【新連載】育てて縫って愛おしむ ガーデンダイアリー

バラの香りに包まれた暮らしの中で

奥野多佳子
2019/08/20 267

バラ栽培のコツや花に囲まれた暮らしを発信するブログが人気のバラ愛好家・奥野多佳子さん。今月から庭に咲く四季折々の花の写真とともに、庭づくりのポイントや庭の花にちなんだ作品作りのエピソードをつづっていただきます。

ガーデンダイアリー
【目次】
  1. はじめまして。奥野多佳子です
  2. 我が家の庭をご紹介します
  3. バラの庭作りへのこだわり
  4. 四季折々の庭
  5. 庭と作品作り

はじめまして。奥野多佳子です

はじめまして。私は日々庭でバラを育てタペストリー作品を作り、陶芸を楽しみ、週末、時間ができれば美術館で解説ボランテイアをする……手仕事が大好きな主婦です。

今回 ご縁があってバラの庭のことを書かせていただく機会をいただきました。

15年ほど前から 試行錯誤しながら続けている庭作りのこと、DIYのこと、作品など、何かみなさまのご参考になればいいな……と思っていますので どうぞよろしくお願いします

ヒマワリ

そして、毎回小さな作品もご紹介したいと思っています。

8月は「ヒマワリ」です。ヒマワリは私の大好きな花……。黄色のグラデーションをつけて布を染め 花びらが風に揺れいつもお陽さまに向かって咲く姿を描きました。

我が家の庭をご紹介します

庭は35~36坪ほどで 前庭と裏庭に分かれています。前庭は門扉から玄関へつながる細長い庭でボーダー花壇です。裏庭はリビングに面していて芝生を囲むように植栽した庭でデッキがあります。

バラの園を夢見て

16年前の誕生日、姉が梶みゆきさんの『バラの園を夢見て』をプレゼントしてくれたことから 初めてバラの美しさを知り、ここから私のバラの庭づくりが始まりました。我が家の庭ができるまでを簡単にご紹介します。

バラの庭作りへのこだわり

ピンクのバラ

『ピエール・ドゥ・ロンサール』……最初に植えたバラです
『ピエール・ドゥ・ロンサール』……最初に植えたバラです

薄いピンクの花びらが幾重にも重なり、ふんわりと優雅に咲く姿は、誰もが好きになるつるバラです。3年目ぐらいで200個以上の花が咲いてとても嬉しくて……そこから次々とバラを植え、多い時で100本以上になったと思います。

バラの庭をつくる時、まず読んだ本が村田晴夫さんの本でした。

村田晴夫さんの本

『つるバラの庭 入門編」『つるバラの庭 応用編」『すべてのバラを咲かせたい』……
何度も何度も読んで どこにどんなバラを植えるか考え 土のこと、肥料のこと、消毒のこと……初めて知ることばかりで、それはそれは愉(たの)しい時間でした。

『バラ図鑑』は息子からのプレゼントで、もうページがバラバラになるほど繰り返し読んだ本です。

本を読みながら綺麗な1本1本のバラが集まって、その色が重なり合う一つの風景を作ることを考え始めました。

◆前庭

2015年頃の前庭

2015年頃の前庭です。


まだアーチや板塀もなく 外壁にレンガも貼っていなくて……でも赤いバラ、アルテシモや 手前の白いバラ、サマースノー、奥の白いバラ、つるアイスバーグが元気です。

ピエール・ドゥ・ロンサールは一番奥の出窓に誘引しています。

バラで囲まれた風景

前庭は細長い庭なので、広がりのある風景というより、縦の面を使ってつるバラをたくさん植えアーチに絡ませる……バラで囲まれた風景を作ろうと思いました。

狭いことはマイナスではなく、狭いことでより“囲まれ感”が出せるということもあります。
 
アーチを3つ設置して、1つ目は4月末から咲く早咲きのバラ、2つ目は5月に入ってから咲くバラ、3つ目には5月末から咲きだす遅咲きのバラを植え、長く楽しめるようにしました。そして一番奥にブルーのベンチをポイントに置いて奥行き感を出しました。

◆裏庭

プライべートな家族が集まる庭

前庭は門扉から見えるちょっとパブリックな感じですが、裏庭はプライべートな家族が集まる庭にしました。憩える庭です。

中央は芝生で 周り360度バラに囲まれ、そこはバラの香りが溢れる庭になりました。

バラの香りが溢れる庭

裏庭の中央部分は、タイルを四角く敷いたり、丸く敷いたり……何度もDIYを繰り返しました。

一番日当たりがいいから中央に花壇を作ればいいのに……とよく言われますが、私は庭は植物だけでなく人がいてこそ庭だと思うので、ここでは家族集まってBBQをしたり、夏はプール、そしてテーブルを出してお茶をしたり、小さくても家族や友人が集う場所にしました。
          
◆主役はバラたち

風景を作る中でメインになるバラを決めました。
 

ピンクのスパニッシュ・ビューティー

前庭はピンクのスパニッシュ・ビューティー。

花びらがヒラヒラと波打ち優雅に咲き、枝垂れて咲く姿は見事で私の大好きなつるバラです。枝数が少な目でとても誘引(茎やつるを支柱に結びつけて、伸びる方向を整えること)しやすいバラです。

カミキリムシの被害に遭いましたが、でも……やっぱりこの場所にはこのバラ……なので、また購入しました。
 

白いマダム・アルフレッド・キャリエール

そして、白いマダム・アルフレッド・キャリエール……フワフワの雰囲気で、これこそつるバラという力を感じさせるオールドローズです。グングンよく伸びました。
 

コンスタンススプライ

裏庭はコンスタンス・スプライです。

中央のピンクのバラで 1本で横8m、高さ3mに広がるほど旺盛に伸び、綺麗なカップ咲きで 咲く姿がとても可愛いのです。細い枝がたくさん出るので誘引は苦労しました。

最初のイングリッシュローズです。

イングリッシュローズ

 

イングリッシュローズ

四季折々の庭

庭にバラを植えるだけでは風景は作れないので 宿根草(毎年植え替えなくても翌年花が咲く草花)や1年草などを花壇や鉢に植えていきます。

そこで四季折々の風景が生まれてきます。
 

◆春……

庭が一気に華やか

冬に植えた球根などが咲いて 庭が一気に華やかになります。

春の庭


◆夏……

夏の庭

バラが終ってアジサイやユリやベリーの季節になります。そしてバラのシュート(勢いよく伸びた若い枝)が出てくるので葉が茂り、鬱蒼とした庭になっていきます。湿気の多い関西の夏は植物にとって試練の時期です。

◆秋……

ジューンベリーの紅葉

木々やホスタが色づき始めます。これはジューンベリーの紅葉です。可愛いバラの実で毎年リースを作ります。

可愛いバラの実で毎年リースを作ります


◆冬……

色のない静かな庭

色のない静かな庭。そこに毎日やってくる鳥たちの声に、バラの剪定に忙しくなる私は元気をもらいます。

息子が小学生の時作ったバードハウスです

息子が小学生の時作ったバードハウス

庭と作品作り

私は40年ほど前から 絵を描いて、それを染めた布で表現していくファブリックアートのタぺストリーを制作しています。昨年も個展を開いて多くの方に観ていただいて本当に嬉しかったのですが 最近は庭が制作のテーマになっています。

バラに囲まれた裏庭。これをイメージして制作した作品が……
バラに囲まれた裏庭。これをイメージして制作した作品が……
この「風を纏(まと)う」でした
この「風を纏(まと)う」でした

また 陶芸は17年ほど続けていますが 庭で使うグッズや花をモチーフにした食器など作って楽しんでいます。花をモチーフにした陶芸作品もこの連載の中でご紹介していきますね。
 

庭は、夕暮れと共に静けさが訪れます

庭は、夕暮れと共に静けさが訪れます。

庭作りは一人でコツコツ作り上げる地味な作業ですが、そこには家族が集まり、友人が集まり 自然の中で様々な発見や驚きがあって、私にとって心躍り満たされる世界になりました。

庭の形は年々変化して その時の自分に似合った形になっていくようです。

この庭で過ごす時間は、私にとって 心も身体も充電できる時です。

豊かな明るい陽ざし、鳥や虫たちの声、吹きわたる心地よい風……全てが私のエネルギーになります。

ゆったりと過ごすことで体に吹き込まれた庭への思いを、布を染め刺繍しミシンで縫ってタぺストリーに表現していくことは、私にとってはとても自然なことでした。

そして、この庭が繋いでくれた多くの人との出会い……それは私の宝物になりました。

1本のバラから始まった庭作り……

それがこんなに人生を豊かにしてくれるとは思いませんでした。

みなさんも1本のバラ……植えてみませんか。

 

次回はバラを育てる中で苦労したり失敗したことがいっぱいありますが、そんなお話をご紹介しようと思います。

奥野さんのブログ「Soleilの庭あそび…布あそび♪」はこちら
 


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奥野多佳子

1952(昭和27)年、兵庫県生まれ、大阪府在住のバラ愛好家。82年にタペストリー制作を始め、2000年に陶芸、04年に庭づくりを始める。豊中市美術協会会員。兵庫県立美術館で解説ボランティアに参加。ブログ「Soleilの庭あそび…布あそび♪」は人気です。

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