菅沼薫さんに聞く、今の自分に合う美容法

(33)今年の日焼け止めの傾向と選び方のポイント

菅沼 薫

暖かい日が増えて間もなく初夏。紫外線が気になる季節がやってきます。そこで緊急企画。今回は、紫外線の賢い防ぎ方を菅沼薫さんに教えてもらいました。紫外線は何月が一番強いの? また今人気の日焼け止めの特徴も解説してもらいます。

2019年の日焼け止めの傾向
【目次】
  1. 紫外線の30%は日傘で防げる?!
  2. 「SPF50・PA++++」は必須、ではない
  3. 「汗、水に強い」「擦れに強い」は本当?
  4. 日焼け止めはクレンジングでしっかり落とす
  5. 日焼け止めは肌に合うものを選ぶ

紫外線の30%は日傘で防げる?!

花粉が落ち着いたと思ったら、今度は紫外線。ドラッグストアの店頭にもたくさんの日焼け止めが並んでいますね。これらを防ぐために日焼け止めが必須であることは言うまでもないのですが、今年は日傘の良さも見直してもらいたいと思います。

紫外線は、日差しによる直射と地面などで反射する散乱によって、肌を刺激しますが、日傘はこの直射を3分の1程度にまで防ぐことができると言われています。UVカット効果のある布地を使った日傘もたくさん販売されていますので、ぜひ活用してくださいね。
 

「SPF50・PA++++」は必須、ではない

肌を紫外線から守るために欠かせない日焼け止めですが、商品を選ぶときに気をつけたいのがSPFとPAの数値です。下の図のように、どのような環境にどのくらいいるのかによって、必要な数値が変わってきます。

日焼け止め
出典:日本化粧品工業連合HP

今売られている多くの日焼け止めが「SPF50+・PA++++」。規定量(皮膚1㎠あたり2mg)塗布すれば、皮膚が赤くなってヒリヒリするようなサンバーンと呼ばれるUV-B波による日焼けを約16時間まで防ぐことができ、肌老化の原因となるUV-A波を極めて高い効果で防ぐことのできる商品ばかりです。

以前の日焼け止めは、SPFとPAが高いほど肌への負担が大きい傾向にありましたが、化粧品の技術が進歩し、紫外線を防ぐ効果が高くても肌への負担を軽減できるようになりました。そのため、「SPF50+・PA++++」の商品が増えたのでしょう。

ですが、ここまで高い紫外線防止効果が本当に必要でしょうか?10時から14時までの間に1時間くらい直射日光の下にいるなら別ですが、日常生活においてここまでの効果は必要ないのでは?と私は思っています。

今は化粧下地やファンデーションのほとんどが、日焼け止め効果も兼ね備えていますし、紫外線の量は月によっても変わります。
 

1年間の紫外線量

つまり、必要なSPFとPAも時間や場所、月によって変わるということ。これから秋までずっと強力な日焼け止めを使う必要はないのです。SPFとPAは、必要な数値で十分。「SPF50+・PA++++」の商品が多いからといって、それが必須だと間違わないでくださいね。
 

「汗、水に強い」「擦れに強い」は本当?

「SPF50・PA++++」と同様に増えているのが「汗、水に強い」タイプ。いわゆるウォータープルーフ処方の日焼け止めです。どのくらい強いのだろう?と編集部で簡単に試してみました。
 
 

今年の日焼け止め

(1)「セリジエ 薬用美白UVジェルミルク」 50ml  3,714円/ハルメク
(2)「スキンアクアスーパーモイスチャージェル」110g 698円/ロート製薬
(3)「アリィー エクストラUV ジェル」90g  2,100円/カネボウ化粧品
(4)「アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク」60ml  3,000円/資生堂
(5)「スポーツ ビューティ サンプロテクト ミルク」60ml 2,400円/コーセー
(6)「ビオレ スキンプロテクト エッセンス」 70g ¥1,800/花王
(全てSPF50+・PA++++、価格は全て編集部調べ)


腕に日焼け止めを塗り、スプレーで水を数度吹きかけてみたところ、弾く弾く!

タオルで軽く押さえてみても、この効果は変わりませんでした。これなら多少汗をかいたり、雨で濡れても安心ですね。

同様に「擦れに強い」を試してみたところ、ゴシゴシこすらない限り、軽い布の摩擦で日焼け止めがとれてしまうことは、ありませんでした。これなら服の袖口や襟が擦れても、日焼け止めの塗り直しをしなくてすみそうです。日焼け止めは皮膚の上に膜をつくって紫外線が肌に侵入するのを防ぎ、この膜に様々な工夫を施すことで、汗や水、擦れに対する耐久性を生み出しています。

例えばコーセーの「スポーツ ビューティ サンプロテクト ミルク」は、肌に塗ることでイオンの力が強固な皮膜を形成して皮膚に密着する、独自の新技術を用いた今年の新商品。「ビオレ スキンプロテクト エッセンス」は、ミクロレベルで膜の隙間から紫外線が侵入するのを防ぎ、汗や擦れなどの過酷な環境にも耐える処方になっています。

この膜は、日焼け止めを適量塗ることで形成され、効果を発揮します。「日焼け止めをしたのに日焼けしてしまう」という声を聞きますが、そのほとんどの場合、塗る量が足りていません。適量を正確に測ることはできませんが、顔なら小豆6粒分を目安に塗ってくださいね。
 

日焼け止めはクレンジングでしっかり落とす

今年は「洗顔で簡単に落とせる」日焼け止めも増えています。水では落ちないけれど、洗顔料に含まれる界面活性剤で落ちるということなのでしょう。

ですが、私は洗顔だけでなく、クレンジングで落とすことをおすすめします。実際に洗顔料で落ちるか試してみましたが、日焼け止めをきちんと落とすには、かなりしっかりめの洗顔が必要でした。スキンケアの基本は、クレンジングです。肌に日焼け止めを残さないよう、「第6回 オススメのタイプ、正しいクレンジングとは?」を参考にやさしく、しっかり落とすようにしてください。
 

日焼け止めは肌に合うものを選ぶ

機能や効果にばかり注目しがちですが、日焼け止めを選ぶときに大切なのが、肌に合うことです。例えば紫外線吸収剤の入った商品は、紫外線を吸収するときに熱が生じるため、ほてりや熱さを感じたり、中にはヒリヒリしてしまう人もいます。普段は感じなくても、肌が敏感になっているときなどにトラブルを起こすこともあります。

また、つけ心地も日焼け止めを選ぶときの重要なポイントです。テクスチャーはミルクタイプから、ジェル、クリームなどさまざまで、これは好みが分かれるところです。新製品ではジェルタイプやシリコン系油剤などを使ったものが増えていて、ベタつきが少なくさらっとした使用感のものがほとんどです。塗ったときの肌の圧迫感も軽減されています。ですが、この感じ方には個人差があります。今回多くの商品を試しましたが、つけていることを忘れるような軽い付け心地のものから、しっかり肌を覆っている感じのものまでさまざまでした。こればかりは、実際に肌に塗ってみないとわかりません。

日焼け止めの種類が多すぎて、どれを選ぶか迷う人も多いと思いますが、サンプルをたくさん試して、自分に必要な効果があり、肌に合うものを見つけてくださいね。

次回は、スキンケア効果や下地効果のある日焼け止めについてお話しします。
 


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菅沼 薫

すがぬま・かおる ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、日本化粧品技術者会役員、日本香粧品学会評議員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

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