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- きものの「リフォーム力」に魅せられて
きものをいろいろなものにリフォーム。過去に手がけた作品と、その背景にある物語を綴ります。今回はきものリフォームを始めたきっかけや、子どもの一つ身を孫の袴に、そしてお雛様の被布に-。2回生まれ変わったきもののお話です。
私がきものリフォームを始めたきっかけ
初めまして、やまきひろのと申します。私がきものリフォームを始めたのは30年前です。当時、5歳の次女が扇舞を習い始め、ひざ丈のきものと袴(馬乗り)が必要になったことから始めました。
母のきものを娘のきものに。使いまわせる幸せ
母の娘時代のきものと、お借りした扇舞のきものを持って、親戚のお婆さん(父の弟の奥さんの母)を訪ねました。明治生まれのお婆さんは仕立物をされていました。作れるものですね。完成の喜びと、お婆さんの昔の生活話に惹かれて、週に一日、和裁を習いに行くことになりました。きものが生活着だったお婆さんの時代の、当たり前の「リフォーム力」は、私にとって新鮮で「目からうろこ」の感動ものでした。
例えば、上前が汚れたり、日焼けしたり、裾が擦り切れたりしたら、帯で隠れる位置で切り離し、上下、左右を入れ替える。子どもの晴れ着は、成長したら長襦袢に作りかえる。帯は座布団にしたり……というような「使いまわし」の工夫は、私の生活に素直に浸透しました。
早速母の色あせた色留袖を長襦袢にしました。「見てちょうだい。私の襦袢は裾模様があるの。紋付よ」と、きものの裾をめくって見てもらっています(笑)。
子から孫へ、孫からひ孫へ
リフォーム中に生まれた思いがけない副産物
きものをリフォームするときは、ほどいて洗います。洗うと色が落ちますが、その色がもったいなくて、薄い胴裏(袷の着物の白い裏地)を浸してみました。するとやさしい色に染まりました。幅は耳をそのままにして、両端は三つ折りぐけにして、スカーフを作りました。
次回は帯のリフォームを見てくださいね。
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