なんとなく……で始めたことが仕事に生かされるまで

私と茶道(3)節度ある暮らしと良い人生

上野 洋子
2018/10/28 4

30代なかばから始めた「表千家」の茶道。その魅力や、茶道教室で出会ったかけがえのない仲間とのエピソードについて語ります。今回は、毎年行われる茶道教室の大イベントを紹介します。

私と茶道(3)節度ある暮らしと良い人生
※イメージ
【目次】
  1. 1年のスタートとなる初釜
  2. きものを上品に着こなして
  3. もうひとつの大イベントはセンター祭りでのお茶会
  4. 先生の本当の愛

1年のスタートとなる初釜

今回は、私通っている茶道教室で行う、イベントについてご紹介します。茶道では新年に稽古を始める日のことを「初釜(はつがま)」といいます。新しいことを祝う茶道の新年会のようなものです。この日は先生が、私たちに心を込めて濃茶(こいちゃ。多めの抹茶を練った濃い目の抹茶)を練り上げてくださいます。濃茶は茶事の中心です。初釜らしいしつらえの中で一椀の濃茶が飲みまわされ、1年のスタ-トとなります。

初釜は1月の最初の稽古日におこないます。稽古も松の内は休みですので、だいたい2週目の土曜日に行われます。

きものを上品に着こなして

初釜では心地よい緊張感が漂います。普段の稽古では洋服が許されてますが、この日は私たちもきもので伺います。初釜ではお正月にふさわしい明るい色が好まれ、みなさん個性豊かに上品に着こなしていました。やはり美しいです。この日のためにきものを新調する人もいます。

私のきものは色無地です。茶道では色無地に紋でもはいっていればふさわしいと聞いています。つけさげや小紋でもいいです。今年はあずき色のきものにしました。

初釜にはそれにふさわしいしつらえがあります。写真は及台子(きゅうだいす)という棚のようなものです。また、棚にある水指、杓立て、建水、蓋おきの4つを同一素材、同一意匠で揃えたものを皆具(かいぐ)といいます。

「春入千林処々鶯(はるいりせんりんところどころうぐいす)」という名前の軸がよく飾られます。

 

また、床の間には結び柳に白梅などを飾ります。これらが整うと初釜の雰囲気がただようのです。初釜ではいつも気持ちが新たになり、日常にないおごそかな雰囲気の中、感謝の気持ちとまた精進しようという気持ちが湧きます。

 

 

もうひとつの大イベントはセンター祭りでのお茶会

「センター祭り」は、教室がある女性センターでのお祭りで、毎年3月に開催されます。そこで私たちはお茶会をします。日頃の稽古の発表の場です。

当日は市の職員さんはじめ大勢のお客様がお見えになり、2018年は約120名のお客様がいらっしゃいました。このお祭りが3月ということで桜をテ-マにし、写真のような棗(なつめ。茶器の一種)を出しました。吉野山といいます。「桜をテ-マにして花見酒でも如何?」というようなしつらえでした。

 

茶道は季節に合ったしつらえをします。そしてその時の軸や道具にテ-マを感じ、それらを考えながら一服のお茶をいただく。何ともぜいたくな空間です。

お祭りでは点前(てまえ。抹茶をたてること)をする人、茶を運ぶ人、水屋(みずや。水を扱う場所)での裏方の仕事をする人と、みんなで協力して一服のおいしいお茶をお客様にさしあげます。仕事は持ち回り制で、点前もするし、茶の運び出しもするし、水屋での洗い物、準備も……と、けっこう忙しいのですが、お客様が「おいしかった」「素敵なしつらえ」と言ってくださり本当に嬉しかったです。また、センタ-をほかの教室で利用している友だちに会えたことも嬉しかったです。

先生の本当の愛

私はいつも「先生は怖いです」と言います。日頃の稽古は厳しいです。でも、先生のお心の中には、「茶道を通してこの人を何とかしよう」というお気持ちがあり、伝わってくるのです。客を迎える心得が日頃の暮らしと違った、節度ある暮らしを教えてくださっています。

節度ある暮らしを心がけて私も良い人生を送りたいと思います。茶道のある私の人生を紹介いたしました。次回からは茶道を離れ、私の人生に大きく影響を与えた人との出会い、エピソードを綴りたいと思います。

上野 洋子
上野 洋子

上野 洋子

埼玉県 /66歳
埼玉県 /66歳

ママさんバレ-をしていた私が、30代半ばに「静」のイメ-ジにひかれ、近くの公共の施設の教室で気楽に茶道を始めました。お菓子を食べお茶を飲む、これなら宿題はないかな、こんな動機でした。しかし始めてみると奥深く厳しいものでした。茶道を通して学んだこと、良い先生・仲間のことなどを中心にご紹介していきます。

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