50代からの女性のための人生相談・65

人生相談:障害がある親の介護…使えるお得な制度は?

公開日:2022/03/22

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「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は55歳女性の「障害がある親の介護で利用できる制度が知りたい」というお悩みに、介護・暮らしジャーナリスト、太田差惠子さんが回答します。

人生相談:障害がある親の介護…使えるお得な制度は?

55歳女性の「親の介護で利用できる制度が知りたい」というお悩み

55歳女性の「親の介護で利用できる制度が知りたい」というお悩み

膝が悪くて歩けない車椅子生活の母(88歳)を介護しています。トイレと食事のときのみ移動させていて、後はベッドにいます。

週5日、デイサービスを利用することで、なんとか仕事を続けられていますが、私もだんだん力がなくなり、いつまで世話ができるかと思う日々です。

また、通院時はタクシーを利用しているため費用がかさみます。

障害者の介護について、利用できるお得な制度などありますか?

 (55歳女性・ラベンダーさん)

太田差惠子さんの回答:介護保険と障害者向けサービスは併用可

介護保険と障害者向けサービスは併用可

歩行が難しい母親の介護、労力的にも経済的にもご心配ですね。

介護保険のサービスは利用されていますね。また、障害者ということですが、障害者手帳はお持ちでしょうか。

介護保険と障害者のためのサービスは併用して利用できます。ただし、ホームヘルプサービスなど重複するものについては介護保険のサービスが優先されます。

介護保険にはなくて、障害者の方にあるサービスに、税の減免や医療費の補助、公共料金の割引、タクシー利用補助などがあります。内容は自治体によって異なるので、詳細は役所の障害福祉の窓口に問い合わせてください。

もし、障害者手帳の交付を受けていない場合、なんらかのメリットがあれば申請を検討すればいいと思います(高齢者の場合、利用できる障害者向けサービスは若い人に比べて限定されます)。

「特別障害者手当」を受給できるケースもある

「特別障害者手当」を受給できるケースもある

情報が少ないのでラベンダーさんの母親に該当するかどうかはわかりませんが、重度の介護を要する場合は「特別障害者手当」を受給できる可能性があります。

もともとは障害者向けの国の支援ですが、高齢者の場合も、要介護度が重い場合(主に要介護4~5の人)、対象となるケースがあります。

支給額は月2万7350円です。該当するかどうかは役所で確認しましょう。

「世帯分離」で負担軽減できる場合もある

「世帯分離」で負担軽減できる場合もある

経済的な負担軽減について、違った視点からも考えてみましょう。ラベンダーさんと母親の住民票上の世帯はどのようになっているでしょうか。ラベンダーさんと一緒でしょうか。

医療や介護にかかる費用の自己負担の多くは、世帯所得によって決まります。そのため、たとえ親の年金はわずかでも、現役で働く子どもと同じ世帯だと、 “課税世帯の一員”となり、負担は軽減されません。

言い換えれば、同じ屋根の下に暮らしていても世帯を分ければ、母親は単独世帯となり、母親本人の所得だけで負担額が決まるということです。これを「世帯分離」と呼び、役所に「世帯変更届」を提出します。

本来、同居で世帯を分けられるのは、「家計が別」のケースに限定されます。母親をラベンダーさんの扶養にしている場合は難しいかもしれません(ただし、扶養にしている場合、障害者手帳がなくても「障害者控除対象者認定書」の交付を受ければ、税金の障害者控除を受けられます)。

ラベンダーさんは現在、「なんとか」仕事と介護を両立されているとのこと。限界を迎える前に、特別養護老人ホームへの入居なども検討を。もし現在の住まいで世帯分離ができない場合でも、特別養護老人ホームに入居となれば、住所を移すことで単独世帯となり、母親の所得によっては利用料が大幅に軽減される可能性もあります。

回答者プロフィール:太田差惠子さん

回答者プロフィール:太田差惠子さん(介護・暮らしジャーナリスト)

おおた・さえこ 介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ理事長、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」 等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』(翔泳社)など多数。最新刊は『子どもに迷惑をかけない・かけられない!60代からの介護・お金・暮らし』(翔泳社)。

構成:渡邊詩織(ハルメクWEB)

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