59歳女性の「夫に裏切られた」というお悩み

夫との信頼関係が崩れました。とても不愉快な気持ちになりました。

離婚しようと思った時期もありましたが、そこまで踏み切るほどイヤになったわけではないという気持ちに気付き、現在に至っています。

結婚を継続するなら、夫婦関係を再構築して、良好な関係を築きたいと思います。どうすればよいでしょうか？

（59歳女性）

岡野あつこさんの回答：考え方を変えて夫婦関係の修復を

 こんにちは、夫婦問題カウンセラーの岡野あつこです。

59歳のあなたには、結婚してから今日まで、夫婦で喜んだことや乗り越えてきた思い出が数多くあると思います。そんな中で夫に裏切られ、関係が崩れたとのこと。きっと毎日が不安で苦しい胸の内だったでしょう。

長く信頼を寄せていたからこそ、裏切られていたと知ることで、悔しさや腹立たしさ、空しさやるせなさなど、ネガティブオンパレードな気持ちになってしまうのは無理のないことです。

不倫されたり、借金で嘘をつかれてたりなど、裏切りは往々にして発覚するものです。でも、騒いでも怒っても解決になりませんし、あなたの心の痛手が癒えるわけでもありません。

幸い、あなたの場合は「離婚するほどご主人のことをイヤではないと気付いた」ということですから、モノの考え方を変えるだけで修復は十分可能です。修復の方法（良好な関係の築き方）を考えていきましょう。

無理に消そうとしなくていい、「横に置く」ことが大切

人は一度裏切られると猜疑心が強くなってなかなか不安が克服できません。そういう方には、一旦不安を「横に置く」、心の扉にしまっておくことが大切です。

無理に消そうとしなくてもいいのです。というより、無理に消そうとすると、感情とのギャップで余計に思い起こされてしまいます。

「横に置く」ことがとても大切。それをいちいち引っ張り出さず、過去の出来事としてしまっておく、そのことによって「今は忘れる、今だけはなかったことにする！」と思い込んで自分の気持ちをリセットします。

頭と心を裏切りのない状態にしてから、夫婦関係を再スタートさせるのです。

不快な気持ちをしまって、ゼロから夫婦関係の再構築を！

コツは、出会ったときのことを思い出して「この結婚には意味がある」「この人と育んだ結婚生活は学ぶことが多かった」と、良くも悪くもそういう気持ちでこれからの結婚生活を育んでみようと試みること。

良好な関係を築くときに過去のトラウマや嫌な思い出、恨み・つらみを抱えていると、相手にも伝わってしまい、相手もどうしていいかわからなくなります。

良好な関係は本来、お互いの信頼のもとに生まれるものですから、裏切られたという不快な気持ちを、いったんしまって、ゼロベースでスタートするのが大切です。

逆に「ここで気付いてよかった」と、信頼をあえて大きく膨らますことで、過去の裏切りを覆い被すこともできます。

実際、これらを体験してみることで自分自身が成長し、ちょっとした自信が生まれます。その自信こそが、改めて信頼回復を試みようという意欲につながり、相手にも受け取ってもらえます。ぜひやってみてください。

回答者プロフィール：岡野あつこさん

おかの・あつこ　夫婦問題研究家、公認心理師。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』（サンマーク出版）がある。

・離婚相談救急隊運営
・「離婚診断士(R)養成オンライン講座」開講
・YouTube「岡野あつこチャンネル」

構成：竹下沙弥香（ハルメクWEB）

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