油絵が支える心と人生

油絵の作品が仕上がるまでの過程

公開日:2019.03.31

熊本大震災など、辛いときに心の支えになった油絵。油絵の魅力や面白さ、使う道具、実際に書いた作品について紹介します。今回は絵が完成するまでの過程についてご紹介します。

何が描きたいのかを問う

近頃犬を連れて散歩している人をよく見かけます。

ペットブームでしょうか。それを絵にしました。

まず構図を考えます。

キャンパスの中に安定感を持たせるため三角を作ります。

人物と犬で大まかな三角ができます。

犬は動くので散歩している人を見て描きたかったのですが、上手くスケッチできず諦めてペットショップに通い詰め観察して描きました。

最後はキャンバスの周りに仮枠を付けてコンクールに出品するので下の方は10㎝程あけて足の位置を決めました。

下地の色は赤で塗りました。絵の暖かい雰囲気作りを出したいと思ったからです。
油絵の下書き

だんだん人物をはっきり大きく描きます。

イメージを固めていきます。

女の子と犬にしました。

住宅地の中で散歩しています。

奥行きを出したいので坂道を作ります。

家の周りには塀があり花が咲いてます。

遠くを見ると教会がありいろいろな家があります。

情景を思い浮かべます。

良く見かける景色で天気は雨上がりで晴れです。

雨続きで散歩に行けなかったので犬は嬉しく喜んでいます。

犬の種類はフレンチブルドッグにしました。

空の雲は半分程度に減らして青空を残しました。雨上がりの空です。

いつの間にか飼い主は男性になっていました。
油絵の下書き

夢を見よう!夢を描こう!

景色をそのまま描いても作品としては面白さに欠けると思い、真っ直ぐな塀は少し造形的に曲線を入れたり遊びを入れました。

違和感がない程度にです。絵はありえない世界でかまいません。

人生はどうでしょう。幼少の頃思い描いていた将来は自由自在であったはずなのに、年を重ね学年の階段を上るうちに過去の成績や他人との比較、社会の価値観にも影響を受けて、つい思考が窮屈になっていく。

自分もそうですが何とかして失敗作にならないようきゅうきゅうとしてしまう。

自分の人生の絵を描けるのは自分だけ。

大切なのはその絵を自在に描くこと。

夢のある絵を描いていきましょう。

なぜ人物を描くのか

今世界に70憶くらい人間がいて皆違う顔をしている。

人間の顔は非常に複雑で面白いもの、非常に高度なデッサンが要求され描く人の世界観も表れてしまう。

この世に同じ顔をした人は二人といない。人は皆生まれて生きてそして死んでいく。どのような人間も皆平等で同じく尊厳がある。

その存在の重さを描きたい。

モデルの内面、存在感、あるいは単に造形……。昔から人間の肉体は最も美しい形を持つものと考えられていました。それだけで完結している個体なので、デッサンの対象としてありがたいです。

しかも生きているものとして表情や運動があり、多様なポーズが可能です。

良い作品にするためには

描いては消し描いては消しして、だんだんと真実に近づけます。

苦労して描いたものを消すのはつらくとも大いに消しては描き直すことを繰り返します。

それを面倒くさがっていては上達しません。最初は落ち込みますが。

写真ではなく絵なので自分で勝手に変えていきます。良く言えば自由自在です。
 

全体をまとめる

色はつながりのある色、例えば空の色のブルーを人物の服に入れたり靴の色のどこかに入れたりします。実際は写ってなくても良いのです。

どこかの色と雰囲気の違うところが出てきたら消していきます。

混色をしてグレーを作ると自然な感じに消せます。1週間程乾くのを待っても良いですし。

そのようにして作品を完成に近づけていきます。

もうそろそろ仕上げたいけど、描いていくともっと良くなるのではないかと欲が出てきます。プロではないので急いで仕上げなくても良いのです。

気の済むまで描き込みましょう。

次回は「幸せと結びついたデッサン」など書いてみたいと思います。

今回もお読みいただきありがとうございました。

スミレ

高校の時に美術クラブに入り 油絵を始める。結婚し家庭に入り油絵はすっかり忘れて過ごしていたが、定年後に時間ができて絵を描きたいと思い、カルチャーセンターへ。だんだん面白くなり最近では展覧会に応募し、大作にも挑戦しています。

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