直す時間として、ぜひ味わってみてください。
