小さい頃からいつも本がそばに

貸本屋へ通う幼少期から始まった、本探しの旅

公開日:2018.07.03

更新日:2018.10.02

幼少の頃から読書が大好きで、定期的に行っている読書会についてや、文学にちなんだ場所巡り、おすすめの本について紹介。今回は本が好きになったきかっけや、文通相手から指示された本を読んでいた高校時代、読書会が始まったきっかけについて触れます。

貸本屋へ通う幼少期から始まった、本探しの旅
        ※イメージ

貸し本屋に通う幼少期

昭和55年から本好きが集まった読書会を毎月やっています。メンバーはその時々で替わり、初回からの参加は私だけになってしまいましたが、本が好きという人の集まりは楽しい。課題図書の感想や、自分の作品を集約した文集の作成も、今度で5回目になります。読書会のはじまりから、文学にちなんだ場所巡り、おすすめの本などを徐々にご紹介していきたいと思います。

幼い頃から一人で本と遊んでいたような気がしてならないのですが、それがどんな本だったのかまったく思い出せないでいます。近所に貸本屋さんがあり、5円をにぎって毎日のように通っていたのは、小学生の時なのかなぁ。

中学校では立派な図書館がありよく利用しました。そのころは倉田百三の「出家とその弟子」が1番好きで、文庫本で買ってずっと手元に置いて何度も何度も読み返し、赤線がいっぱいでした。親鸞の生き方に惹かれました。

文通相手の指示のまま、本を読み漁る

中学の卒業まぢかに1歳年上の先輩から文通してほしいと手紙が届きました。表書きは女性の名前でしたが、中身は秀才で通っていた男子生徒でした。

彼に指示されるままにいろんな本を読みました。三木清の「人生論ノート」、島田清次郎の「地上」はどこを探しても手に入らず、後年金沢の徳田秋声記念館で生誕110年記念、島田清次郎展があり、「地上」が売られていると新聞にあったので金沢まで出かけて手に入れました。

先輩との文通は心配した母が担任に相談してやめることになり、あの時ずっと付き合っていろんな本をわけもわからずでも読んでいたら、私という人間がもっと違っていたのかもと時々思います。

高校の時は1年の時に親しくなった洋子さんの家に惹かれて入り浸っていました。彼女は5人姉妹の4女さん。お姉さんたちが素敵で、アカデミックな雰囲気のおうちでした。婦人公論がありいつも読ませてもらっていました。

そして読書会の誕生

万博の年に大阪から今の土地(奈良県)に転居。開発中のニュータウンでまだご近所もなく、寂しいなぁと過ごしていた日々、毎日新聞の奈良版に「女の気持ち、奈良会の集い」という記事が目に留まりました。早速申し込むと、次の例会が会員さんの畑での「イチゴ狩り」なのでぜひ参加して下さいと言われ、楽しいひと時を過ごしました。

書くことが好きな人たちの集まりで、本のこともよく話題になりました。例会で1度読書会をしてみてもいいわね。と、檀一雄の「リツ子・その愛」を読むことになりました。この時のメンバーの中から例会とは別に読書会をしたいね、という話になりそれぞれお友達を誘おうと。でも、結局私と少し年長のHさんが1人ずつお友達に声をかけ、Hさんの団地の集会所で4人での読書会が始まりました。

次回、その読書会はどんな本を課題図書にして行われたか等、ご紹介します。

久田かえこ

好きなことは読書。本は小さい頃からいつもわたしのそばにありました。引っ込み思案な点がありますが、裏を返せば奥ゆかしさにつながるのでしょうか。4人姉妹の長女で、和歌山の実家で母を見てくれていた一回り下の妹が60歳で他界、その時の寂しさを紛らわせてくれたのは数々の本とそれを通して出会った仲間たちです。

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