菅沼薫さんに聞く、今の自分に合う美容法(12)

無添加化粧品なら敏感肌でも安心、これ本当?

菅沼 薫
2018/10/24 13

無添加化粧品は肌に低刺激で安全、そう思い込んでいませんか? 第12回は、無添加化粧品の本当の意味を菅沼薫さんに教えてもらいました。化粧品で肌トラブルが起きやすいと感じる方は必読です。

【目次】
  1. 化粧品に配合されている原料成分は全て添加物
  2. 無添加化粧品で重要なのは「何が無添加なのか」
  3. 肌トラブルの原因になる成分を知るには?
  4. 化粧品が合うかは、肌で試して確かめる

化粧品に配合されている原料成分は全て添加物

無添加化粧品と聞くと、「刺激となる添加物が入っていないから肌によさそう」と思っている人が少なくないようです。ですが、ちょっと待って! 「無添加」とは、特定の添加物(※)が配合されていないだけ、添加物ゼロという意味ではありません。

また、無添加化粧品の定義は法律などで定められていません。そのため、特定の添加物が配合されていなければ、たとえ他の添加物が配合されていても無添加化粧品と表現できるのです。「無添加」の意味はメーカーによって違うようですが、無添加化粧品とは特定の成分(添加物)が配合されていない化粧品のことで、添加物ゼロの化粧品ではないことを知っておいてくださいね。

また、なぜか添加物(合成成分)は肌によくないと思っている人が多いようですが、それは誤解です。化粧品をつくるために配合されている原料成分は、水も油もすべて添加物です。

添加物の入っていない化粧品は存在しません。添加物が肌によくないとしたら、すべての化粧品が肌によくないことになってしまいます。

(※)主に、1980年に薬事法(現、医薬品医療機器等法)で商品へ表示を義務づけられた102種類の原料に香料を加えた合計103種類の「表示指定成分」。かつては敏感な人に皮膚刺激が現れやすい成分を表示するよう指定されていましたが、人によってアレルギーや刺激を感じる成分は異なること、また、指定されていない成分でも肌に合わないことがあるため、2001年4月からは化粧品に配合される全成分を表示することが義務付けられました。そのため、現在、表示指定成分という言い方はありません。

無添加化粧品で重要なのは「何が無添加なのか」

「今使っている無添加化粧品がすごく肌に合う」という人もいると思います。ですが、それは、無添加化粧品だから肌に合っているわけはありません。肌トラブルの原因となる成分が配合されていない、つまり、肌トラブルの原因となる成分が無添加の化粧品だから肌に合うと感じるのでしょう。

大事なのは、何が配合されていないか(何が無添加なのか)ということ。

無添加化粧品がすべての人の肌に合うとは限りませんし、すべての無添加化粧品が自分の肌に合うとも限らないのです。

肌トラブルの原因になる成分を知るには?

化粧品選びで大切なのは、今の自分の肌に合うものを選ぶこと。「40代の延長でスキンケアしていませんか」で、そうお話ししました。これは言い換えると、肌に合わない成分(添加物)が入っていない化粧品を選ぶ、ということにもなります。ですが、肌に合わない成分が何なのかって、自分ではわからないですよね? 

頻繁に特定の化粧品でアレルギーが起きたり、皮膚の状態が悪くなるなど、化粧品によって肌トラブルが起きやすいと感じる人は、皮膚科医に相談しましょう。

化粧品成分を用いてパッチテストを行い、特定のアレルギー原因となる成分を予測してもらうことができます。肌に合わない成分(添加物)が何なのかを把握することで、それらが配合されていない化粧品を選べるようになり、肌トラブルが解消されるはずです。

皮膚科に行くまでではなくても、たとえば香料やエタノールなどの苦手な成分がある場合は、パッケージなどの表示を参考に化粧品を選ぶとよいでしょう。無添加と謳っていなくても、「無香料」「エタノールフリー」「合成着色料不使用」のように、配合していない成分を表示している化粧品は多くあります。

自分の肌に負担のないと思われる成分については、あまり神経質にならなくてもいいでしょう。

また、商品によっては、「アレルギーテスト済み」等の表示がされているものもあります。 「アレルギーテスト済み」「皮膚刺激テスト済み」などの表記は、内容に科学的根拠があれば表示できます。ただし、それによる「すべての人にアレルギー、皮膚刺激が起こらないということではありません」などのデメリットも同程度の大きさで目立つように表記するきまりになっています。化粧品による肌トラブルが起きやすい人は、こちらも参考にするとよいでしょう。

化粧品が合うかは、肌で試して確かめる

表示を参考にといわれても、細かい成分表示を読みこなすのは大変ですよね。そこでまずは、パッケージに記されている特徴や成分を見て、「自分に合いそう」と思う化粧品を見つけてください。次に、サンプルをもらうか、お試し用のサイズのものを肌につけて試してみましょう。

いきなり顔につけるのではなく、腕の内側などの柔らかい部分につけてみることから始めてください。それで大丈夫だったら、顔につけてみる。一晩つけてみれば、合うか合わないかは概ねわかります。化粧品をつけて肌がムズムズしたり、ほてったり、赤くなったり、かゆくなったりしたら、すぐに洗い流してください。その化粧品が合わないという証拠です。

私自身も、お土産などで外国製の化粧品をいただくことがありますが、ちょっと不安に思ったら、まずは試してみてから使うようにしています。結局、化粧品の良し悪しや相性は、自分の肌で確かめるのが一番。無添加化粧品に限らず、化粧品を選ぶときは言葉やイメージだけ見て「大丈夫なはず、肌にいいはず」と思い込まず、自分の肌に聞いてみてくださいね。

次回は「無添加」と同様に、肌によいイメージを抱かれがちな「オーガニック化粧品」についてお伝えします。

次回(13)オーガニック化粧品だから「いい」は間違い

取材・文=田中優子

 

 


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菅沼 薫

すがぬま・かおる ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、日本化粧品技術者会役員、日本香粧品学会評議員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

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