素朴な疑問「政令指定都市」ってどんな都市?

公開日:2019/05/30

「政令指定都市」ってどんな都市?

 

友人から、「九州の政令指定都市、福岡に引っ越しました!」というポストカードが届きました。福岡は、もつ鍋や辛子明太子などの食べ物がおいしいところなので、近いうちに訪ねたいなと思っています。いつごろ行けるかなとワクワクしつつも、「政令指定都市」ってなんのことだったかしら? と疑問がわいてきました。ええっと、人口が多い都市のこと?

 

あいまいではっきりしないので、「政令指定都市」について調べてみることにしました!

 

2019年4月現在、日本には792の市がありますが、そのうち20が「政令指定都市」に指定されています。「政令市」や「指定都市」などと呼ばれることもある「政令指定都市」は、地方自治法に基づいて決められているのだそうです。

 

最初に「政令指定都市」ができたのは、1956年(昭和31年)のこと。横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市の5つが指定されました。その頃の条件は、「人口50万人以上の市であること」と、「近い将来人口が100万人を超える見込みがあること」でした。

 

この人口100万人を超える見込みという基準は、2001年(平成13年)に、市町村合併を推進する国の方針で「人口70万人以上を超える見込み」に基準が緩められています。人口以外では、都市としての規模や行政能力などを満たしていることも基準になるそう。

 

「政令指定都市」になると、都道府県と同格の権限を委譲されるようになります。都道府県と同格の権限とは、どのようなことなのでしょうか?

 

都道府県を通さずに国に対して予算を求められるようになるので、市で使い道を決められる予算が増えます。国道や県道の管理や都市計画、保健、福祉などの権限も移譲されるほか、「○○区」などの行政区の設置も可能になります。

 

住民票や健康保険などの交付をおこなう窓口や出張所を増やすことができます。市民にとっては利便性が高くなるのが嬉しいですね。児童福祉や母子保健など、健康、福祉、地域振興に関する決定権も持てるので、より実情に合った細やかな行政サービスを行えるというメリットもあります。自治体独自の宝くじの発行もできるそうですよ!

 

他に注目したいのは、「政令指定都市」と東京都に義務付けられている「特別高度救助隊」が配備される点。「特別高度救助隊」は、大きな災害や事故などが起こった際に出動可能な消防の専門部隊です。いざという時の市民の安心や安全につながるのはありがたいですね。

 

財源が豊かになり独自の行政サービスがおこなえるということは、居住する市民にとっては生活の質(quality of life/クオリティ・オブ・ライフ)が上がり、暮らしやすくなるということ。友人を訪ねた際には、どのような行政サービスがあるのかも聞いてみたいと思います。

 

 

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参照:統計で見る日本

   指定都市市長会

 

全国の政令指定都市の食べ歩きもいいわね~!
全国の政令指定都市の食べ歩きもいいわね~!

 

イラスト:飛田冬子

 


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