落語会体験記

落語自由自在~小さん孫弟子7人会(上)~

さいとうひろこ
2019/06/07 5

落語が大好きなさいとうさんの落語体験記をお届けします。古き良き日本文化である落語を聴いて楽しく笑うことで、身も心も元気になりますよ。今回は5代目柳家小さん孫弟子の会。立川生志、柳亭左龍のお二方をご紹介します。

落語自由自在~小さん孫弟子7人会(上)~
【目次】
  1. 5代目柳家小さん孫弟子の会
  2. 「反対車」 立川生志(たてかわしょうし)
  3. 「羽織の遊び」 柳亭左龍(りゅうていさりゅう)

5代目柳家小さん孫弟子の会

5代目柳家小さん孫弟子の会に行ってきました。

最初は2014年5月に小さん師匠の13回忌にイイノホールで開かれたのですが、今回は場所を移して、銀座ブロッサム中央会館です。
 

5代目小さん孫弟子七人会チケット
5代目小さん孫弟子七人会チケット

「反対車」 立川生志(たてかわしょうし)

薄いクリーム色の着物に、鮮やかな緋色の羽織で登場。「小さん孫弟子の会です。私は立川ですが、間違いなく小さんの孫弟子です。師匠の談志が小さんの弟子ですのでね。でも楽屋はみんな落語協会の面々なんですよ。わたしだけアウェー感」と、まずボヤきます。

東京には落語協会・落語芸術協会・五代目圓楽一門会・立川流の四派があり、普段はあまり交流がありません。

「立川流はゲリラ軍団ですからねぇ。今日は昼夜公演ですが、昼の部だけで夜は出ません。夜は三遊亭兼好さんと二人会ですのでね。昼は落語協会の皆さんと、夜は圓楽一門会の兼好さんとで、ええ立川流のハト派と言われております」で大爆笑が起こります。「楽屋は、おじいちゃんの法事に親戚が集まったみたいな雰囲気なんですよ」

「この銀座ブロッサムの思い出といえば、前座時代に遡ります。『談志の到着が遅れるというので、長めにやってほしい』と先輩に言われ、前座ですからね。長い噺など教わってないし、困りました。長めって、15分位ですかって聞きましたら、いや30分はやってほしいって言うんですよ。前座に30分も噺を聞かされるお客も大変だろうなって、瞬間思いましたよ」と苦労話が始まります。

「談志の会に来る人は談志以外の噺は聞きたくないという人ばかりなので、師匠の事を話したら喜ばれると思い、まずマクラで日頃の談志の話をしました。そうしたら思った通り、前のめりになって聞いてくれるんです。

15分程話してようやく落語に入りましたら、途端に『もういい』って声が、横から聞こえるんです。でも落語に入ったばかりですから、ここでやめる訳にはいきません。更に続けたら『止めろ』って言うので、横を見たら、談志が腕組みして睨(にら)んでるんです。仕方なく『師匠が止めろと言うので、噺の途中ですがここでおります』と言ったら、それがその日一番受けました。袖に戻ったら『前座がいつまでも喋ってんじゃない』って叱られました」

「終演後の打ち上げでも怒っていて、口をきいてくれないので、謝ったら『いいか。前座はきっちり落語をやればいいんだ。マクラなんぞやるんじゃない』ってね。だったら、遅れずきっちり来いよとは思いましたが、言いませんよ。言えません。でも、考えたら最初から、私の高座を師匠は聞いていたんですね」で、ドッカンと笑いが起きました。

「ここ銀座ブロッサムは、そんな思い出です。ここに来るたびに思い出して、嫌な感じ」またまた場内、笑いの渦が広がりました。

それからおもむろに「今朝9時頃まで、実は福岡にいました。それがもう東京にいるんですから、昔じぁ考えられませんね。何しろ歩くか人力車に乗るしかないんですから」と始めますので、もしや「反対車」では、と思いました。すると読みが当たりました。読みが当たるとすごくうれしいものです。「反対車」はエネルギッシュな噺で、相当大変ですから、それで長いマクラをふったんだと、納得がいきました。

人力車の車夫とお客とのやり取りが面白い噺です。体育会系の林家彦いち師匠は、人力車を走らす部分をふんだんに入れますが、かなり体力を使います。生志師匠はご無理をなさらないようにと祈りながら、聴き入ります。なるほど、会話で引っ張って、走る部分は控えめに、上手にサゲまでまとめました。

「羽織の遊び」 柳亭左龍(りゅうていさりゅう)

左龍師匠は、柳家さん喬(やなぎやさんきょう)師匠のお弟子さんです、と言うより、今や兄弟子はあの人気絶頂の柳家喬太郎(やなぎやきょうたろう)師匠ですと言った方が、通りが良いようです。「さん喬一門会」で聞いて以来ですので、どんな噺が飛び出すのかなと期待しました。小さん師匠との思い出話など聞きたいと思いましたが、あっさり噺に入ってしまいました。

「羽織の遊び」は最近やる方が少ない噺です。「寄合酒」の場面と重なるところが多いので、それなら「寄合酒」の方が良かったのに、と思いました。

「羽織の遊び」は遊郭へ遊びに行くために羽織を調達しようとするお話で、登場人物の一人の八五郎が葬式を装って羽織を借りようとし、サゲは「そのうち誰か死ぬから」って言うんです。あんまりいいサゲではないですよね。
 

案内の立て札
5代目小さん孫弟子七人会

 生志さんのマクラが面白過ぎて、ついつい長くなってしまいました。

左龍さんの後、入船亭扇辰(いりふねていせんたつ)・柳家三三(やなぎやさんざ)・柳家喬太郎・柳家甚語楼(やなぎやじんごろう)と、腕っこきの人気者が続きますが、おあとは「小さん孫弟子七人会(中)」でお楽しみいただきます。

さいとうひろこ

東京都 /69歳
東京都 /69歳

趣味は落語鑑賞・気功・テレビ体操・読書・トールペイント・美術館めぐり等。健康は食事からがモットーで「AGEフード・コーディネーター」の資格を取得、老化や病気の原因となるAGEを溜めない食事の仕方や調理の仕方をご紹介します。また、これから落語を楽しみたい方のためにその魅力もご案内します。

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