命の次に大切な国際身分証明書を発行してもらうには

初めてでも久しぶりでもOK! パスポートの申請法

公開日:2018.07.27

更新日:2018.08.15

初めて、または久しぶりの海外旅行を計画したら、忘れてはならないのがパスポートです。どうやって申請すればいい? 申請にはいくら必要? 期限切れパスポートはどうする? そんな、パスポート初心者さんに役立つハウツーをご紹介します。

パスポートは“生命の次に大切なもの”

パスポートは海外旅行では必携です。日本が鎖国を解いた直後の慶応2(1866)年にはもう発行された記録があるなど、いつの時代でも海外出張の際は、世界で通用する“身分証明書”が必要とされています。外務省では「パスポート(旅券)は生命の次に大切なもの!」と明記しています。それだけに、取得や扱いには厳格なルールが定められています。


パスポートには有効期間5年のものと20歳以上で取得できる10年のものがある、ということは、ご存じの方も多いのでは?成人していれば、どちらを選んでも大丈夫。申請に必要な手数料は10年間有効なもので16,000円、5年間有効のものは11,000円なので、迷ったら10年のものを取得するのがよさそうです。
 

申請時に必要な4種類の書類を準備

 

役所で必要書類を準備して、申請用の写真を撮影しておく

 

申請の前には、必要書類などを準備する必要があります。

申請時に必要になる書類は4つ。あらかじめ取得する必要のある①「戸籍謄本(または抄本)」と②「本人確認書類」、申請窓口に置いてある③「一般旅券発給申請書」、そして④「パスポート用顔写真」です。これらはコピーではなく、必ず原本を用意します。この他、期限切れパスポートを持っている場合は、そのパスポートも併せて持参します。

②「本人確認書類」は、顔写真のついている運転免許証やマイナンバーカードなどなら1点でOKです。健康保険証など、顔写真がない書類の場合は2点必要になります。詳しくは、下記の書類一覧で確認しましょう。

ちなみに、かつては必要だった「住民票の写し(申請日の前6か月以内に発行されたもの)」は、2003年から原則として提出が不要になりました。住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)が導入されたことで、窓口で申請者の住民票の内容を確認できるようになったからです。ただし下記の場合は、「住民票の写し」が必要になります。

・申請窓口のある場所に住民登録がない方や
・申請の1週間程度前に引っ越しをしたばかりの方
・住基ネットでの検索を希望されない方

事前準備で最も注意すべきなのは④「パスポート用顔写真」です。写真ショップなどに行き、自分で用意します。顔写真は国際機関の規格に基づいているため、チェックがとても厳格です。無人写真機などで、「こんな写真はNG」という撮影見本のポスターを目にしたこともあるのでは? 背景は白か淡い色の無地、縦45mm×横35mmの縁がない写真で、かつ申請日の6カ月以内に撮影されたものでなければなりません。髪で耳の形や顔の輪郭が隠れていたり、笑っていてもNGといった細かな規定があります。パスポート初心者さんが失敗を防ぐには、写真ショップなどで専門のスタッフに撮影してもらう方が安心かもしれません。
 

混雑時は申請に2時間待ちのケースも

 

 

窓口が大変混雑している場合があるので、申請に行く時には時間の余裕をもって

 

事前準備が整ったら、次はいよいよ申請です。

申請場所は、住民登録をしている都道府県のパスポート申請窓口です。こちらから、窓口を探せます。土・日曜は窓口がお休みの場合もありますので、最寄りの窓口の取り扱い時間を確認の上、書類と顔写真を持って窓口へ! 注意したいのは、窓口は混雑している場合があるということ。特に、都市部の窓口では、申請に2時間待ちということも珍しくありません。かなり時間に余裕を持って申請に行くことをおすすめします。

窓口で「一般旅券発給申請書」を記入したら、証明写真と必要書類を添えて申請します。申請受理後、パスポートの受領までにかかる時間は、通常1週間程度(土日祝休日・年末年始12月29日から1月3日を除く)。

なお、申請は代理人でも条件(申請者本人が記入した「申請書類等提出委任申出書」を持参)をクリアすればOK。ただし受け取りは本人しか認められないので注意しましょう。
 

期限切れのパスポートはどうするの?

前述した通り、パスポートは国が発行する正式な身分証明書です。そのため、期限が切れたパスポートは本来、国に返さなければいけません。


期限切れパスポートを持っている場合は、申請時に窓口に持参しましょう。無効を示す「VOID」の印の穴を開けてもらえば、記念に持ち帰ることもできます。

気をつけたいのが、自宅での「しまい忘れ」です。実はこれがパスポート紛失理由の第一位。旅行中は細心の注意を払って取り扱うパスポートですが、しばらく使用していないと、タンスの奥にしまい込んだままわからなくなることもしばしば。

有効期限が残っているパスポートを紛失し、新たにパスポートを申請する場合は、警察署が発行する「遺失届出証明書」を持参するか、遺失届の受理番号を控えていく必要があります。自宅で紛失したことが確実にわかっている場合は、その旨を窓口で伝えます。どこへしまい込んだかわからなくなってしまった! ということがないよう、保管には十分気をつけましょう。

まとめ

 

 

パスポートを取って世界に飛び出しましょう

海外旅行で必携のパスポート。必要書類の多さや顔写真の厳格なチェックなど、申請にはとっつきにくい印象もありますが、しっかりと手順を踏めば誰もが手にできるものです。ちなみに、2019年度中には「査証(ビザ)欄」の見開きページごとに、葛飾北斎「冨嶽三十六景」の24作品を1作品ずつプリントした新デザインのパスポートが登場します! 

近年、ますます身近になっている海外旅行。その最初の扉を軽やかに開け、世界に飛び出しましょう!

文・酒寄みち子


<パスポート取得参考URL>
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/pass_2.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/pass_1.html

ハルメク365編集部

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