素朴な疑問「花火鑑賞士」ってどんな資格?

公開日:2019/07/06

「花火鑑賞士」ってどんな資格?

 

世の中はいろいろな資格があるのですね。「花火鑑賞士」ってご存じですか? 恥ずかしながら、ワタシはつい先日知ったばかりです。「観賞」ではなく「鑑賞」と書くのは、芸術的な専門知識が必要な難しい資格ということでしょうか。

 

早速調べてみたところ、花火鑑賞士は2003年に秋田県大仙市で創設された認定試験です。創設当初からNPO法人大曲花火倶楽部が主催・運営しています。

 

花火鑑賞士の受験案内には、「花火を鑑賞するための知識と技術の向上、花火文化の普及と発展、花火を芸術と捉え、花火師を敬う」といった目的と趣向が掲げられています。2018年の時点で1289名の花火鑑賞士が存在しています。

 

花火ファンには有名な資格で、国家資格でないにもかかわらず、毎年日本中から受験生が集まるのですって。なんと受験生の約8割が、秋田県外から来る花火ファンだそう。

 

試験は年に1度、10月前半の週末に1日がかりで行われます。あらかじめ既定のテキストで予習を済ませた受験生は、試験当日に4時間のオリエンテーションと講習を受講し、筆記試験とVTRを用いた「鑑賞の実技試験」を受けるという流れです。受験費用は6000円、高校生以上で下記の条件に該当しなければ、誰でも受けられます。

 

●    花火を見たことがない方
●    花火が嫌いな方
●    花火を恒久平和に利用できない方
●    花火を芸術と思わない方

 

花火鑑賞士が学ぶ内容は、日本の花火の歴史と変革期、全国の有名な花火大会についての知識、花火が開花している状態のよしあしを見極める方法などです。また、現役の花火師さんからは、花火玉の仕組みや火薬の配合といった講義もあるようです。(楽しそう!)

 

大仙市は、「毎月必ず花火が打ち上がる街」をコンセプトにしている何ともうらやましい街なのですが、花火鑑賞士の試験がある10月の「大曲の花火―秋の章―」は、試験前日に開催されます。

 

試験日と花火大会のタイミングを合わせるなんて、粋な計らいですね。県外から泊りがけで受験に来た花火ファンも盛り上がることでしょう。 

 

試験に合格すると、花火鑑賞士会の入会資格が得られるとともに、花火の資料館「花火庵」に飾られた鑑賞士一覧の木札に、自分の名前を加えてもらえます。全国の花火作家が参加する「新作花火コレクション」という大会では、花火鑑賞士特別賞を選出する際の投票権も行使できます。

 

独立開業や就職に有利な資格とは言えませんが、花火ファンなら受験自体が楽しいイベントになるのではないでしょうか? 今年合格しておくと来夏以降の花火は違った角度で見られるかも!?

 

 

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参照:NPO法人大曲花火倶楽部

   大曲商工会議所 全国花火競技大会

   日本花火鑑賞士会

 

いつも花火が見られるの? 「たーまーやー!」
そういえば花火を見て「たーまーやー!」って言ったことない

 

イラスト:飛田冬子

 


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