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- 「笑い学会 岡山大会」に出席
「笑い学会」をご存知ですか?
1年ほど前、故郷の友人から、「笑い学会」のことを初めて聞きました。彼女は音楽療法の専門家で、その関係で「笑い」の治療効果に関心があって、長年この学会の会員なのだそう。「笑い学会」という名称を初めて聞いた時は、お笑いか何かの興行だと思ってしまったのですが、先日、その学会に私も参加してみました。
古来より「笑う門には福来たる」と言いますし、「笑い講」の話も聞いたことがあります。「笑い学会」の年1回の大会は、2019年で26回目だそうで。一般人の参加もOKということなので、いったいどんなことをする学会なのか、好奇心いっぱいで岡山まで出かけました。
2日間にわたる大会は、特別講演など以外に16件もの「研究発表、ワークショップ、パフォーマンス」が準備され、2つの大きな教室を使って同時進行で進められました。私が聴講した研究発表は、
1「落語で読み解くイグ・ノーベル賞」
2「講座としての高座:英語教育における落語の可能性と現実」
3「噺家は芸をどう磨いているかー江戸四派 若手噺家へのインタビューから」
4「落語の教材的価値に関する研究(2)―『落語的人間観』に触れることの意味―」
5「岡山の方言観から見る笑いの意識」
6「団塊の世代を境に変化する高齢者の『学ぶ姿勢』」
7「介護予防を目的としたカルタの『笑い』に関する一考察」
8「笑う門には治癒来る」
こちらの8件で、16件の半分。発表者は、大学の研究者や現役の医師の方々です。「歯科医司会で進行します」というふうに時には駄洒落も飛びかいましたが、発表者は極めて真面目に研究成果を20分で発表し、質疑応答が5〜10分、それでも足りなければ廊下で討論、という感じでした。
聴講した研究発表は、私のような素人にも面白く、へぇ、なるほど、という感じで聞き入りました。例えば、1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる業績」に対して与えられるノーベル賞のパロディーである「イグ・ノーベル賞」について発表された遠藤謙一郎氏。氏によると日本人の受賞は過去25件と多く、日本は米国・英国に次ぐイグ・ノーベル賞大国だそうです。この賞の創設者マーク・エイブラハムズは「日本と英国は、変人であることを誇りにする国だ」と言っているとか。へぇ、なるほど!
「英語による落語」を大学生に授業で実践しているShawn De Haven氏は、その実践例の悲喜こもごもを紹介されました。学生さんたちは確かに英語力がアップするそうですが、落語の面白さは今ひとつ伝わらないとか。これまた、なるほど、と思いながら拝聴しました。
学会は、南は九州、北は北海道から200余名の参加者が集う一大イベント。いろいろな研究発表を通して、あらためて「笑い」の効能を認識することができ、なかなか有意義な二日間でした。「笑い」を真剣に研究なさっている人たちが醸し出すポジティブな雰囲気の中に身を置く快感も味わいました。これからももっともっと笑って毎日を過ごしていきたい、と気持ちを新たにしました。
一度は、と思って参加した学会でしたが……、ハマりそうな予感がします。
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