旅好き女性1000人が選んだ人気温泉[第9位]

城崎温泉|ゆかたの似合う温泉街で本とアートを楽しむ

公開日:2018.07.02

更新日:2018.08.15

川沿いの柳並木が美しい城崎温泉は7つの外湯があり、「ゆかたの似合うまち」として若い世代に人気です。夏休みは毎夜花火が打ち上げられ、本に親しめる空間が誕生したりと、若手が中心となって魅力的なまちづくりを行っています。

城崎温泉
        宿それぞれの浴衣を着て温泉街をめぐる

温泉街はひとつの旅館。まちづくりの理想型

浴衣姿の外国人旅行者が、湯下駄を響かせながら湯めぐりする様子は、なんともいえず風情があります。温泉情緒を楽しむ若い世代が多いのが、城崎温泉(兵庫県豊岡市)の特徴です。

人気の秘密は「ゆかたの似合うまち城崎温泉」をテーマに、各宿で色浴衣やオリジナルの浴衣、丹前、湯浴みバッグ、下駄などを用意しているため。宿ごとに個性を出した浴衣が、湯の町を一層華やかに彩り、落ち着いた街並みとのコントラストがとても絵になっています。

城崎温泉は、日本海へと続く円山川(まるやまがわ)の支流、大谿川(おおたにがわ)沿いに旅館が連なる温泉地です。川には石橋が架かり、柳の緑が色を添え、温泉街の風情を盛り上げています。夏休みはお盆期間をのぞく毎日、花火が上がり、夜空をカラフルに彩ります。紅葉の秋も雪の降る冬も、にぎわいが絶えない元気ある温泉地です。

外湯が充実していて泊まらなくても楽しめる

城崎温泉のシンボル「一の湯」は撮影スポットとしても大人気


約1400年前に、コウノトリが傷を癒したことから発見されたと伝わる温泉。言い伝えにゆかりの「鴻の湯(こうのゆ)」をはじめ、街中に点在する七つの外湯を中心にして、こぢんまりとした宿や商店が軒を連ねています。

バスが停車する城崎温泉駅の隣に、外湯の一つ、「駅舎温泉さとの湯」があります。3階建ての大きな建物に、男女別大浴場や展望露天風呂、足湯、サウナ各種がそろいます。城崎温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム・塩化物・高温泉。よく温まるのが特徴で、美肌の湯でもあり、さっぱりします。

飲食店が連なる駅通りから温泉街へと向かい、城崎文芸館を過ぎて王橋のたもとにあるのが、歌舞伎座を思わせる「一の湯」です。ここで洞窟風呂を堪能し、風呂上りに山本屋の城崎ビールをいただくのがオススメです。但馬の名水と麦芽100%にこだわったビールは、コクと香りを楽しむピルスナー、フルーティーなヴァイチェルンをはじめ4種類あります。

本と温泉と舞台芸術と。クリエイターが集う町

城崎温泉土産の定番は伝統工芸品の「麦わら細工」


城崎でよく聞くフレーズがあります。「温泉街は一つの大きな旅館。駅は玄関、道は廊下、旅館は客室、物産店は売店、外湯は風呂」。温泉を大切にしながら、地域交流はもちろん、町全体で旅行者をもてなそうという考えにつながっているといいます。

城崎温泉を有名にしたのが、作家の志賀直哉です。大正2年、東京からケガの療養のために訪れた当地で、短編小説『城の崎にて』を執筆しています。滞在の客室を今に伝える「三木屋」は、城崎文芸館から徒歩5分の地で創業300年を重ねる老舗です。近年、ブックディレクター幅允孝さんがライブラリーラウンジを手がけるなどなど、小説の舞台にふさわしい空間が誕生しています。

また2014年にオープンした「城崎国際アートセンター」は、舞台芸術に特化した日本最大級のアーティスト・イン・レジデンスです。国内外からアーティストが集い、共同生活をしながらクオリティーの高い創作活動を行っています。

まとめ

「温泉街は一つの大きな旅館」を標榜し、一体感のある理想的な温泉街として全国から注目を集める城崎温泉。「ゆかたの似合うまち城崎温泉」をテーマに、各宿で色浴衣やオリジナルの浴衣、丹前、湯浴みバッグ、下駄などを用意、湯の町を一層華やかにしています。落ち着いた街並みとのコントラストが見事。美人の湯を心ゆくまでお楽しみください。
 

《アクセス》

大阪(阪急三番街)、神戸(三ノ宮バスターミナル)から城崎温泉駅まで直行する全但バスの高速バスが便利(約3時間〜約3時間10分)。電車利用は、JR京都駅・大阪駅・三ノ宮から特急で城崎温泉駅へ(約2時間20分〜約2時間40分)。


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のかた あきこ

旅ジャーナリスト、フリーライター&編集者、まちづくり人案内人。旅行読売出版社編集部を経て2002年独立。旅と温泉に詳しく、宿本“旅美人SPECIAL”では編集長を務め、『大人の隠れ宿』『部屋つき露天』など10冊制作。温泉ソムリエ、温泉観光士、厚生労働大臣認定「温泉入浴指導員」、日本温泉地域学会会員。

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