
自分の尿モレタイプはどれ?
たまに尿モレがあっても、だましだまし過ごされている方も多いのでは? けれど一口に尿モレと言っても症状によってタイプはさまざま。そこで自身の尿モレのタイプがわかる簡易診断チャートをご紹介!
公開日:2022年09月27日
山本ふみこさんのエッセー講座 第8期第1回
随筆家の山本ふみこさんを講師に迎えて開催するハルメクのエッセー講座。教室コース第8期がスタートしました!参加者の作品から、山本さんが選んだエッセーをご紹介します。第1回のテーマは「決める」。海瀬和美さんの作品「うーん」と山本さんの講評です。
出会って半年で結婚した。
三十近くなった私を心配した友人のお母さんが夫を紹介してくれた。
夫は4人きょうだいの末っ子で、高校を卒業後大学、就職と、ずっと東京で暮らしていたので、これまた心配した叔母に「ちょっと甲府に帰って来て」といわれ、私と会うことになったようだ。
カーナビのない時代、夫は兄に地図を描いてもらい、昇仙峡までドライブすることになったが、紅葉の季節で渋滞に巻きこまれ、車は前に進めない。
人から「はっきりものをいう」とか、「挑戦的なものいいをする」といわれていた私は、おとなしく黙っていようと思ったが、ついこう言ってしまった。
「どうしても、昇仙峡に行きたいのですか。こんなに混んでいるのですから、やめませんか。」
「他に行くところを知らないので、イライラしていました。はっきりいってもらってよかった。やめましょう」
夫は言い、空き地でユーターンして、ぶどう畑の見える丘の公園をさがしあてる。ここで仕事のことなどいろいろ話をした。
東京と甲府、夫が寝坊して1時間も待たされたり(携帯電話もない時代だった)、急に仕事が入り会えなくなったりといろいろあり、突然夫が言ったのだ。
「結婚してしまいましょう」
出会ってから半年で決めてしまった。
お互い知らないことが多かったので、驚いたり、発見したりしながら40年近くなんとか過ごしてきた。
二人で暮らすようになり、外食すると夫はなかなかメニューを決められない。店員さんが聞きにきても「ちょっと待って下さい」と、いつも迷っている。
私はすぐに決めてしまうほうなのでイライラ。
「結婚をあんなに早く決める人だから、決断力がある人だと思っていたのに、なんで食べるものにそんなに迷うの?直感で決めて失敗しなかったのだから、これと決めてしまって大丈夫よ。絶対おいしいから」
夫は「うーん」
ごく身近な人のことを描く。思い出をつづる。これはどちらも難しいのです。見たままを、思い出すことをそのまま書いたって何も伝わりません。 人物評を書いたっておもしろくありません。
「うーん」はどうでしょう。
台詞から、情景から、ひとの佇まいからいろいろなことが伝わります。何がどんなふうに起きたかをいうことより、「結婚してしまいましょう」というひと言やぶどう畑の見える丘の公園なんていう名前が効くのです。
若い二人が、どんな装いであったか、記すると、ぐっと人物像が際立ち、読み手と書き手の距離が近くなりますよ。
随筆家の山本ふみこさんにエッセーの書き方を教わる人気の講座です。
参加者は半年間、月に一度、東京の会場に集い、仲間と共に学びます。月1本のペースで書いたエッセーに、山本さんから添削やアドバイスを受けられます。
2022年9月現在、第8期の講座を開講しています。次回の参加者の募集は2022年12月を予定しています。
詳しくは雑誌「ハルメク」2023年1月号の誌上とwebサイト「ハルメク365」内の『イベント予約』でご案内します。
■エッセー作品一覧■
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