YASCORN 鉄道食べすぎひとり旅

富山で鉄道乗りすぎ旅(前編)黒部峡谷トロッコ電車

YASCORN
2018/11/15 36

大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、食べて食べて、また食べる鉄道旅の楽しさをご紹介します。今回は富山へ向かい、黒部峡谷トロッコ電車と立山黒部アルペンルートをはしごして、雄大な景観と富山の幸を味わいます。

富山で鉄道乗りすぎ旅[前編]黒部峡谷トロッコ電車
【目次】
  1. 2018年11月末で終了するトロリーバスに乗りたい!
  2. トロッコ電車に揺られながら、絶景を楽しむ80分間
  3. 目当ての名剣温泉を断念するも、駅近で温泉を発見!
  4. まだまだ食べます。名物和菓子と白えびと白えび

2018年11月末で終了するトロリーバスに乗りたい!

漫画家デビュー時の目標だった藤子不二雄先生は富山県のご出身。そういったご縁もあり、富山には何度も足を運んでいるのですが、実は黒部峡谷や立山黒部アルペンルートは未踏の地でした。昔から山登りが苦手だったせいで、山のイメージの場所を敬遠していたのかもしれません。

立山黒部アルペンルートは、日本唯一のトロリーバスが運行されています。トロリーバスは実は「鉄道」に区分される乗り物。その辺は後編で詳しくお話しますが、なんと今月で、そこを走る関西電力のトロリーバスが廃止になるのです。来年度から電気バスに変更される、というニュースを知って、俄然行きたくなったのでした。

 

「ぶりかまステーキ弁当」は現在、東京駅と仙台駅のみでの限定販売
「ぶりかまステーキ弁当」は現在、東京駅と仙台駅のみでの限定販売

東京駅で駅弁を買い、北陸新幹線に乗り込んで黒部宇奈月温泉駅へ向かいます。「ますのすし本舗 源」の駅弁「ぶりかまステーキ弁当」は、酢飯のご飯の上に骨まで食べられるぶりかま煮焼きがのっています。冬季限定販売の脂がのった「ぶりかまめし」も大好きですが、こちらもかなりの美味しさです。

 

黒部宇奈月温泉駅から富山地方鉄道・新黒部駅乗り換えは道路を渡ってすぐ
黒部宇奈月温泉駅から富山地方鉄道・新黒部駅乗り換えは道路を渡ってすぐ

黒部宇奈月温泉駅は、北陸新幹線の「はくたか」しか停車しません。ここから更に富山地方鉄道(以下地鉄と略)に乗って、新黒部駅から終点・宇奈月温泉駅に向かいます。地鉄も本数が少ないので、前もって乗り継ぎ時間を調べておきましょう。

トロッコ電車に揺られながら、絶景を楽しむ80分間

宇奈月温泉駅前の温泉噴水。駅構内には足湯もある
宇奈月温泉駅前の温泉噴水。駅構内には足湯もある

地鉄の宇奈月温泉駅から黒部峡谷トロッコ電車の始発駅、宇奈月駅までは徒歩3分ほどです。トロッコ電車の運行期間は例年4月下旬〜11月末まで。席は自由席ですが、定員制なので予約した方が安心です。

 

トロッコ電車を牽引する機関車。2両連結され(重連)、13両の客車を引っぱる
トロッコ電車を牽引する機関車。2両連結され(重連)、13両の客車を引っぱる

客車は窓なしのオープン車両と窓ありの車両があります。タイプによって料金が変わります。私は写真を撮りたかったので開放感のある窓なしを選びました。寒がりな方は窓ありを選んだ方がいいかもしれません。トロッコ電車は見た目は可愛らしいのですが、その力強さに頼もしさも感じます。

 

駅を出て間もなく右手に見えてくる「うなづき湖」
駅を出て間もなく右手に見えてくる「うなづき湖」

青緑色の水面を眺めつつ、トロッコ電車はぐんぐん登って行きます。車窓はしばらくの間、右側の方がおすすめ。私が行った時はまだ紅葉はわずかでした。

車内放送で沿線の見どころを案内している女性の声に聞き覚えあるような……と思っていたら、なんと富山県出身の室井滋さんのナレーションでした。実際に乗られてご自分の目で見てタイミングや表現方法を考え、録音に臨んだそう。プロとしての姿勢がさすがです。

 

大自然の中を進んで行くトロッコ電車
大自然の中を進んで行くトロッコ電車

川には時折、縄梯子のようなサル専用の吊り橋があります。高くて揺れる場所が苦手な私は、想像するだけでドキドキします。そんなことを考えていたら、目の前にサルが! すっかりトロッコにも慣れているようで、かなり近づいて、じっとこちらを眺めていました。

 

岩の上に残っている万年雪
岩の上に残っている万年雪

宇奈月駅から終点・欅平駅までの乗車時間は約80分、途中停車駅がいくつかありますが、乗降可能な駅は宇奈月・黒薙・鐘釣・欅平駅のみです。

黒薙駅は温泉に、鐘釣駅では万年雪を見に降りて行かれる方もいました。毎年そこだけ雪が1年中残っていて「黒部万年雪」と呼ばれています。私は終点の欅平駅まで行き、名剣温泉まで歩いて温泉と食事を楽しむつもりでした。しかし……。

終点の欅平駅外観。2階は食堂になっている。1階にも立ち食いそばなどあり
終点の欅平駅外観。2階は食堂になっている。1階にも立ち食いそばなどあり

なんとこの日、名剣温泉のボイラーが壊れて温泉に入れなくなった、と終点の駅に到着した時点で知りました。さて、どうしましょう。

目当ての名剣温泉を断念するも、駅近で温泉を発見!

 

欅平温泉猿飛山荘の外観
欅平温泉猿飛山荘の外観

すると駅から階段を降りた川沿いに「猿飛山荘」と書かれた看板が。駅近くに足湯があることは知っていましたが、どうやら温泉も入れるようです。そして食事もできるとのこと。助かりました。
(温泉の営業日は、トロッコ電車の運行期間より短いので事前にご確認ください)

 

温泉は男湯と女湯に別れている。どちらも川を眺めながらの露天風呂
温泉は男湯と女湯に別れている。どちらも川を眺めながらの露天風呂

こちらの温泉は源泉掛け流しの単純硫黄泉。近くにある無料の足湯も同じ泉質です。川の音を聞きながらの入浴は大変リラックスできました。お湯も熱くないので、いつまでも浸かっていられます。

 

岩魚骨酒と朝採り天然きのこそば
岩魚骨酒と朝採り天然きのこそば

温泉の後は、いつもならビール……なのですが、珍しい「岩魚骨酒(いわなこつざけ)」、そして「朝採り天然きのこそば」にしました。岩魚骨酒をいただくのは初めて。焼いた岩魚に日本酒の熱燗を注いだもので、お酒に魚の出汁が出て、なんとも独特な風味です。魚の身もほぐしながらアテにしつつ、ちびちびといただきます。

蕎麦にたっぷりのったきのこは、ご主人が朝、山に入って取って来られたものだそう。新鮮なのはもちろん、その旨味と食感に感動しました。きのこだけでなく、お蕎麦とつゆも美味しくて大満足でした。

 

人喰岩に飲み込まれている私
人喰岩に飲み込まれている私

猿飛山荘を出て上の道路を5分程度歩くと「人喰岩」があります。岩が道路に覆い被さり、まるで下にいる人を食べているように見えます。一番の撮影スポットです。

 

インスタ映え⁉なハート形の空
インスタ映え⁉なハート形の空

この岩の真ん中あたりの道路から、上に向かって写真を撮ると…空がハートの形に切り取れました!  美しい景色とはまた別に、こういう場所を発見するのは楽しいです。

まだまだ食べます。名物和菓子と白えびと白えび

黒部川電気記念館は宇奈月駅を出てすぐ右手側にある
黒部川電気記念館は宇奈月駅を出てすぐ右手側にある

暗くなる前に欅平駅から再びトロッコ電車に乗り、宇奈月駅に戻りました。

宇奈月駅の斜め前には「黒部川電気記念館」という立派な建物の施設があります。あらかじめこちらで予習してから乗っても良いかもしれません。トロッコ電車のシアターは本物そっくりの臨場感です。黒部ダムについてもいろいろと知ることができます。なんと入館は無料です。

 

内閣総理大臣賞を受賞した福多屋菓子舗の「おもかげ」
内閣総理大臣賞を受賞した福多屋菓子舗の「おもかげ」

宇奈月温泉駅へは、以前、立ち寄り湯で温泉に入りに来たことがありましたが、とんぼ返りでした。駅近にある福多屋菓子舗さんの「おもかげ」というお菓子が美味しいと噂に聞いていたので、今回はそちらに伺うことにしました。単品でも買えますし、店内でお茶をいただきながら食べることもできます。求肥で包んだこし餡を薄種に挟んだおもかげは、初めて体験する不思議な食感。おみやげにも最適です。

 

富山駅改札外にある立山そばの「しろえび天そば」
富山駅改札外にある立山そばの「しろえび天そば」

本日の宿は富山駅の近く。富山駅まで移動して、夕食にします。昼間もおそばを食べましたが、富山に来たらやはり立山そばの「しろえび天そば」は外せません。初めて富山に訪れた時から、その美味しさに、すっかりしろえび天そばのファンになりました。しろえびの香ばしさ、駅そばらしからぬ繊細な出汁、何度食べても飽きない味です。

2017年にご縁があって、ますのすし源さんの「白えび天ぷら」という新作駅弁のパッケージデザインを私が担当することに。現在は販売されておりませんが、今も立山そばの入口には私のサインを飾っていただいています。富山を訪れた際は、ぜひ食べに行ってみてください。

白えび亭のきときとセット
白えび亭のきときとセット

 

さらに白えびを求め、こちらもよく行く「白えび亭」へ。駅建物の「とやマルシェ」というおみやげや飲食店が並ぶ一角にあります。

白えび亭では、いつもの白えびとお酒のセット、「きときとセット」を頼みました。お酒は生ビールか日本酒(立山)を選べます。白えびも天ぷらか素揚げを選べますが、断然、素揚げがオススメです。食券制でカウンター席も多いので、女性1人でも気軽に入れます。

1日めのルートはこちら!
1日めのルートはこちら!

 

地図で見ると今日訪れた欅平駅から、明日行く予定の立山駅まで近いように見えますが、その区間の交通手段はありません。宇奈月温泉から立山に行く場合は、一度寺田駅まで行って向かうことになります。翌日の移動を考えて宿を決めましょう。

黒部峡谷トロッコ電車のみであれば、東京発着の日帰りも可能です。

次回、後編、「富山で鉄道乗りすぎ旅[後編]立山黒部アルペンルート」へと続きます。

おすすめアルペンルート鉄道旅

☆本記事に記載されている写真や本文の無断使用・ 無断転載を禁じます。また掲載情報は取材時点のものであり、最新の情報は施設等へお問い合わせください。

 

YASCORN

駅弁・駅そばが好きな鉄道好き漫画家&文筆家。温泉ソムリエ。児童誌から鉄道誌まで幅広く活動中。著書に「おんな鉄道ひとり旅」(小学館・プチコミック増刊で連載中)、「メシ鉄!!!」電子書籍1〜3巻(集英社)他。「鉄道漫遊記」を東洋経済オンラインで連載中。HP: yascorn.com

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