ゴッホの絵画に魅せられて

夜のカフェテラス

2020/02/03

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いろいろな国へ旅することが好きな翠さん。今回は「ゴッホの絵の魅力」についてお伝えします。

夜のカフェテラス

ゴッホの絵を見て動けなくなる

ゴッホの絵

皆さんゴッホの絵はお好きでしょうか? イギリスにあるロンドン・ナショナルギャラリーは入場無料、カメラ撮影も可な美術館。至近距離まで近づいてゆっくり絵を鑑賞することができます。私は初めてロンドンに行ったときに、ゴッホの絵の前で動けなくなりました。何の変哲もない椅子の絵です。

その日は、午前中にこの絵を見て衝撃を受け、お昼を挟んでもう一度ナショナルギャラリーに行き、この絵の前に立ちました。
それ以来、ゴッホが大好きになり、何度もロンドンに行ってはじっくり見るようになりました。

その後、ゴッホの絵「夜のカフェテラス」と言う絵を冊子で見かけてからは、いつも頭に浮かんでくるようにさえなりました。

「夜のカフェテラス」は、オランダ・アムステルダムから電車、バスと乗り継いで森の中にある美術館にあるということがわかりました。

ある日、オランダ・ベルギーツアーでほかの絵画も一緒に鑑賞できるものを見つけ、さっそく参加を申し込みをしました。

「真珠の耳飾り」「ミルクを注ぐ女性」
(左)「真珠の耳飾り」(右)「ミルクを注ぐ女性」
「夜警」
「夜警」

「真珠の耳飾り」も「本を読む女性」も「ミルクを注ぐ女性」も「夜警」もそれはそれで魅力的な作品ですが、私には「夜のカフェテラス」ただ1つがこのツアーの参加目的になりました。

夜のカフェテラス
「夜のカフェテラス」

「夜のカフェテラス」はヘレーネ・クレラー・ミュラー夫人が所有する私設美術館にあります。ヘレーネ・クレラー・ミュラーは資産家で最大級のゴッホ所蔵者であり、約300点ものゴッホの絵画を収集しています。森の中にある美術館で、緑とガラスがうまく組み込まれた静かな佇まいです。

美術館

絵の中を歩く

「夜のカフェテラス」の前でじっと直立不動、息をのみ、ただただ立ち尽くす。しばらくすると、この絵の中に入れることが分かりました。

「夜のカフェテラス」

「夜のカフェテラス」

この絵の中には20人以上の人が存在します。

先ず、このカフェの椅子に腰掛けてみると聞こえてくる。石畳を歩いてくる足音、石と靴がすれる音。並んで歩く人の会話。カフェのテーブルの上に落ちる光の色、温かさ、飲み物の香り。夜空の星々のきらめきに、かすかに空気の流れる気配、夜の湿気を含んだ空気感、ウエイターの運ぶ食器がかすかに触れる音、通りの向こうのガラスから漏れる光の反射、奥に続く窓からの淡い光、すべての物が私を取り巻くのです。

次は椅子から立ち上がりカフェをあとにし、道の奥の路地を歩いてみます。夜気の香りがするような石の道をコツコツと靴音をさせてゆっくり、手は腰の後ろで組んで、カフェの明りでできる自分の影を見ながら歩いてみる。時々、深呼吸をして空を見上げててみたり。

うん、そうか……石の道の感触はこういうものかと、靴の中で石を感じながら歩いてみる。靴の中の親指に力を入れて歩くと歩きやすいものなのね。今飲んだコーヒーの味を反芻しつつ、今日一日の仕事のことを思い描く。星の光で明日の天気を知ることもできる、この数日きっと天候は安定していたのかしら?

この絵の中の人になりきって歩いてみると、私自身が「夜のカフェテラス」そのものになれるのです。

恍惚状態で一時間ほどこの絵の前に座っていたのは至福の時間でした。絵の中を歩いたのも初めての経験。絵の中に入れることを知り、世界観が広がったような気がしました。

ゴッホがいっぱい

さて、この美術館にあるほかのゴッホも紹介しましょうね。

ゴッホに魅了された私は、美術館を出た時点で方向感覚が狂い森の中に迷い込んでしまいました。
バス駐車場の場所がわからなくなり、大慌てで添乗員さんに電話をしたのが、ヘレーネ・クレラー・ミュラー美術館の苦い思い出です。

ゴッホの作品

ゴッホの作品

ゴッホの作品

ゴッホの作品

富士山の見える町で暮らす元気な65歳。半日仕事をし、午後はジムで軽く運動。好きなことは絵画を見ることと針仕事。旅先の町で買い求めた布でポーチやバッグを作っています。雨の土曜日は映画を観て、晴れた土曜日には尾根道を3時間ほど歩く。楽しいことが大好きです

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