菅沼薫さんに聞く、今の自分に合う美容法(6)

オススメのタイプ、正しいクレンジングとは?

公開日:2018.09.06

更新日:2018.09.12

すっかり定着した、メイク落とし(クレンジング)と洗顔(ウォッシュ)のW洗顔。ですが、それで本当に顔の汚れは落とせていますか? 第6回はメイク落としの選び方とクレンジング術を教えてもらいました。

「メイクと汚れを残さない」が、スキンケアの第一段階

猛暑だった今年の夏。「朝のメイクは、汗で夕方にはとれちゃっていたから」と、メイク落としと洗顔を一度で済ませていませんか?

「薄づきだから」と、そもそもメイク落としと洗顔を兼ねてしまっている人もいると聞きます。ですが、メイク落としと洗顔は別物。

メイクをしたなら、メイク落としと洗顔は別にすべきです。肌にのせたファンデーションは、一見とれたようでも毛穴に入り込んでいて、肌に残っています。また、ファンデーションなどの油分や粉は、弱酸性の洗顔料では落としきれません。

肌に残った化粧品の汚れは、毛穴を詰まらせたり、汗などと混ざって変質して、肌トラブルの原因になることも。そのため、肌にのせた化粧品は、化粧品を取る成分の入ったもので落とす必要があるのです。

メイク汚れが残っていると、その後につけるスキンケア化粧品の浸透の妨げにもなります。正しいスキンケアの第一段階は、しっかりメイクを落とすこと。忘れないでくださいね。

メイク落とし(クレンジング剤)を選ぶポイント

メイク落としは、メイクになじむことで、メイクを肌から浮き上がらせます。このなじみ具合はオイルやクリームなどのメイク落としのタイプによって異なり、肌への負担も変わってきます。肌によって合うタイプが異なるうえに、使用感にも好みがあるので、同じブランドから数種類の商品が発売されていることも。

例えばKANEBOでは、素早くすっきり落とせるオイルタイプ、肌の汚れや軽いメイクを落とせるトナータイプ、なめらかに伸びて気持ちよくメイクオフできるクリームタイプが発売されています。香りもよく、心地よくメイクを落とせて、気持ちもリラックスできます。

カネボウ化粧落とし

左から、KANEBO メロウ リッチ オイル クレンジング 180ml 3000円、同 クリア クレンジング トナー 180ml 3000円、同 ソフニング クリーム クレンジング 120ml 3000円(すべて税抜/カネボウ インターナショナル Div. 0120-518-520)

どのタイプのメイク落としを選んでいいかわからない人は、次のタイプ別の特徴を参考に、自分に合うものを探してみてください。カウンターでビューティーアドバイサーに相談するのもおすすめ。自分の今の肌に合うものが見つかるはずです。


オイルタイプは素早く落ちるが、雑になったり肌の負担になることも

オイルタイプはメイクに素早くなじみ、手早くしっかりメイクを落とすことができます。ですが、「なじみがよい」という思い込みからか、オイルをさっと塗っただけで洗い流してしまう人も。これだと、時短になっているようでメイクは落ちていません(笑)。しっかりなじませることをお忘れなく。

「オイルタイプだと洗い上がりの肌がつっぱる」という声を聞きますが、そのつっぱり感こそが肌の乾燥。オイルタイプは透明液なので、すべてがオイルでできているように見えますが、オイルのべたべたを洗い流しやすいように界面活性剤が多く配合されているものがあります。クレンジング後のすすぎをしっかりしないと、活性剤成分が残って肌を荒らしたり乾燥させます。もちろんその後洗顔料でW洗顔しますが、間のすすぎも大事なのです。

そのため、「乾燥が気になるけどオイル派」という人は、成分に注目して商品を選ぶことと、しっかりすすぐことを意識するとよいでしょう。

拭き取りタイプは、肌のこすり過ぎに注意

シートやトナーなどの拭き取りタイプは、流水のない場所でも使えて便利。ですが、拭き取るときに肌をこすってしまうことも。やさしくなでるように使いましょう。特に目もとは皮膚が薄いので、落ちにくいマスカラやアイメイクなどを拭き取るときは要注意。しっかりメイクを落とそうと思うと、ついつい力が入ってしまうので、薄づきのメイクや肌汚れを落とすときに使うのをおすすめします。

年齢肌には一手間かけても肌に負担の少ないクリームタイプがおすすめ
皮脂が多く出ない年齢肌には、皮脂を奪いにくく肌に負担の少ないクリームタイプがおすすめです。クリームタイプは、オイルに比べてメイクになじませる手間と時間がかかります。といっても、わずか数分。手間と考えず、肌を労わる気持ちでやさしく丁寧になじませましょう。

私が愛用しているのも洗い流すクリームタイプ。コスパもよくて助かっています(笑)

ポンズ 洗い流すコールドクリーム

ポンズ エイジビューティー  洗い流すコールドクリーム 270g オープン価格 (ユニリーバ・ジャパン ポンズ インスティテュート 0120-500-076)

メイクをキレイに落とすコツ

メイクをキレイに落とすコツは、毛穴に入り込んだ汚れをしっかり浮き上がらせること。そのためには、メイク落としとメイクの油をしっかりなじませる必要があります。このとき思い出して欲しいのが、第3回でお話した指の圧。

メイク落としを顔に伸ばしたら、軽い力でくるくる円を描くように指を滑らせます。

汚れを押し出そうと肌をこすったりせず、肌を小鳥の背中をなでるようにやさしいタッチで指を滑らせてください。クリームタイプの場合は、クリームが透明になり、指の滑りが軽くなったと感じたら、汚れが浮き上がった合図。そのあとは、ぬるま湯でしっかり洗い流してください。

メイク落とし


疲れていると、ついついおざなりになりがちなメイク落とし。ですが、キレイに落とすことが美肌維持の第一歩。そして、この後の洗顔こそが、スキンケアの要です。

次回、(7)泡は乗せるだけじゃダメ!おすすめの洗顔方法

 

取材・文=田中優子


菅沼薫の美容講座」トップへ

メイク落とし、クレンジングについての関連記事はこちら

フケの原因!トリートメントは頭皮につけないで

シワを増やさないクレンジングの見極め方とは?

肌のくすみ対策にも!年齢肌の簡単保湿ケア

菅沼 薫

ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、化粧品成分検定協会理事、日本香粧品学会学術委員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

いまあなたにおすすめ