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- 私の仕事は、結婚式の披露宴の司会でした(1)
専業主婦が、憧れていたブライダル司会者へ道を切り開く。20年間、現役のブライダル司会者として仕事をし続けてきた過去や、これからのことを語ります。今回は専業主婦時代に感じていた焦りや、雑誌で目にした言葉で、司会者への憧れを再確認したお話です。
私の仕事はブライダル司会者です。
2018年3月31日、ブライダル司会者としての終演の日を迎えました。20年2,000組以上の披露宴の司会をしてきました。
そして、“ご結婚ご披露宴 お開きとさせて頂きます。”ついに 最後のフレ-ズが終わりマイクを置く時が来てしまったのです。
専業主婦から抜け出したかった
ワンレンボディコンのバブル時代、友達はブランド服に身を包み、銀座、六本木を闊歩。連休にはハワイ、バリ旅行と独身貴族を満喫していました。人より少し早く結婚した私は、子育ても一段落し、そんな友達の姿が羨ましく、また、30歳を迎えてしまうという、ささやかなあせりも感じていたのだと思います。
下町生まれで、下町育ちの私は、実家が商売をしていた事もあり、子どもの頃から人と話すことに抵抗はありませんでした。父は、私が18歳の時に膵臓がんで亡くなりました。その後、商買をする母をあたりまえのように手伝い、父を亡くした悲しみの中でもみんなから“えらいね”と 言われることに、喜びを感じ、それがやりがいに変わっていくことを、その時に覚えてしまったのかも知れません。
主人はサラリ-マンでした。幼少の頃からの、毎日人の出入りが沢山の生活から、マンションで子どもと2人だけの生活になりました。子どもが小学校高学年になり、時間にゆとりができたことで、自分だけが社会から置いていかれるように感じるようになっていったのは、今から考えれば自然な事のようにも思えます。
そんな時、本屋さんでみかけたスク-ル雑誌に、“ブライダル司会者になって 幸せのお手伝いをしませんか!”
この言葉に、目が釘づけになったのを今でもはっきり覚えています。
憧れの職業に
手前みそになりますが、私の結婚式の披露宴は、涙あり、笑いありで、出席の方に”本当に良い結婚式だったね!” と言ってもらいました。亡くなった父の命日の2月29日、うるう年で4年に一度しかこない、最初の命日の日を選んだ事もあり、司会者の方が、うまく亡くなった父の話を随所に盛り込んでくださり、母も大喜びでした。
私は自分の結婚式で、はじめてブライダル司会者という存在を知りました。女性司会の方の笑顔、そして品のある話し方に素敵な仕事だなあと、憧れを持ったのも無理もありませんでした。ただその時はどうしたらブライダル司会者になれるのかもわからず、結婚式の大切な1つの想い出として心の中に収めておくだけ。それで十分でした。
そんな心の中の扉を、あの時、あの本屋で、あのスク-ル雑誌を見た瞬間、開けてしまったのです。莫大なお金と、とてつもなく長い時間がかかることを、世間知らずの専業主婦の私には想像もつきませんでした。
こうして苦節3年、辛い長い下積み時代が始まってしまったのです。
その辛くて長い下積み時代については、今度お話したいと思います。
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