油絵が支える心と人生

油絵は図書館でも学べます

公開日:2018.12.03

更新日:2018.12.26

熊本大震災など、辛いときに心の支えになった油絵。油絵の魅力や面白さ、使う道具、実際に書いた作品について紹介します。今回は油絵が上達するよう本を読み、知識を身につける努力について触れます。

筆の使い方~溶き油の使い方

油絵がもっと上達するよう、図書館で関連の本を読み、知識を身につけることも大切にしています。今回は、文献を参考にしながら、筆や時油の使い方、そして塗り方についてのポイントまでをご紹介します。

 

■筆の使い方

溶き油をつけて絵具を取り、溶き油と絵具をよく混ぜます。

線描するフラット(筆先が平らな筆)やフィルバート(筆先がやや丸みを帯びいる筆)は、穂先の面とエッジを使い分けます。

デッサンから描き出しは線と面塗りができる平筆が使いやすいです。仕上げ段階で細かい部分を描くときは細筆や丸筆の穂先を使います。

 

■溶き油の使い方

下書きには揮発性油を使うと乾きが早いです。乾燥後は絵具の光沢はなくなります。

キャンパス上の絵具が乾いても揮発性油のみで溶いた絵具を塗り重ねると溶け出します。描き重ねする場合は、調合溶き油(ペインティングオイル)というものを少量足します。

実際に描いてみるときのポイント

■描き出し

揮発性油+調合溶き油で描きます。絵具の表面は1~4日で乾き、乾いた後は絵具に光沢がしていきます。

 

■描画のポイント

調合溶き油を徐々に増やしていきます。生乾きの絵具に描き重ねるときは、下層の絵具と粘度を変え、かき出さないようにします。

 

■描き込み、仕上げ

まだ乾いてない油絵の修正等は、調合溶き油のみで行います。ここでのポイントは、描法によって溶き油の量で絵具の粘度を調整することです。テレピン油、ペトロールという溶き油を使用した場合は、完全に乾くのに6か月前後かかります。

油絵は溶き油を混ぜなくても描けますが、乾燥後にツヤが引いて発色が落ちます。溶き油を混ぜる量は「筆を湿らせる程度、筆運びしやすい硬さに絵具の粘度を調整する」を目安にします。

マスターしたい塗り方

■透明、不透明の使い分け

油絵具は顔料の種類によって透明度が異なり、透明色、半透明色、不透明色があります。

透明色は厚塗りには向かず、不透明色の上に薄塗りすることで鮮やかに発色し、下の色が透ける混色効果が得られます(グレイズ)。

不透明色は下の色を塗りつぶせ、厚塗り薄塗りどちらでも明るく発色します。

 

■透明色の濃淡でデッサン

透明色は光を良く通します。後退して見えます。透明色は入った光よりも出ていく光が少ないため、厚塗りしたり何層も塗り重ねると暗くなります。

一方、不透明色は光を通しにくいため、前進して見えます。不透明色は入った光と出ていく光がほぼ同じな為明るく見えます。

 

■重ね(グレイズ)による色作り

透明色の色は、重ねると緑色に発色します。各色の透明度の違いは、絵具のチューブに記載されています。

 

参考:油絵入門ビギナーズノート(グラフィック社)監修:小木曽誠

次回は「石膏像を油絵で描いてみよう」がテーマです。

 

最近ブーゲンビリアを描きました。これが題材。
最近ブーゲンビリアを描きました。これが題材。

 

1枚1枚花びらを描かないでそれでも花に見えるようにしました。画面全体から感じてください。バックの色は補色を混ぜてグレーに仕上げました。
1枚1枚花びらを描かないでそれでも花に見えるようにしました。画面全体から感じてください。バックの色は補色を混ぜてグレーに仕上げました。

 

スミレ

高校の時に美術クラブに入り 油絵を始める。結婚し家庭に入り油絵はすっかり忘れて過ごしていたが、定年後に時間ができて絵を描きたいと思い、カルチャーセンターへ。だんだん面白くなり最近では展覧会に応募し、大作にも挑戦しています。

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