50代からの女性のための人生相談・82

人生相談:夫婦の会話なし…他に好きな人を探すべき?

岡野あつこ
回答者
夫婦問題研究家
岡野あつこ

公開日:2022.06.27

更新日:2024.01.24

「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は55歳女性の「夫婦の会話がなく仲もよくないけれど、夫の他に好きな人を探すべき?」というお悩みに、夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさんが回答します。

55歳女性の「夫の他に好きな人を探すべき?」というお悩み

我が家には子どもがいません。夫婦仲もよくなくて、あまり会話がなく、一緒に出掛けることはまずありせん。

このままだと老後が寂しい気がしています。一緒にいて「楽しい」とか「好き」とか思える人を探すべきでしょうか?

(55歳女性・けいこまりさん)

岡野さんの回答:夫婦関係を見直してみることが大切

夫婦問題カウンセラーの岡野あつこです。

55歳は今の時代は人生の折り返し地点。まだまだ楽しめる時間はたっぷりあります。

子どものいない早いうちの離婚や、子どもが大きくなったら離婚という人も少なくない時代です。けいこまりさんご夫婦の場合、お子さんもいなくて、ここまで結婚生活を共にしてきたのは、お互いの努力もあったと思いますし、夫婦としての縁もあったのでしょう。

​​​​夫婦関係を見直してみることが大切

けいこまりさんの相談では離婚原因になるようなことは書いていないので、浮気もDVもモラハラも借金グセもなく、人から見ると真面目でいい夫なのだと思います。

そんな夫ほど、当たり前の存在に思えてしまうのではないでしょうか。そして今までは自分の選んだ人生だし、そんなもんよねと、自分に言い聞かせたり、諦めたり……

でも実は、50代って我慢してきたからこそ「本当に好きな人とワクワクドキドキしたい」「まだ私諦めちゃいけないかも~」なんて気持ちが沸き上がってくるものです。

多分お二人とも現役で働いてるのでしょうが、来たる夫の定年(自分の定年)を迎えた際にどうするかも含めて、もう一度夫婦関係を見直してみる必要がありそうです。

リフレーミング効果で夫のいいところを見つけて

リフレーミング効果で“夫のいいところ”を見つけて

将来の寂しさを予測して、今から好きな人を作って気持ちに余裕を持たせたいのもわかります。今が楽しくないなら新しい世界にチャレンジしてみたい気持ちも悪い考えではありません。友人たちに相談すれば「そうよ、男なんていっぱいいるからいい人見つかるわよ」なんて背中を押してくれる人もいると思います。

でも現実は55歳の女性を魅力的に思ってくれるのは15~20歳上の男性で、同じ年代の人は自分より若い女性を求めています。

だからと言って年下に走ると「お金もなくて……」という不平不満につながります。

女性からモテるような経済力があって優しくて、楽しい話題をもっていて……けいこまりさんがいいなと思うような人は、もう他の誰かがゲットしていて妻帯者になってることが多く、不倫になりかねません。

夢のないことばかり伝えてガッカリしてしまったかもしれませんが、現実はそんなものです。

新しい恋愛に飛びつきたい気持ちはわかります。青い鳥を探しに行けば行くほど、いないことにがっかりして、よくみれば“足元にいた”みたいなことが起こりがちです。

リフレーミング効果

リフレーミング効果という言葉をご存じですか?同じ物事でも、枠(フレーム)を変えることにより見え方が変わるという効果です。

「夫に楽しい、好きという気持ちがない」「これでは将来も仲良くできそうもない!」と決めつけるのではなく、考え方、見方をいい方向に変えて、“この夫のいいところ”に目を向けると、同じ夫でも実は魅力的な夫に見えるものです。

時間を作って、これまでの人生を一緒に乗り越えてきたことを語り合い、称賛し合って、これからのことを話し合ってみましょう。そうすれば、楽しいと思える機会も作れますし、そこから「この夫を好きだな」と思えることも出てくると思いますし、そうなるような努力をしたらいいと思います。

災害や事故、病気など、明日何かが起こって

災害や事故、病気など、明日何かが起こって離ればなれになってしまう……なんてことが起こったとしたら、後悔することはありませんか?

「もっと気持ちを伝えとけばよかった」「もっとこうしてあげとけば良かった」想像すればいろんな想いが頭をよぎりませんか?

これまで事故もなく、無事に暮らしてこれたのですから、その原点に立ち戻り、あなたの寂しい気持ちやこれからの願いを正直に伝え、今後の人生プランを一緒に作りあげてみてください。

恋愛対象の男性ではない“好きな人”をいっぱい作って

恋愛対象の男性ではない“好きな人”をいっぱい作って

他に好きな人を作るべきかについては、好きな人は恋愛対象の男の人に限ったことではありません。アイドルだっていい、女友達だっていい、これから伸びる若い後輩社員たちでもいい。

とにかくあなたを楽しく元気にさせてくれるような存在だったら、その楽しさでの“好きな 人”をいっぱい作ってください。

回答者プロフィール:岡野あつこさん

岡野あつこさん

おかの・あつこ 夫婦問題研究家、公認心理師。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)、電子書籍『離婚診断』(アデル出版)がある。

離婚相談救急隊運営
・「離婚診断士(R)養成オンライン講座」開講
・YouTube「岡野あつこチャンネル


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