芦ノ湖畔の絶景クラシカルホテルで過ごす小旅行へ

おすすめの温泉宿|箱根「山のホテル」(神奈川県)

公開日:2018.12.28

更新日:2019.03.03

箱根観光の中心となる芦ノ湖。子供連れなら観光船やワカサギ料理を楽しめるお店もたくさんありますが、大人がのんびりできる場所は案外少ないもの。芦ノ湖を満喫するなら、湖畔でも随一の絶景を誇るクラシカルなホテルの日帰りプランがおすすめです。

広大な庭園は一見の価値あり! 湖畔の正統派リゾート

玉造りという仕上げ方で植えられたつつじの庭園

海に面した小田原や、箱根の玄関口箱根湯本から山道を登った場所にある芦ノ湖は、古くから東京から近い避暑地として賑わっていました。周囲の温泉宿はもちろんですが、なにより自然の豊かさとその湖の美しさが戦前から文化人や政界、財界人を惹きつけてやまなかったのです。

その中のひとりが、三菱財閥の四代目総帥、岩崎小弥太男爵でした。明治44年に、芦ノ湖畔の10万坪という広大な土地に別邸を建てます。当初の建物はおよそ1年で火事により消失しましたが、日本近代建築の祖とも言われるジョサイア・コンドルの設計による石造りの2階建て洋館が建てられます。関東大震災で崩壊したその建物を翌年再現し、戦後ホテルとして開業します。以来70年以上、改築やリニューアルを重ねながら、芦ノ湖畔随一の正統派リゾートホテルとして営業しているのが、この「山のホテル」なのです。

「山のホテル」に訪れ、まず驚かされるのが広大な敷地に広がる庭園です。広大な敷地には、岩崎男爵が集めた樹齢100年を超える古木をはじめ、30種3000株のツツジ、20種300株のシャクナゲ、25種250株のアジサイ、30種200株のバラなどが植えられた庭園。四季ぞれぞれに趣を変え、芦ノ湖を望むバリアフリーの庭園を散策するのが人気です。

岩崎男爵は、この別邸に様々な文化人や政財界の要人を招き、ゴルフやボート遊びに興じたそうです。敷地内、湖畔にある『サロン・ド・テ ロザージュ』のすぐ隣には、当時を忍ばせる桟橋があり、本館の展望室からは庭園越しに遠く芦ノ湖まで見渡せ、その絶景を見るだけでも、岩崎男爵がなぜこの別邸を愛したのかが伺いしれます。

お得な日帰りプランでのんびり

芦ノ湖畔に突き出た桟橋

「山のホテル」は、宿泊はもちろんのこと、日中ゆったりと過ごすデイプランも用意されています。午前中にホテルに付き、荷物を預けてから庭園を散策、ホテルのレストランでゆっくり昼食を楽しんでから、14:00にチェックイン。チェックアウトは20:00ですから、温泉に入ったり、スパでリラクゼーションサービスを受けたり、ゆっくり過ごすことができます。

すべての客室から芦ノ湖に向いた庭園を眺められます。オーセンティックな客室には、世界三大高級コットンと言われる新彊(しんきょう)綿を使ったタオルなど、快適に過ごせる仕掛けがたくさん。接客もクラシカルホテルならではの、気配りが行き届いたきめ細やかなものです。

スタンダードツインの室内。全室から芦ノ湖が見える

「山のホテル」では、日本料理レストラン『つつじの茶屋』と、フランス料理のレストラン『ヴェル・ボワ』のふたつのダイニングルームがあります。『つつじの茶屋』という名は、岩崎男爵が愛した茶室にちなんだもの。そして「スイスのレマン湖のほとりにあるような別邸を」という岩崎男爵の想いを受け継ぐように、リゾートならではの上質なフランス料理を楽しめるレストラン。どちらも、食事だけを楽しむために、わざわざ訪れる常連がいるほどのレストランです。特にヴェル・ボワには、格式あるホテルダイニングならではのワインのコレクションもあります。ワインに詳しくなくても、好みや予算に合わせて美味しいワインを選んでくれるソムリエがいるのも安心できるところです。

フランスの名店で修行したシェフが腕を振るう料理の数々

絶景温泉やスパで心身ともにリラックス

ヒノキ林に面した大浴場

箱根といえば温泉! 「山のホテル」の温泉は、箱根ならではの、柔らかな肌触りのアルカリ性単純泉。湯量も豊富なので、温度調整はしていますが、加水はされない自家源泉から湧いたもの。露天風呂はもちろん、壁一面がガラス窓になっていて、室内からも景色をを楽しむことができます。女性用にはミストサウナ(男性用はドライサウナ)もあり、とてもリラックスできる空間です。パウダールームも個別に仕切られ、人の目を気にすることもありません。

風呂上がりには敷地内で湧く天然水で喉を潤すこともできます。強すぎる温泉ではないので湯あたりもしにくく、部屋で寛いではまた大浴場に足を運び、何度もお湯に浸かるお客様も少なくないそうです。入浴後には、最上階にある眺めのいいスパでトリートメントを受けることもできます。

箱根観光なら「箱根フリーパス」が便利

芦ノ湖へは、箱根湯本からバスで40分。元箱根港からは無料の送迎バスがあります。小田急線往復乗車券に加え、箱根ケーブルカーやロープウェイ、箱根箱根登山鉄道や箱根登山バスなど箱根の8つの乗り物が乗り放題の「箱根フリーパス」(2日間有効 5,140円、3日間有効 5,640円 新宿発着の場合)がおすすめ。ロマンスカーの特急券は別途必要ですが、箱根周辺のおよそ50の施設が割引で利用できます。パスは2日間か3日間か有効期間を選べますので、オーセンティックでゆったりとした時間が流れる「山のホテル」に1泊するのも楽しいかもしれませんね。

「山のホテル」への行き方(交通アクセス)

小田急 山のホテル

住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80
電話:0460-83-6321
交通:電車 新宿駅から小田急ロマンスカーで箱根湯本下車。箱根湯本駅から箱根登山バス「箱根町港行き」約40分。「元箱根港」下車。徒歩15分。元箱根港からは送迎バスあり
  高速バス 新宿から「山のホテル」まで小田急箱根高速バスで約150分
  車 東名厚木I.C.から小田原厚木道路経由、箱根新道芦ノ湖大観ICより約10分。

    
料金:「お部屋付き日帰り入浴、上質なスパトリートメントと季節の彩りレディスランチと美人の湯」(ここで紹介したプラン)
   1室2名~3名利用の場合 1名 32,000円より
   ※この料金には、トリートメント料(90分)・昼食・室料・サービス料・消費税・入湯税が含まれます

坂井 淳一

「今日なにを呑む?」から始まる食事の新しいスタイルを提案する酒ごはん研究所主任研究員。ワイン、日本酒、本格焼酎やスピリッツ、カクテルとあらゆるお酒を研究している。料理はもちろん、旅行、アウトドアやIT、ガジェットなど幅広くカバーする。

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