公開日:2020/03/10
手持ちの服を上手に着回しておしゃれを楽しみたいけれど、なんだか地味で垢抜けない……。そんなお悩みを解決すべく、50代ファッションに詳しいスタイリスト・石田純子さんに、今ある服でおしゃれになれる、定番服の着こなし方を教えてもらいました。
クローゼットにあるチュニックやスカート、白シャツにカーディガン……。そんな50代女性の定番服を使って、見違えるようにおしゃれになれたら、うれしいですよね。
石田さんは「今ある服を、“ただ着る”ことと、“着こなす”ことは違います。あの人素敵ね、と印象を残すおしゃれをするには、ちょっとしたコツを知って、ひと工夫することが大事です」と話します。
石田さんの言う「ちょっとしたコツ」とは、ボタンの留め方を変える、袖をさりげなく折る、小物を味方につけるなど、すぐできる簡単なことばかりです。
「ベーシックな服を買ったまま無難に着ると、地味で老けた印象になってしまいます。定番服のおしゃれな着こなし方を知って、自分らしく味付けするのが、50代ファッションの醍醐味」と石田さん。
そんな、いつもの服が見違えるほど垢抜ける、定番服の着こなし方をアイテム別に紹介していきます!
定番服1:チュニックのおしゃれな着こなし方
同じ紺色のチュニックを着ているのに、左のNG例と右のOK例、まったく違う印象に見えませんか? 体形カバーに便利なチュニックは50代ファッションに欠かせないアイテムですが、太めの長いパンツと合わせると、重たい印象になりがちです。
1.袖まくりで腕を見せてすっきりと
袖を少したくし上げて腕を見せることで、全体のバランスがすっきり見えます。落ちやすい場合は袖口をゴムで留め、ゴムを隠すようにたくし上げてもOK。
2.Vラインのアクセサリーで引き締め
のっぺりとした印象になりがちなチュニックは、Vラインのアクセサリーをつけると、斜めのラインができて、引き締まった印象に。
3.甲を見せるパンツ丈とパンプスで、足がきれいに
甲の見えるパンプスとくるぶし丈のパンツを合わせると、足がきれいに見えます。軽やかさもアップして、春らしい着こなしに。
チュニック同様に、体形カバーに重宝するアイテムが、ロングカーディガンやロングスカートです。注意すべきは全体のバランス。身長を高く見せるIラインを意識して、なるべく視線を上に向けさせるのが、おしゃれに着こなすコツです。
定番服2:ロングカーディガンのおしゃれな着こなし方
シャツとパンツだと堅く真面目なだけの印象になりがち。いつもの服にはおるだけでは、ロングカーディガンの良さは生かせません。
1.ストールをプラスして華やかに
ストールをプラスすることで、春らしく華やかに。Iラインも強調できます。
2.パンツと靴ですっきり軽く!
くるぶしが見えるすっきりシルエットのパンツに、白い靴で春らしく、明るく。
3.ゆったりシルエットでお腹をカバー
お腹回りを隠せる丈&適度なフィット感のトップスで、スタイルアップ。
定番服3:ロングスカートのおしゃれな着こなし方
ロングスカートと中途半端な丈のカーディガンを合わせると、ダルッとした印象でメリハリがなく、老けて見えてしまいます。
1.ウエスト丈のトップスで脚を長く
ウエスト丈のトップスで腰回りを引き締め、ふんわりスカートでゆるやかな“Xライン”をつくれば、すっきりした印象に。
2.インナーは三角見せでバランスよく
カーディガンのボタンを留めてインナーを見せ、バランスよく。お腹部分も三角形のチラ見せで、脚長効果アップ!
3.白のレースアップ靴で若々しく
甘い印象の花柄のロングスカートには、明るい色のスポーティーなレースアップ靴を合わせ、甘辛ミックスで、若々しく。
白シャツやカーディガンなどの正統派アイテムは、1枚着るだけできちんとした印象を与えられる一方で、普通に着るだけだと地味で垢抜けない印象に……。おしゃれに見せる着こなしのコツは「抜け感を出す」ことです。
定番服4:白シャツのおしゃれな着こなし方
ボタンを上まで全部留め、袖を水仕事のときのように折ると、きちんとし過ぎて、垢抜けません。
ボタンは胸元まではずし、袖まくりはカフスを見せて
最初に肘くらいまで大きく袖を折り返し、カフスだけを残して折り返すと、グッとおしゃれのレベルがアップ!
定番服5:カーディガンのおしゃれな着こなし方
カーディガンのボタンを上まで留めると、きちんとし過ぎて無難な印象に……。
ボタンをはずして、アクセサリーで抜け感を出す
襟元とお腹のボタンをはずすと、ゆるやかなXラインができ、すっきり縦長の印象に。さらに、首元のVゾーンにアクセサリーを入れて、抜け感を出しましょう。
春ファッションの定番服、スプリングコートやカラーパンツは、華やかさを演出できるアイテム。明るい色を生かしたコーディネートを覚えれば、一気におしゃれ上級者になれますよ!
定番服6:スプリングコートのおしゃれな着こなし方
コートに隠れる丈のスカートをはき、すべてのボタンを留めると、上品を通り越して野暮ったく見えがち。足元の茶色の靴も重たい印象です。
1.コートのボタンは開けて、ストールで華やかさと防寒を両立
コートと同じ色味のストールを合わせれば、華やかで統一感ある印象に。
2.袖を一折りで、ぐっとおしゃれに
袖を一折りすると、裏地の色が見えて、軽やかに。
3.あえてカジュアルなアイテムで、こなれ感アップ
光沢のあるコートには、あえてカジュアルなTシャツやデニムを合わせるのがGOOD。
定番服7:プルオーバーのおしゃれな着こなし方
グレーのプルオーバーについ合わせがちな黒のパンツですが、無難過ぎて寂しく、まるで部屋着のように見えてしまいます。
1.カラーパンツと靴で軽やかに
カラーパンツや靴を合わせると一気に明るく、おしゃれな印象に。シルバーの靴は、どんなボトムにも合う万能カラーなので、一足あると便利です。
2.パンツと同系色のアクセサリーで華やかさを加えて
首元を飾るアクセサリーは、パンツと同系色でまとめて、コーディネート統一感を出しましょう。
50代ファッションでは、定番服を“ただ着る”のではなく、“着こなす”ことが大切です。見違えるほど垢抜ける定番服の着こなし方を押さえて「大人のおしゃれ」を楽しみましょう♪
■教えてくれた人
石田純子さん
いしだ・じゅんこ。50代ファッションに詳しい人気スタイリスト。女性誌のファッションページや女優、アナウンサーのスタイリングなどで幅広く活躍。百貨店で行うパーソナルなスタイリングアドバイスも大好評。セレクトショップ「DUE deux」も運営。
取材・文=野田有香、長倉志乃(ともにハルメク編集部)撮影=清水朝子 スタイリング=石田純子 ヘアメイク=伊藤千栄子 モデル=池上恵子、太田まゆみ
※この記事は2018年4月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。
■もっと知りたい■
▼石田純子さん監修記事
▼注目の50代ファッション記事
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