
今、レンズを薄いカラーにするのがおしゃれ
50代女性の紫外線対策は、メガネのレンズを「カラーレンズ」にするのがおすすめ!おしゃれ&機能的に、カラーレンズを選ぶコツを紹介します。
公開日:2025年04月29日
死を見つめたら、人生後半はもっと自由になる
50代は、親の死だけでなく自分の死についてもリアルに感じ始める年代。終活スナック「めめんともり」のママ・村田ますみさんの著書『ちょっと死について考えてみたら怖くなかった』から、「死」を気軽に語り合い理解を深め、最期までよりよく生きるヒントをご紹介します。
むらた・ますみ 1973年東京生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。IT業界、生花流通業界を経たのち、亡き母を散骨したことをきっかけに 2007年 株式会社ハウスボートクラブを起業。2024年2月、死についてオープンに語り合えるサードプレイス「終活スナックめめんともり」を東京都江東区森下に、2025年2月には2号店となる沖縄店をオープン。 著書に『ちょっと死について考えてみたら怖くなかった』(ブックダム刊)。
死について気軽に語れる場として終活スナック「めめんともり」をオープンさせたのが2024年2月のこと。店名の「めめんともり」はラテン語で「死を忘れるな」という意味です。
私はそこで「ママ」をしながら、お客様とお話ししたり、ワークショップを開催したりしています。
死は誰にでも等しく、100%訪れます。だからこそ、もっと気軽に、堅苦しくなく、自分の人生のゴールを考えていくことが必要だと思うのです。
ふらりと入ったスナックで、「あなたの死生観は?」なんて聞かれたら、ちょっとびっくりしてしまうかもしれません。
でも、お酒を飲みながら、リラックスして「死ぬこと」や「生きること」について考えてみるというのも悪くないんですよ。
めめんともりのカウンターの後ろには「What's your ideal end of life?(あなたの理想の人生の最期は?)」と書いたボードを置いています。
そこに貼られているのは、色とりどりの付箋。これが死について考えるツールなのです。
めめんともりでは、お客様に自分の「理想の死」について自由に1枚の付箋に書いていただいています。書き方のルールは何もありません。
机に向かって、大真面目に「自分の理想の死とは」なんて考えても、なかなか思い浮かばないもの。だから、お酒を片手に、友達としゃべりながら妄想するみたいに気軽に考えて書いていくのもいいと思うんです。
たくさんの「理想の死」が書かれた付箋を眺めていると、「死」とひと言でいっても、捉え方は人それぞれですし、こんなにも多様な「死」があって、私たちはそれを選ぶことができるのだと実感します。例えば、
「日本全国から仲間が集まって、みんなで思い出話をしてくれたら最高」
「大切な人から、今までありがとう、と言われて逝く」
などと書く人もいれば、
「自分が決めて生きてきた人生、誰にも何も言われず静かに眠りたい」
「山の中で一人静かにいくよ~」
「枯れるようにさようなら」
などと書く人もいます。
めめんともりでよく話題にのぼるテーマでもありますが、自分が死ぬときにできるだけたくさんの人に「ありがとう」と言われながら見送られたいか、猫のようにパッといなくなって一人で死にたいか。
死ぬ瞬間一つとっても、人によっていろいろな考え方があるんですよね。
ひと昔前なら、お葬式は盛大な方がよいとされていたかもしれませんが、今はお葬式やお墓などに関してもいろいろな価値観を持つことが当たり前になっています。
「死生観」というのは、その言葉の通り「死」だけではなく、生きることに対する価値観でもあります。自分らしい死に方に思いを巡らせることは、自分らしい生き方にも目を向けることになるのではないでしょうか。
毎日忙しく日常を過ごしている中で、ちょっと立ち止まって、普段考えない「死」について考えてみる。自分のゴールから人生を俯瞰して見てみると、身近な人への感謝や、自分がこれからやりたいことなどが見えてくることもあります。
「最後の晩餐」も、めめんともりでは鉄板のテーマです。付箋に、
「最後の晩餐は納豆ご飯、わかめと豆腐の味噌汁、にんにくのしょうゆ漬け。おいしく食べて逝きたいな」
「最後のdinnerはお寿司とカラアゲ!」
「白ご飯とおみそ汁、おしんこを食べて死にたい」
などと書いた人もいます。
めめんともりで行っている「入棺体験」のワークショップでも、参加者が「最後の晩餐」を考える時間を設けていますが、「食事」という身近な話題から死を考えると、少ししんみりしていた空気もふわっと軽くなるような気がしています。
今までに出た答えで最も多いのがなんと「卵かけご飯」。
そういえば、これまでで一人だけ「何も食べたくない」と言った人もいました。人生の最後なんだから胃を空っぽにして死にたいというのです。深いですよね。
死についてはまだ考えられない、イメージが湧かないという人は、「最後に何を食べたいか」をきっかけにしてみるのもよいのではないでしょうか。
友達どうしでめめんともりに来ている人も、「最後の晩餐」をきっかけに、自分の死生観について話し合うとすごく盛り上がります。
誰でもいつかは死ぬ。確率は100%。
宝くじに当たる確率よりも、推しのコンサートに当たる確率よりもはるかに高いんです。
だからこそ、死について考えることには意味があり、「そこに自分らしさを求めるのは自然なこと」といえるでしょう。
気が付けば2つあったボードもいっぱいになり、壁や柱まで埋め尽くされた、たくさんの人の「理想の死に方」
書いた人の数だけ増えていく付箋ですから、完成形というのはありません。私も眺めているといつも新たな発見があり、共感するものも変わっていくのが不思議です。
どんなことにも言えると思いますが、その時に自分が置かれている状況や、気分によっても考え方は変わります。だから、自分の最後について何度でも考えてみてもよいと思います。
私たちは、未来を考えるときに「いつまでに○○を実現したい。そのためには、○○をしなければいけない、そのためには……」と考えるのが当たり前のようになっているのではないでしょうか。
でも、いくら自分の理想の死を掲げたところで、それが叶えられるかどうかはわかりません。どんなに努力しても理想の死は、理想でしかないのです。
だから付箋はあくまできっかけ作り。普段、死が遠くにある人も自分のゴールについて考えたり、周りの人と話したりすることのきっかけになればいいなと思っています。
あなたは付箋にどんな死を描きますか?
次回の記事では、「死に対するイメージが変わる対談~生前葬のすすめ」を紹介していきます。
※本記事は、書籍『ちょっと死について考えてみたら怖くなかった』より一部抜粋して構成しています。
■「50代から探す、私らしい“最期”の迎え方」をもっと読む■
#1:「終活スナック」で見つけた自分らしい死生観
#2: 50歳で生前葬をして気付いた「本当の私」
#3: 有機還元葬?ポップに死を考える
#4:遺された人を困らせない終活“3つの鍵”
『ちょっと死について考えてみたら怖くなかった』(ブックダム刊)
終活スナック めめんともり。一風変わったスナックのママとして、カウンターに立つ村田ますみさんがつづる初のライトエッセイ。理想の最期について考えるヒント、入棺体験を通じた「生まれ変わり」のプロセス、終活の実践的なアドバイスまで、いずれ死を迎えるすべての世代に向けて語ります。
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