50代からの女性のための人生相談・61

人生相談:認知症の親が通販で爆買い!対応方法は?

公開日:2022/02/21

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「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は51歳女性の「認知症の親が通販にはまってしまった」というお悩みに、介護・暮らしジャーナリスト、太田差惠子さんが回答します。

人生相談:認知症の親が通販で爆買い!対応方法は?

51歳女性の「認知症の親が通販にはまってしまった」というお悩み

51歳女性の「認知症の親が通販にはまってしまった」というお悩み

週に一度、実家にいる認知症の実父(82歳)の通い介護をしています。その父が、テレビ通販にはまってしまいました。

気に入った商品があれば紙にメモし、母がいない間にこっそり電話で注文。中には何万円もする高額商品もあります。

初めてのときは母から連絡を受けて私が返品手続きをしましたが、何度もくり返すので通販会社に連絡をして、父からの注文は、家族の同意なしで受け付けないよう手続きをしました。

しかし、事情を知らない父は注文を拒否されることに激怒してしまい、それに母が根負けする形で、元の木阿弥に……。

それ以降は、父のメモを見つけたら母がすぐに破り捨てるなど対策をしていますが、一向に直りません。もう最後の手段で、母に「電話線を引っこ抜いて」とアドバイスしたんですが……。

ネットで調べると、けっこう同じようなことで悩んでいる人もいるようです(返品も、場合によっては訴訟問題になる、なんて記事も見つけて驚きました)。

このような問題は、どうしたらいいのでしょうか。そもそも、認知症になると通販にはまってしまう現象(心理)は何なんでしょうか。

(51歳女性・藤さん)

太田差惠子さんの回答:記憶力などの低下が影響しているはず

太田差惠子さんの回答:記憶力などの低下が影響しているはず

認知症の父親が、テレビ通販にはまってしまったというお悩みですね。藤さんも言っておられるように、似た悩みを抱える方は少なくありません。

テレビ通販に限ったことでなく、カタログ通販やネット通販にはまるケースもあるようです。また、店舗に出掛けていき、同じものを何度も購入するという声もよく聞きます。

記憶力・判断力の低下が影響しているのでしょう。「すでに、自宅にある」ということを忘れ、「良さそう!欲しい!」と衝動的に買ってしまうこともあるようです。

一方、悪意のある第三者に店舗に連れて行かれ、同じものを大量購入し大枚をはたいてしまったという親御さんも。このような悪徳業者による被害も後を絶ちません。

通販会社によっては踏み込んだ対応をしてくれるところもある

通販会社によっては踏み込んだ対応をしてくれるところもある

通販会社には、藤さん同様の相談や依頼は相当数届いているようです。

藤さんも「家族の同意なしで受け付けないよう」依頼したとのこと。けれども、藤さんの父親もそうだったように受け付けてもらえないと、本人は怒り出すようです。

そこで、企業によってはもう一歩踏み込んだ対応をしているところも。本人の名前で注文があった場合は、いったん受け付けて、家族に「注文確認」の連絡を行い、確認が取れた場合にのみ出荷するという流れです。

企業側にはこうした対応を行う義務はありませんが、可能な範囲で各社対処しているので再度相談してみてはいかがでしょう。

発信制限できる電話機に交換するのも一つの手

発信制限できる電話機に交換するのも一つの手

藤さんは母親に対して「電話線を引っこ抜いて」と言ったとのこと。

一案として、実家の電話機を変更する方法が考えられます。スマートフォンであれば、電話をかけられる相手を制限設定できる機種もあります。シニアや子ども向けの機種であれば操作は簡単です。この際、「固定電話は高齢者詐欺の被害が多いから」などの理由をつけて、固定電話を撤去し、スマホを固定電話代わりに使用してもらうのはどうでしょう。

かなり限られていますが、固定電話にも認知症対策機能を備えた機種があります。父親の行動を制限するのに効果がありそうであれば、交換してもいいかもしれません。例えば「ハウディ優V」(NTT)は、あらかじめ登録した相手先電話番号(藤さんの場合ですと、いつも父親が電話をする通販会社)への発信を規制できる認知症対策機能を備えています。

悪徳業者には「成年後見制度」で対抗するのが吉

悪徳業者には「成年後見制度」で対抗するのが吉

そもそもの話になりますが、認知症などで判断能力の衰えている方が単独で行った法律行為は無効となります。ただし、事業者側からすれば、相手が商品を購入した時点で判断能力が低下しているかどうか見極めるのは至難です。

法律的に明らかに「その契約はなかった」とできるのは、成年後見制度を利用し、後見人がついている場合となります。この場合、本人にとって不利益であれば、本人が行った購入・契約などを取り消すことができます(日常生活に関する行為を除く)。

今回のケースではあてはまりませんが、認知症の高齢者が悪徳な事業者から何かを購入・契約させられるような被害は頻発しています。そうした場合は、成年後見制度の利用を検討しましょう。窓口は家庭裁判所です。

回答者プロフィール:太田差惠子さん

回答者プロフィール:太田差惠子さん(介護・暮らしジャーナリスト)

おおた・さえこ 介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ理事長、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」 等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』(翔泳社)など多数。最新刊は『子どもに迷惑をかけない・かけられない!60代からの介護・お金・暮らし』(翔泳社)。

構成:渡邊詩織(ハルメクWEB)

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