北欧への関⼼が一気に目覚めて

スウェーデンでアグネータやノーベル賞の世界に浸る

公開日:2018.12.27

更新日:2018.12.27

今回は雑誌で見かけた北欧の旅プランにひかれ、スウェーデンの旅へ。切り絵作家・アグネータさんの家を訪ねたり、野外博物館の見学、ノーベルディナーなど、異文化体験を紹介します。

アグネータさんのお宅
アグネータさんのお宅

北欧への関心が目覚めて

雑誌『ハルメク』の2016年2月号で「北欧の旅」の案内を⽬にしたとたん、⼼の奥の⽚隅に眠っていた「北欧」へ の関⼼が一気に目覚め、すぐに申し込みました。⾏先はスウェーデン、切り絵・織物作家のアグネータ・フロックさんを訪ねるプログラムです。

私のスウェーデンに関する知識は恥ずかしいほど乏しく、ノーベル、森と湖の国、スウェーデン刺繍、ヴァイキング、といった言葉が思いつく程度でした。日本では想像もつかない⽩夜・極夜の⼟地で、⼈々はどのような⽣活をしているのだろうかと思い巡らしていた少⼥時代の記憶が蘇り、それから半世紀以上も経って、いざ出発となりました。

アグネータさんの世界に浸る

総勢13名の参加者で、まずはアグネータさんのお宅を訪問。ご主⼈やお友達のインゲルさんの出迎えも受け、緑あふれた美しいお庭でティータイム。ジュースとクッキーをごちそうになりました。

⽇本ですと「風薫る」季節でしたが、たまたま、スウェーデンでは珍しい真夏⽇で、⽊陰でいただく冷たいジュースでとてもリフレッシュできました。お庭はとても広いのですが、イングリッシュガーデンのように整備されたものでなく、ところどころにリンゴの⽊や灌⽊が茂っている緑の草地で、まさに⾃然そのままといった感じでした。

主屋の住宅から少し離れたところにあるアトリエで、アグネータさんのすてきな作品をたくさん鑑賞し、ワークショップタイムでは切り絵にも挑戦しました。

アグネータさんのお住まいも拝⾒させていただきました。こぢんまりとしたかわいらしいお家で、古い家具を⼿⼊れしながら⼤切に使っていらっしゃるのがとても印象的でした。住宅のエンジ⾊の外壁もご⾃分たちで塗ったとか。昔は⾦持ちの家だけがレンガ造りで、庶民は⾼価なレンガには⼿が出ないのでレンガ⾊のペンキを塗ったそうです。そういえば、こちらへ来る途中で同じ⾊の外壁のお家をたくさん⾒かけました。 ⼟地の⼈でないと知らないような近くの教会やアンティークショップにアグネータさんに案内していただいたのも、いい思い出です。

窓辺や灯りに切り絵をぶら下げて
窓辺や灯りに切り絵をぶら下げて

 

野外博物館で昔の暮らしを体感

アグネータさんや現地で暮らす⽇本⼈の方々の案内で、数々の観光スポットも大いに楽しみました。庶民の生活に焦点をあててスウェーデンの歴史を学ぶことができる北⽅民族博物館をはじめ、ヴァーサ号博物館、ヴァイキング村、ヴァイキングの墓、Vallby野外博物館、ルーン⽂字⽯碑と盛りだくさん。

ヴァイキング船に乗船しました
ヴァイキング船に乗船しました


なかでも印象的だったのは、野外博物館です。昔の庶⺠の家の台所や商店、学校などがそのまま再現されていて、まさに、テレビで観るアメリカの開拓時代にタイムトリップしたようでした。煮炊きする⽕で暖がとれるように台所のすぐそばに置かれたベッドは、⼦ども⽤かと思うほど⼩さく、⼤⼈が「く」の字になってようやく横になれる程度でした。仰向けに寝るのは「死者」を意味するため、避けられたそうです。

家の外では、質素な屋内とは対照的な、⾯⽩い⽊を⾒つけました。カラフルな「おしゃぶり」が無数にぶら下がっているのです。乳児期のなごりでおしゃぶりを⼿離せない⼦どもが、しゃぶるのを卒業すると親に約束して、枝に結ぶのだとか。

おしゃぶりをぶら下げて卒乳を約束するとか
おしゃぶりをぶら下げて卒乳を約束するとか


 

数の勉強に使われたそろばんのようなもの……なんだか懐かしい
数の勉強に使われたそろばんのようなもの……なんだか懐かしい

淑女の気分でノーベル賞晩餐会の会場へ

ストックホルム市内の観光も堪能しました。北のベニスと呼ばれるだけあって、美しい街並みでした。国王の孫の洗礼式の⽇にあたっていたため、王宮の⾒学はできませんでしたが、あちこちのお店には国王夫妻の写真がショーウィンドウに飾ってありました。そして、ストックホルムの⽬⽟とも言える、ノーベル賞受賞者たちが厳かに集う晩餐会の会場となる市庁舎へ。

紳士にエスコートされる淑女の気分にひたってゆっくりと階段を降りると、その先にあるのが、華やかな祝宴が催される晩餐会の会場。さほど広くはないホールで、受賞者や家族・関係者たちの熱気で暖房はいらないそうです。受賞者たちがダンスをする舞踏の間(黄金の間)も見学しましたが、⽇本の受賞者の先⽣⽅はおしなべてダンスが不得⼿だったとか。この市庁舎のレストランでノーベルディナーを楽しみました。

 

ノーベルディナーを頂きました
ノーベルディナーを頂きました
ノーベルディナーには、メダルを模ったチョコレートが添えらえて
ノーベルディナーには、メダルを模ったチョコレートが添えらえて

気軽に座った椅子には……

立花隆⽒がエッセイで書いておられたノーベル博物館にも⾏きました。⼊ってすぐのところに喫茶室があり、一休みして何気なく座った椅⼦の裏には、ノーベル賞の受賞者たちのサインとメッセージが書かれていて驚きました。博物館の中に入って天井を見上げると、⼤きなシャンデリアかと思ったら、歴代の全受賞者のパネルがぶら下がっていました。

天井からぶら下がっているのは、歴代のノーベル賞受賞者のパネル
天井からぶら下がっているのは、歴代のノーベル賞受賞者のパネル

 

こんな感じの喫茶室の椅子
こんな感じの喫茶室の椅子

 

こんな感じの喫茶室の椅子
椅子をひっくり返すと……


スウェーデン王室御用達デパートのNK(エヌコー)も見学しました。クッション店の店員さんが羽織を着ていたので、襟などを正して、記念に写真を一枚。ホテルの近くのスーパーマーケットにも行ってみました。地元の人たちが好むイワシの酢漬けが大きな瓶入りでたくさん並んでいましたが、小さな缶詰になっているのを買ってみました。最後は、市立図書館で円形のブックホールを見学し、人気商品というエコバックを購入して、盛りだくさんのスウェーデン旅行が終わりました。
 

 羽織を着た店員さん
羽織を着た店員さん



次は、旅のことからは離れ、私が参加している活動「おもてなし隊」について紹介します。

 

とし古

祖母は60歳の頃、針仕事や寺参りを日課にしていました。母は70歳の頃不自由な体で家族のために働き趣味の書道教室にも通っていました。そして私はいま八十路を歩いています。体力・知力は衰えを感じますが考える事・感じる事は昔と変わらないと思っています。死ぬまでにやっておきたい事に色々チャレンジしたいです。

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