YASCORN(やすこーん)鉄道食べすぎひとり旅

青春18きっぷでのんびりお得に尾道へ!(前編)

YASCORN

大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、食べて食べて、また食べる鉄道旅の楽しさをご紹介します。今回の目的地は、広島! 夜行列車の「ムーンライトながら」に乗り込み、尾道に向かいます。しかも青春18きっぷを使いますよ!

【目次】
  1. 青春18きっぷなら、東京から尾道までは4500円程度で行ける!
  2. 昼過ぎに尾道駅に到着!おすすめのトレインビューホテル
  3. 絵になる尾道の街で食べ歩き
  4. ロープウェイで見晴らしのいい場所にある千光寺へ
  5. 話題の猫、尾道市立美術館のケンちゃん!?

青春18きっぷなら、東京から尾道までは4500円程度で行ける!

2018年冬、青春18きっぷを使用した観光列車の旅をご紹介しました。今回は、青春18きっぷで夜行列車「ムーンライトながら」に乗り、お得に関西方面へ向かう旅をします。

なんと私の地元駅(都内)から広島県の尾道駅まで、4550円で行くことができるのです。

18きっぷ、ムーンライトながらの指定券は事前に購入
青春18きっぷ「ムーンライトながら」の指定券は事前に購入

「ムーンライトながら」は東京駅を23時10分に発車し、岐阜県の大垣駅に朝5時45分に到着する臨時列車です。指定券は乗車日の1か月前から発売します。

青春18きっぷは1回分(1日分)が2370円。つまり使用した時から、日付が変わる0時を過ぎて最初に停車する駅で、その日分の効力が切れます。0時近くになると、車掌さんがきっぷのチェックに回ってきます。

私の地元駅から小田原駅までは通常通りのきっぷを買った方が安く済みますが、小田原駅まで2370円以上交通費がかかる方は、青春18きっぷをさらに1回分使った方がよいでしょう。

左からチキン弁当のからあげ、笠原流おつまみセット、カップ氷、赤ワイン
左からチキン弁当のからあげ、笠原流おつまみセット、カップ氷、赤ワイン

「ムーンライトながら」では車内販売はないので、乗車前に食べ物やお酒などは買っておきます。ワインはカップが付いているボトルタイプ、この時期ならカップ氷を買って、かち割りワインにして飲むのが好きです。お手洗い(和式)と洗面所(お湯も出る)は車両についています。

列車の中ではなるべく快適に過ごしたい)(4-2写真・いつもチョコミント味
(左)列車の中ではなるべく快適に過ごしたい(右)い​​つもチョコミント味

車内は冷房が入ってはいましたが、蒸し暑かったので、窓際に置いた携帯扇風機がすごく役に立ちました。夜行列車に必須なものは携帯スリッパ、耳栓、マスク。寒いときに羽織れるもの、まくら代わりにできるバスタオルなどもあると便利です。

列車は途中、浜松駅で15分ほど停車します。「確かこの駅にはアイスの自販機があったはず」と降りてみました。記憶は正しかった。そして真夜中の背徳感。夜行列車に乗ると、テンションが上がってしまい、なかなか寝付けません。

(5写真・姫路駅ホームにある立ち食いそば「まねきのえきそば」。駅弁も売っている)
姫路駅ホームにある立ち食いそば「まねきのえきそば」。駅弁も売っている

ウトウトしたかしないかで、夜行列車は定刻通りに大垣駅に到着。その後乗り換えて米原駅へ。そこからうまく接続できれば、新快速で一気に兵庫県の姫路駅まで行けます。姫路駅では次に乗る列車まで30分ほどあったので、おなじみの姫路名物えきそばを食べました。

定番の天ぷらえきそば
定番の天ぷらえきそば

実はこちらのえきそば、和風だしに中華麺という組み合わせ。不思議とこれが合うのです。この味のファンも多く、列車が到着してそのままなだれ込む方も多く見かけました。

上りホームのえきそば店がリニューアル
上りホームのえきそば店がリニューアル

向かいにある上りホーム店を見てびっくり! お店が車両風にリニューアルされていました。この日はまだ工事中でしたが、この記事が公開される頃にはオープンしているようです。

吉井川橋梁からの景色
吉井川橋梁からの景色

姫路駅ホームからは白鷺城と呼ばれる姫路城もよく見えます。いつか行きたいと思いつつ、再び列車に乗り込み、のんびりとした夏らしい景色を眺めながら尾道へと向かいます。

昼過ぎに尾道駅に到着!おすすめのトレインビューホテル

 

今年3月にお披露目された尾道駅新駅舎。アトリエ・ワン監修
今年3月にお披露目された尾道駅新駅舎。アトリエ・ワン監修

ようやく尾道駅に到着。この度、尾道駅は125年ぶりに建て替えられました。

以前は赤い屋根の平屋造りでしたが、新駅舎はホテルと店舗などが入った2階建て。瓦屋根の傾斜は後ろの山へと続き、目の前の尾道水道を見渡せる展望デッキなど、光を取り込んだ開放的で明るい駅舎に生まれ変わっていました。そしてこちらの2階に今日泊まる「m3 HOSTEL(エムスリーホステル)」があります。

尾道駅が3月にリニューアルされたのは知っていましたが、駅舎に泊まれることは調べて初めて知りました。こういう立地のホテルは全国を探してもなかなかありません。「部屋から列車が見えるに違いない!」とめちゃくちゃテンションが上がります。

ホステルロビー。椅子とテーブルには以前の尾道駅の梁だった木材を使用
ホステルロビー。椅子とテーブルには以前の尾道駅の梁だった木材を使用

改札横のエレベーターで2階に上がるとすぐにロビー。駅に泊まれるということで、私のような鉄道好きが多いのかと思ったら、サイクリストの方たちの利用が多い様子。ロビーの裏には自転車がそのまま立てかけられます。中まで持ち込めるのは安心ですね。

(11-1写真・プライベートルーム(ダブル)1階)(11-2写真・2階へははしごで
(左)プライベートルーム(ダブル)1階(右)2階には、はしごで

こちらのホステルは、2〜4名の部屋貸し。つまり、1人でダブルに泊まる場合も2名分の料金がかかります。そして窓からホームが見えるのは、ダブルルームの3部屋のみだそう。もちろん私はダブルルームを予約しました。こちらは鍵もかかります。

鍵は何か所かで使いますが、カードキーでタッチすれば開くのでスムーズです。

プライベートルーム(ダブル)2階
プライベートルーム(ダブル)2階


この部屋は窓から列車が通過していくのがよく見えます。夜に明かりをつけた状態でホームを眺めていると、ホームにいる人たちからの目線が集まるので注意です。

はしごでベッドに上がるのは、かつての寝台列車を思い出してワクワクします。

バンクベッドルーム1階部分)(13-2写真・コンパートメントは3階まである
(左)バンクベッドルーム1階部分(右)コンパートメントは3階まである


他、同じく個室タイプのツインと、バンクベッドルーム(最大2名)、コンパートメント(最大4名)という男女共用の部屋があります。

このホステルは構造上、小学生以下のお子様は宿泊できないそうです。

ラウンジの壁は駅舎を建て替えた際に出てきた古いレンガブロックを使用
ラウンジの壁は駅舎を建て替えた際に出てきた古いレンガブロックを使用


基本的に飲食は共用ラウンジで。共用の冷蔵庫や氷、飲料水、ポット、レンジなどもあります。シャワールームやお手洗いも共用ですが、数があるので不便さは感じません。

ラウンジからもホームが一望できる
ラウンジからもホームが一望できる


窓に飾られたガラス瓶は、かつてお茶を入れて販売されていた駅売のガラス茶瓶。大正11年から2年間しか作られなかったそうで、こちらも駅を取り壊した際に出土したとか。

絵になる尾道の街で食べ歩き

 

レモンイカ天の尾商巻き)(16-2写真・尾道らしい光景)
(左)レモンイカ天の尾商巻き(右)尾道らしい光景

そうそう、荷物だけ置いてすぐ街に出るつもりでした。ホテルが楽しくてつい探検してしまいました。尾道は夕方には閉まってしまう店舗が多いので、急ぎます。駅舎1階にある、おのまる商店の「せとうち巻き」を買って食べ歩き。尾道巻きは押し寿司風、尾商巻きはレモンイカ天とめんつゆがいいバランスです。

尾道本通り商店街)(17-2写真・コーン入りカレー風味お魚コロッケとお好み焼き天
(左)尾道本通り商店街(右)コーン入りカレー風味お魚コロッケとお好み焼き天

この日の気温は37度近く。あまりに暑いので、商店街を通って千光寺山ロープウェイを目指します。桂馬蒲鉾商店の蒲鉾は、店舗向かいの休憩所で、オーブンで焼いていただくことができます。急いでいるというのに、食べ物に関しては努力を惜しみません。

商店街の大和湯「ゆーゆー」は現在カフェになっている
商店街の大和湯「ゆーゆー」は現在カフェになっている

尾道はどこを撮っても絵になります。来るたびについ撮ってしまう古い建物や個性的な看板などを写真に収めつつ、ようやくロープウェイ乗り場に到着しました。

ロープウェイで見晴らしのいい場所にある千光寺へ

 

(19-写真・ロープウェイから見た景色)
ロープウェイから見た景色

尾道に来るのは確か5回目です。しかしこの尾道水道を見渡せる景色は、何度見ても飽きることがありません。季節や時間によって、見るたびに表情が違います。

​​​​​​​ロープウェイから見た千光寺本堂
ロープウェイから見た千光寺本堂

千光寺は806年に開基されました。お寺のある場所は標高140m、大宝山の中腹です。こうして見ると、すごい場所にお寺があるのがわかります。

尾道水道をいくガンツウ
尾道水道をいくガンツウ

本堂でお参りをすませた直後、尾道水道を進むガンツウを見つけました。ガンツウとは、瀬戸内海でゆったり過ごすための日本旅館風のクルーズ客船です。調べてみたら、シンプルなコースでも3日で100万円近く。見られただけでラッキーでした。

石鎚山鎖修行は鎖を伝って石鎚山に登る)(22-2写真・途中からの景色
(左)石鎚山鎖修行は鎖を伝って石鎚山に登る(右)途中からの景色

何度も来ている場所なので、新しいことをやってみたい、という気持ちになり、鎖修行に挑戦しました。しかし一眼レフカメラや荷物を抱えての修行はなかなか大変。途中やめたくなりましたが戻ることはできず。登れた! と思ったら、さらにまだ上がありました。

石槌山頂上からの眺め
石槌山頂上からの眺め

 

話題の猫、尾道市立美術館のケンちゃん!?

怖いので、とにかく下を見ないようにして登ります。そしてようやく頂上の祠までたどり着くことができました。振り向くと、祝福してくれているかのようにちょうど黄色い山陽本線が通りかかりました。見えないとわかっていても、列車に向かって手を振りました。

その後、展望台まで登り、あまりの暑さに買ったペットボトルを一気に空にしつつ、ベンチで汗が引くのを待ちました。耳をすますと、船の汽笛や列車の踏切音、学校のチャイムの音など、街の音が下から上がってきます。尾道にいるのだ、と実感するひと時です。

写真・コンクリートに残された猫の足跡)(25-2写真・わざわざ近づいてきた猫
(左)コンクリートに残された猫の足跡(右)わざわざ近づいてきた猫


さて、猫の細道という猫の足跡が残された道沿いに山を下るつもり……が、道に迷いました。しかし迷いこんだ道にも猫の足跡がたくさんありました。

道を進むと3匹の猫と目が合いました。うち2匹はピャッと逃げたのですが、1匹は好奇心旺盛で、わざわざ私の顔を見に近づいてきました。

人懐こい黒猫。ピンクの首輪をしていた
人懐こい黒猫。ピンクの首輪をしていた

さらに何匹かの猫に会いましたが、光明寺にいた黒猫も、私を見て近寄ってきました。

なでろ! とばかりにベンチに寝そべります。実は今回、尾道市立美術館の黒猫ケンちゃんに会えたらいいな、とも思っていました。最近メディアで警備員さんとの攻防の動画で話題になっている猫です。もしかしてこの子はケンちゃん……?

「からさわ」のアイスモナカとレモンスカッシュ
「からさわ」のアイスモナカとレモンスカッシュ

さて、下まで降りたら海方面へ。目的地は自家製アイスと喫茶のお店「からさわ」です。こちらのアイスモナカはサクサクの皮と自家製アイスが逸品。生口島のレモンを使ったレモンスカッシュがようやく喉の渇きをおさえてくれました。レモンが青いのは、今年獲ったばかりのものだからだそう。昨年獲ったものは黄色いそうです。

渡船の光景
渡船の光景

尾道といえば渡船。夕方、学生たちが自転車で島へと帰っていきます。時間があればレンタサイクルで向島に渡ってみたかったのですが、今度の楽しみにとっておきます。

尾道ラーメン食海で餃子セット
「尾道ラーメン食海」で餃子セット

海沿いの道を駅に向かって歩いていたら、ラーメン屋さんを見つけてこちらで夕食。

尾道ラーメンらしく背脂は浮いていましたが、味自体はあっさりめで食べやすかったです。尾道駅周辺ではここでしか飲めない向島の後藤鉱泉所のサイダーに心惹かれましたが、やはり最後はビールでしょう。この日の一杯は本当においしかった。

夜の尾道駅
夜の尾道駅

ようやく尾道駅に戻ってきました。夜は文字が青く光ってきれいです。長い1日でした。

1日めのルートはこちら!
1日めのルートはこちら!

東京〜尾道まではムーンライトながらだとまっすぐ行っても約14時間。新幹線を使うと約4時間。お金で時間を買うか、のんびり旅情を楽しむか。時と場合によって使い分けましょう。

次回も引き続き、青春18きっぷの旅をします!
後編はこちら「青春18きっぷでのんびりお得に尾道へ!(後編)

☆本記事に記載されている写真や本文の無断使用・ 無断転載を禁じます。また掲載情報は取材時点のものであり、最新の情報は施設等へお問い合わせください。

 

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駅弁・駅そばが好きな鉄道好き漫画家&文筆家。温泉ソムリエ。児童誌から鉄道誌まで幅広く活動中。著書に「おんな鉄道ひとり旅」(小学館・プチコミック増刊で連載中)、「メシ鉄!!!」電子書籍1〜3巻(集英社)他。「鉄道漫遊記」を東洋経済オンラインで連載中。HP: yascorn.com

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