浮き出た血管、むくみ、だるさは脚のサイン

下肢静脈瘤はどんな病気?セルフチェックをしてみよう

雑誌「ハルメク」
2019/04/01 24

「脚の血管が浮き出て、見た目が気になる」「夕方になると脚がむくんでだるい」……その原因は「下肢静脈瘤」かも? 脚の静脈が正常に働かなくなることで発症し、放置しておくと確実に悪化します。しかし対処法を正しく知れば、自分で進行を防ぎ治せます。

下肢静脈瘤は自分で防げる&治せる
【目次】
  1. 心当たりはありませんか?下肢静脈瘤の危険度チェック
  2. 下肢静脈瘤は、どんな病気?
  3. 下肢静脈瘤のセルフチェック
  4. 下肢静脈瘤の4つのタイプ
  5. 症状が出ていても、落ち込まずに対処を

心当たりはありませんか?下肢静脈瘤の危険度チェック

□脚がむくむ、ときどきかゆい
□こむら返りがよく起こる
□脚が重だるく、疲れやすい
□長時間立ち続けるか、
□座りっぱなしでいることが多い
□妊娠・出産を経験している
□運動をする習慣がない
□お風呂は、シャワーで済ませることが多い

これに当てはまる項目が多いほど、下肢静脈瘤を発症する可能性が高まります。たくさん当てはまる人は、すでに症状が進んでいる可能性も……。今はまだ症状がない人も、このままの状態が続くと発症するかもしれないので要注意です。

下肢静脈瘤は、どんな病気?

下肢静脈瘤は、50歳以上で約6割がなる血管の病気。正しく知れば怖くありません

下肢静脈瘤とは、脚の静脈に血液がたまり、コブや模様のように浮き出てくる病気です。見た目の変化ばかりでなく、脚のむくみや重だるさ、こむら返り(脚がつる)などが起こることもあります。50歳以上で約6割、70歳以上になると10人いれば7人以上が患っている(下のグラフ参照)、ごく一般的な病気です。

(※出典:脈管学,1989;28:415-420)

「脚の違和感に気付いていても、『歳のせいだろう』『自分の脚はこんなものだろう』などと勝手に思い込み、何年も放置して症状を悪化させてしまう人が少なくありません」こう指摘するのは、慶友会つくば血管センターのセンター長、岩井武尚(いわい・たけひさ)さんです。

では、下肢静脈瘤はなぜ起こるのでしょう? 私たちの体内で、血液は心臓から動脈を通って体のすみずみに届き、そこから静脈を通って心臓に戻ります。脚の静脈は、心臓から最も遠く、重力に逆らいながら心臓に血液を戻さなければなりません。そこで、血液が足先の方に逆流するのを防いでいるのが、静脈内にある「弁」です。

「この弁が壊れてしまうと、血液が逆流して血管内にたまり、静脈を押し広げます。その結果、血管が太く曲がりくねったり、こぶのように浮き出てきたりするのです(下図参照)」と岩井さん。弁が壊れる理由は、はっきりとわかっていませんが、「歯周病を引き起こす細菌などが血液に入り込み、静脈の弁に付着して壊してしまうのではないかと考えられる」と話します。

下肢静脈瘤の発生
下肢静脈瘤の発生

血液が足先に戻るのを防ぐ「弁」が壊れると、逆流した血液が血管内にたまって静脈が太くなり、さらに太くなるとヘビのようにくねくね曲がった状態になります。 

下肢静脈瘤のセルフチェック

まずは自分の脚を鏡でよく見てみましょう

下肢静脈瘤のセルフチェック

鏡の前に後ろ向きに立ち、振り返りながら太ももから足首までを自分の目で見てみましょう。下のイラストの1~5のパーツごとに異変がないかをしっかり確認してください。


Check 1 ひざの裏側

 Check 1 ひざの裏側
2~3㎜の血管が網目のように透けて見える網目状静脈瘤が現れやすい。

Check 2 くるぶしの内側の側面

3~4㎜の血管がぼこぼこと浮き出る伏在静脈瘤や分枝静脈瘤が現れやすい。
3~4㎜の血管がぼこぼこと浮き出る伏在静脈瘤や分枝静脈瘤が現れやすい。

Check 3 ふくらはぎの内側
 

3~4㎜の血管がぼこぼこと浮き出る伏在静脈瘤や分枝静脈瘤が現れやすい。
3~4㎜の血管がぼこぼこと浮き出る伏在静脈瘤や分枝静脈瘤が現れやすい。

Check 4 太ももの内側
 

3~4㎜の血管がぼこぼこと浮き出る伏在静脈瘤や分枝静脈瘤が現れやすい。
3~4㎜の血管がぼこぼこと浮き出る伏在静脈瘤や分枝静脈瘤が現れやすい。

Check 5 脚の外側
 

細い血管がクモの巣のように透けて見えるクモの巣状静脈瘤が現れやすい。
細い血管がクモの巣のように透けて見えるクモの巣状静脈瘤が現れやすい。

 

下肢静脈瘤の4つのタイプ

クモの巣状静脈瘤
クモの巣状静脈瘤

赤い糸のように細い血管が浮き出る。皮膚の中にある細い毛細血管にできる静脈瘤。加齢とともに増えるが、これが進行して重篤な静脈瘤になることはない。

網目状静脈瘤
網目状静脈瘤

太さ2~3㎜の青い血管が網目のように浮き出る。若い人のひざ裏でも見られることが多く、自覚症状の少ない静脈瘤。

 

分枝静脈瘤
分枝静脈瘤

血管の一部がぼこっと浮き出る。伏在静脈から枝分かれした2~3㎜の静脈「分枝静脈」にできる静脈瘤。

 

伏在静脈瘤
伏在静脈瘤

血管がぼこぼことうねるように浮き出る。ひざ下の内側に蛇行した大きな瘤が見られる「大伏在静脈瘤」と、ひざ裏の弁が壊れてふくらはぎに瘤が目立つ「小伏在静脈瘤」に分けられる。進行すると手術が必要。

症状が出ていても、落ち込まずに対処を

 脚の主な静脈  下肢静脈瘤は皮膚のすぐ下を流れる2つの表在静脈に起こり、深部静脈には起こりません。
脚の主な静脈 

下肢静脈瘤は皮膚のすぐ下を流れる2つの表在静脈に起こり、深部静脈には起こりません。

下肢静脈瘤が起こるのは、皮膚のすぐ下を流れる「表在静脈」です。「自分の脚の裏側や側面を見る機会はあまりないので、鏡を使ってじっくり観察してほしい」と岩井さん。上の症例写真も参考にしてください。

「もし症状が出ていても、落ち込む必要はありません。ほとんどの場合、自分で治すことができます。ただし、自分で治せても、勝手に治ることはないので、しっかり対処しましょう」と岩井さん。

次回は、下肢静脈瘤を予防・改善するセルフケアの方法をご紹介します。

自分で治す&防ぐ、下肢静脈瘤5つのケア

下肢静脈瘤の原因になる生活習慣、病院での治療法

 

慶友会つくば血管センター長 岩井武尚(いわい・たけひさ)さん

慶友会つくば血管センター長
岩井武尚(いわい・たけひさ)さん
1942(昭和17)年生まれ。東京医科歯科大学卒業後、73年から米国留学。帰国後、東京医科歯科大学外科教授、血管外科診療科長、同大大学院教授を経て退職。2007年から現職。著書に『下肢静脈瘤・むくみは自分で治せる!』(学研プラス刊)。

 

取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部)、イラストレーション=もりあやこ

※この記事は、「ハルメク」2018年3月号健康特集「自分で防す&治ぐ『下肢静脈瘤』」を再編集しています。


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