- ハルメク365トップ
- 暮らし
- 生きるヒント
- 医師・内藤いづみ|私にとっての命の意味は
いのちに寄り添う在宅ホスピス医、内藤いづみさんのお話は今回で最終回。内藤さんはある日、「いのちとは何か」と高校生に聞かれたそう。それに対してどのように答えたのでしょうか?さまざまな看取りの体験から、命の意味を考えます。
内藤いづみさんが考える命の意味
「内藤先生にとって『いのち』って何でしょうか」。高校生を前にした講演会の最後で、ある生徒から尋ねられました。
これは難しい問いです。ときどき突然、こういう難しいことを聞かれるのですが、なかなか簡単には答えられません。みなさんだったら、この問いになんと答えるでしょう。
私が尊敬する人物の一人に、精神科医のエリザベス・キューブラー・ロスがいます。世界で初めて、死にゆく患者さんたちとの対話をまとめた著書『死ぬ瞬間』で知られる彼女は、“死の専門家”といわれていますが、一方で私は“生の専門家”でもあると思っています。
ロスにも、9歳のアメリカ人の男の子・ダギーから私と同じ問いが寄せられました。脳腫瘍で余命わずかと宣告を受けた彼が、「いのちって何ですか? 死ぬってどういうこと?」とロスに手紙を書きました。
わずか9歳の少年です。自分の病気を知ったとき、悲しみ、怒り、恐怖、混乱、いろんな感情がダギーの中に湧き起こったことでしょう。
「人生に偶然はない。今ここに生きていることは、必然なのです」
ロスはダギーに返事を書きました。ダギーは、この手紙を受け取ってから元気を取り戻し、余命宣告から4年後の13歳まで立派に生き抜いたのだそうです。その返事の内容が1冊の絵本『ダギーへの手紙』(佼成出版社刊)になっています。ロスは人間をたんぽぽの種やちょうちょにたとえて、いのちの世界を表現しています。本の中から、返事の一部をご紹介しましょう。
「神さまは、たんぽぽがどこにとばされるかをきめる風をおこしていること。神さまは、たんぽぽの種をたいせつにおもっているのとおなじように、すべてのいきもの とくに、子どもたちをたいせつにおもっているのです。だから、人生にはぐうぜんというものはないのです」
「この世でやらなければいけないことをぜんぶできたら 私たちはからだをぬぎすてることがゆるされるのです。そのからだはまるでさなぎがちょうちょをとじこめているように 私たちのたましいをとじこめているの。そして、ちょうどいい時期がくると私たちはからだからでて自由になれるのです」...
雑誌「ハルメク」
女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら
-
巻き爪を予防する靴選び
健康的な足を守るために「靴選び」はとても重要。巻き爪や足トラブルを防ぐ靴の選び方と履き方をシューフィッターに聞きました。 -
「朝の尿モレ」これで解決
どっと押し寄せる朝の尿意。そんなやっかいな「朝の尿モレ」に特化した吸水パッドをハルトモさんがお試し!はたして効果は? -
薬局の待ち時間を解消
薬局でのキツい待ち時間。仕方ないとあきらめていませんか?アイン薬局のアプリを使えば、実は待ち時間問題は解消できるんです! -
突然の出費はこれで解決!
住宅ローンや子の教育費などお金がかかる50~60代。一方で親は高齢となり、その金銭面の援助も不安。解決策を探ります。 -
老化を早める「体の酸化」
体の酸化度(サビ度)をチェック!「老けやすい生活」を送っていませんか? -
1回10分~の健康習慣♪
一流講師のレッスン100以上!本会員は無料で受け放題!日替わり「まいにちレッスン」の詳細はこちら★