公開日:2021/02/28
「50代からの女性のための人生相談」は、専門家の方に読者のお悩みにお答えいただくQ&A連載。今回は、52歳女性の「コロナ禍で夫と今すぐ離婚したい!」というお悩みに、夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさんが回答します。
この春、娘が大学に入学し、子育てもひと段落します。夫はコロナ渦でリモートワークです。二人で家にいる生活を想像するだけで、ウンザリするほど気持ちが離れています。娘の大学卒業まで、もう少しお金がかかるので、夫との離婚を躊躇(ちゅうちょ)していますが、私の心が壊れそうです。
(52歳女性・N.Aさん)
はじめまして、夫婦問題カウンセラーの岡野あつこです。
お嬢さんが大学に入学し、子育てもひと段落ということ、本当によくがんばってこられましたね。
今時は大学に行くお子さんも多く、私立だとかなりのお金が必要となります。離婚する妻の経済的な負担を考えれば、お子さんが大学を卒業するまでは、離婚は難しいと思います。
娘にかかる費用がなくなる、後は自分だけ何とか食べていければいいとか、お金や子育てのことが安心できた時の離婚が熟年離婚です。
もちろん別居して夫から生活費をもらってその中から費用を支払うという手もあります。それは経済的にかなり安心感が得られると思います。
熟年離婚は、これから健康や仕事の需要という点がダウン傾向になっていくので、損得を考えず、愛情や感情で走ったらいろいろな面で損をしてしまいかねません。だからこそ、目標を立てて、スケジュールを組んだ方がよいのです。
これまで離婚ができなかったということは、縁も、情も、しがらみもあったのでしょう。でも、毎日家の中でリモートワークの夫と顔を突き合わせて「ウンザリする」のは心身に悪いし、ストレスにも繋がります。
自分の人生や、結婚生活を振り返って、ここまで頑張ってこれたことに自負と感謝の気持ちを持つ。今日ここまで、なぜか離婚せずにきたことに縁を感じ、自分の選択の結果として、ネガティブなことを口にしない。
そんなことを感じながら、「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、来るべき離婚の日に向けて後悔のない人生にするべく、準備をしていきましょう。
毎日夫にウンザリして、ストレスを溜めてる女性は魅力がありません。いくつになってもイキイキ、はつらつとした女性の方がずっと魅力的なはず!
毎日をウンザリ過ごすのではなく、与えられた状況や環境の中でいかに毎日が楽しく過ごせるか、努力・工夫することが大事です。
私は離婚で悩んでる頃、夫に想像シミュレーションで戒名をつけて、おりんでチーン、としていました。「今は亡き人」と思うことで、笑えもしたし、ストレスもなくなりました。
そうやって、何でもいいので考え方をポジティブに変換することで、毎日を我慢せず楽しく過ごせるようになり、あなたの自信にもつながります。どれもこれも次なるステージで役に立つ努力の一つです。がんばってください。
■回答者プロフィール■
岡野あつこさん
おかの・あつこ 夫婦問題研究家。ライフアップ・カウンセラー。NPO日本家族問題相談連盟理事長。自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。28年間で3万5000件以上の相談を受け、修復も含め、数多くの夫婦問題を解決に導いてきた。現在は後進の育成にも力を注ぎ、札幌・仙台・横浜・東京・大阪・名古屋・福岡で「離婚カウンセラー養成スクール」を開校。
構成:竹下沙弥香(ハルメクWEB)
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