専門家監修丨かかと角質取りおすすめグッズと選び方も

削っていいの?かかとの正しい角質ケアとガサつく原因

公開日:2019.09.09

更新日:2023.05.23

かかとに角質がたまると、ガサガサになったりひび割れたり、時には痛みが起こることも。冬の乾燥から守り、夏はサンダルを自信を持って履くためにも一年中のケアがおすすめです。角質除去方法や、おすすめのかかと角質取りグッズを菅沼薫さんに聞きました。

かかとの角質は削る・削らない、どっちがいい?

かかとの角質ケアの方法としては、やすりなどで「削るケア」とフットパックや保湿による「削らないケア」の2つがあります。

やすりなどを使ってかかとの角質を除去する削るケアは、すぐにかかとのガサガサを改善したい場合に向いている方法です。一方で、フットパックや保湿による削らないケアは、なるべくかかとに負担をかけたくない人におすすめ。

かかとの角質や肌の状態、目的に合わせて角質を削るケア・削らないケアを使い分けるといいでしょう。

かかとに角質ができる原因

かかとに角質ができる原因

ここからは、かかとに角質ができる原因について見ていきましょう。

かかとはターンオーバーが遅く角層が厚い

かかとには普段、全体重がかかっています。衝撃に耐えられるよう、もともと角層が厚くなっているのです。

顔の皮膚のターンオーバーは約28日ですが、かかとはターンオーバーにおよそ120日かかるといわれ、非常に新陳代謝が遅いため、古い角質がたまりやすくなっています。

正常に新陳代謝ができないと角層がさらに厚くなり、乾燥と重なってかかとの皮膚が硬くなったり、ひび割れたりします。

乾燥

私たちの肌には皮脂腺があり、そこに含まれる油分によって乾燥から皮膚を守っています。しかし、足裏やかかとには皮脂腺がありません。皮脂が分泌されないため、油分不足による乾燥が起こりやすいのです。

また、更年期になると女性ホルモンの中で卵胞ホルモン(エストロゲン)の量が減少するため、表皮細胞増殖が低下して表皮が薄くなる、コラーゲン産生が低下して弾力性が悪くなるなど皮膚に変化が現れるため、肌のハリ、ツヤがなくなったり、肌のキメが乱れたりすると言われています。

摩擦や外部刺激

かかとは、靴による摩擦などの外部刺激がかかりやすい部分です。サイズの合わない靴や、クッション性が低い靴はかかとに負担をかけてしまうため、注意しましょう。

分厚くなり、乾燥してカチカチになったかかとの角質に衝撃が加わると、ぱっくりとひび割れが起こってしまうことも。ひび割れができると出血して歩くたびに痛んだり、雑菌が入りやすくなったりするため注意しましょう。

冷え

夏の場合、日中を冷房の中で過ごし、夜はシャワーだけを浴びるといった生活習慣になり、体が冷えがちだったはず。この冷えは万病のもと。健康だけでなく、美容的にもさまざまなトラブルを引き起こします。

例えば肌荒れやくすみ、足の裏のかかとの荒れ、ガサガサなども、体の冷えによる肌トラブルの一つ。

体が冷えて血行が滞ると代謝が悪くなり、肌のターンオーバーが乱れます。その結果、保湿力が保たれず肌の透明感はなくなり、角質が垢となって剥がれにくくなるのでくすみなどの原因となります。

参照:冷え性のタイプ別の改善方法!原因・対策をチェック

以前、冷え性の20代の方5名にご協力いただいて、フットバスの実験をしたことがあるのですが、みなさんカカトが白くなって、ひび割れがひどくなっている、ということがわかりました。冷え性で代謝が悪いと、ここまで影響するのかと驚きました。ちなみにこの方たちはフットバスで足湯をする習慣をつけるという実験を行ったところ、顔色が明るくなって、顔のニキビまで改善。足裏のガサガサ角質とひび割れもだいぶよくなりました。

かかとの角質のケア方法

かかとの角質のケア方法

ここからは、かかとの角質ケア方法をご紹介します。

かかとの角質がガサガサになっていると、靴下に引っ掛かって皮が剥けてしまったり、ストッキングが伝線してしまったりすることがあるため、ガサつくかかとは放置せず、早めにケアするのがおすすめです。

やすりで削る

ひび割れはないものの、角質が厚く硬くなっている場合は、規則正しい目のやすりをかけるケアがオススメです。足の裏は立つ、歩くなどの刺激を受け、厚く硬くなりやすいので、お風呂などで定期的なお手入れを習慣にするとよいでしょう。

足裏やかかとをやすりで削る場合は、お風呂上がりなどの皮膚が柔らかく表面が乾いた状態で行うのが理想的です。ただし濡れている状態でかかとを削ると、角質が取れ過ぎてしまうこともあるので要注意。お風呂でケアするときは、濡れたままでもあまり削れない浴室専用のヤスリを使ってください。

また、角質は足裏を保護しているので、一度に取り過ぎるのはNG。皮膚が赤くなるまで削ってはいけません。やすりをかけ足りないと思うくらいの段階で、一度皮膚を触ってみてください。少し薄く、柔らかくなったと感じたら、それで終了。

使用直後はスベスベとした仕上がりになりますが、保湿ケアを怠ると使用前よりもかさつきが目立つことになります。

数日後にまたやすりをかけて、少しずつ薄く、柔らかくしていきます。厚みや硬さがそれほど気にならなくなったら、ときどきやすりを当てるくらいでも十分。定期的に行って、角質が厚く硬くならないようにしましょう。

保湿で仕上げをする

どのタイプの角質ケアも、時間がたつと再び乾燥が進んでいきます。潤いのある、ツルツルとしたかかとを保つには、保湿ケアは絶対に必要です。特にやすりで削った直後は肌がツルツルになりますが、次第にカサつきが目立つようになって効果が持続しないばかりか、かえって悪化することもあるので要注意!保湿クリームなどをしっかり塗ってください。ボディクリームでもOKですが、専用のかかとクリームがあればそれを使いましょう。

保湿剤はできれば寝る前に塗って、シルクなどの余分なものを吸い取る素材の靴下を履いて寝るのがベストです。これだと、冷えも防げるので一石二鳥!

乾燥で足裏がカサついているだけのケースなら、保湿により角質を柔らかくするタイプの商品もオススメです。靴下を履いて寝るのが苦手な人は、ベタつかないジェルタイプのものなどを使うといいでしょう。肌の弱い人にもおすすめです。

かかとの角質ケアの注意点

かかとの角質をケアするときには、注意点もあります。

  • かかとの角質が硬くなったまま放置しない
  • かかとの角質を強く削り過ぎない

普段あまり意識することのないかかとですが、硬くなっているときやガサガサしているときは早めのケアがおすすめです。

かかとの角質が硬くなったまま放置してしまうと、歩いているときや走っているとき、ぶつかったときなどの衝撃によって、角化した部分がひび割れてしまうことがあります。

ただし、過剰なケアはNG。削り過ぎてしまうと、必要な皮膚まで傷つけてしまい、逆に角質が厚くなってしまう可能性があります。心配な人は、様子を見ながら少しずつケアしていくといいでしょう。

なお、ケアを続けてもなかなかガサガサや角層の捲れが治らない場合は、「かかと水虫」の可能性も考えられます。かかと水虫は、かゆみは軽いものの、かかとのガサつきやぷつぷつした皮剥けがなかなか治らないことが特徴です。家族に水虫の人がいる場合、足の指が水虫になっている場合は、かかと水虫を疑ってみましょう。

かかとの角質除去グッズの選び方

かかとの角質除去グッズの選び方

ここからは、かかとの角質除去グッズの選び方をご紹介します。かかとの角質を取るグッズはいくつもあるので、自分に合ったものを見つけてみましょう。

悩みに合わせて使い分ける

かかとの角質取りには「やすりタイプ」「刃で削るタイプ」「電動タイプ」など、いくつかの種類があります。悩みや希望に合わせて使い分けるといいでしょう。

  • やすりタイプ:削り過ぎを防ぎたい人、軽いガサつきやひび割れを改善したい人におすすめ
  • 刃で削るタイプ:深いひび割れに悩んでいる人、角質がかなり硬くなっている人、タコや魚の目がある人におすすめ
  • 電動タイプ:かかとのガサつきが気になったときに手軽にケアしたい人におすすめ

素材や使える場所をチェックする

かかとの角質取りの中にはお風呂で使えるものと使えないものがあるので、お風呂でケアしたい人は、選ぶときに耐水性かどうかをチェックしておきましょう。

お風呂で濡れると角質が柔らかくなるので、ケアもしやすくなりますよ。

お手入れ方法をチェックする

かかとの角質取りはアイテムによってもお手入れ方法が異なります。お手入れの手間を最小限にしつつ清潔な状態を保ちたい人には、丸洗いできるタイプがおすすめ。

電動タイプでも、やすり部分を取り外すことで水洗いできるものもあります。

専門家おすすめのかかと角質除去グッズ

ガチガチになってしまった足裏をもとに戻すには、厚く硬くなった角質を一度取り除く必要があります。フットケアサロンなどでケアしてもらうのがオススメですが、セルフケアでも対処できます。では、どんな方法が効果的か?

2014年にFCG総研で、かかとの角質ケア商品の性能を検証したことがありますので、その結果を参考にご紹介したいと思います。

足裏やかかとの角質ケアグッズには、角質を軟化させて溶解し、剥がしてとるタイプのものから、削ってとるもの、保湿して柔らかくするタイプのものまでさまざま。これらは、皮膚の状態によって使い分けます。白くひび割れているような厚く硬い場合は、角質軟化剤で皮膚を軟らかくするタイプの商品が効果的でしょう。

ただし、まさしく一皮剥けるものなので、刺激は強め。肌が弱いと感じる人の使用や、丈夫な人でも頻繁に使うことはおすすめできません。商品の説明をよく読み、パッチテストをしてアレルギーが出ないことを試してみてから使ってください。

ベビーフットイージーパック60分(S)

「ベビーフットイージーパック60分(S)」
「ベビーフットイージーパック60分(S)」1760円(税込・リベルタ)

こちらは検証実験でも使用した、専用ジェルの入ったブーツ型ビニールに足をつけるタイプ。履くだけ簡単!ですが、履いている間は少々不自由。使用後3日目から角質が剥け続け、2週間ほどで柔らかく潤いのある足裏に。皮膚の状態をマイクロスコープでみたところ、滑らかな足裏になったのを確認できました。ただしかかとの角質が厚く硬い人、肌の丈夫な人に向きのかかとケアの方法ですので、肌が敏感な人は避けた方がいいかもしれません。

ドクター・ショール ラフスキンリムーバー

ドクター・ショール ラフスキンリムーバー
「ドクター・ショール ラフスキンリムーバー」オープン価格(ドクター・ショール)※実験で使用したのは、ドクター・ショール ハードスキンリムーバー。類似の現行商品をご紹介しています

短時間ジェルにつけて、削るという商品も実験しました。削る過程で角質の取れる感じが目に見えてわかります。ただやすりでかかとを削るよりは、効果を実感しやすかったです。

ドクター・ショール ツインヘッド かかとファイル

ドクター・ショール ツインヘッド かかとファイル
「ドクター・ショール ツインヘッド かかとファイル」オープン価格(ドクター・ショール)

足の角質専用のやすり。面によって目の荒さが違うので、角質の状態に合わせて使い分けます。使用後は軽く水洗いし乾燥させます。

休足時間 かかとぷるぷるジェルシート

休足時間 かかとぷるぷるジェルシート
「休足時間 かかとぷるぷるジェルシート」オープン価格(ライオン)

こちらも検証実験で使用した商品。足裏がしっとり柔らかくなり、乾燥による皮膚の荒れを防いでくれます。保湿ジェルシートを貼るだけなので、肌への刺激もほとんどなく、使い方も簡単。古い角質を取るわけではないので、硬さや厚さを取り除くことはできませんが、もとのいい状態にした足裏に継続して使うことで、そのいい状態を維持することができます。足の疲れもスッキリします。

編集部おすすめのかかと角質除去グッズ

ガサガサかかとの角質を取るグッズは、他にもたくさんあります。ここからの項目では、ハルメクWEB編集部おすすめのかかと角質除去グッズをご紹介します。

KIMINO 脚美人はじめ

KIMINO 脚美人はじめ
「KIMINO 脚美人はじめ」949円(税込)

かかとの角質やタコ、魚の目などをスムーズにカットできる専用のカッター。足浴や入浴後、足の裏の皮膚が完全にふやけ、柔らかくなった状態で使用します。ステンレス製の刃を使っているため、切れ味も強度もばっちり。持ち手まですべて金属製で、熱湯消毒も可能です。削る力が強いため力加減に注意しながら使い、削り過ぎを防ぎましょう。

パナソニック 電動角質リムーバー 角質クリア

パナソニック 電動角質リムーバー 角質クリア
「パナソニック 電動角質リムーバー 角質クリア」3800円(税込)

一定のパワーをキープしながらカーブ状のやすりで簡単に角質ケアができる交流式の電動角質リムーバー。アダプターを抜けば、やすりも本体も水洗いできるので清潔な状態を保ちやすいこともポイント。やすり部分の効果は1年に一度だけでいいので、経済的に使い続けられます。

ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム

ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム
「ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム」オープン価格

皮膚のガサつき(ドライスキン)の効果的な治療のため、尿素20%をOTC医薬品として初めて処方した第3類医薬品。尿素には、体の中にある水分を皮膚の角質層に取り込んで、皮膚を潤し、角質を柔らかくしてくれる効果があります。ガサガサになったかかとの角質をどうにかしたいけど、削るケアは避けたいという人にもおすすめです。

かかとの角質は除去&保湿でケアを

角質は、本来なら剥がれ落ちるべき垢がへばりついて残っているもの。毎日の保湿ケアに加えて、冷えを防ぎ、代謝を上げて、できれば垢がたまらないようにすることが大切です。でもたまってしまった垢は、効果的に取ることも大事。

皮膚の状態に合わせた取り方でいい状態に戻したら、その状態をキープするフットケアを続けましょう。

次回からは、日常生活に支障が出ることもある、爪のお手入れについてお話ししていきます。

※掲載の商品情報は2023年5月現在のものです。

取材・文=田中優子

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菅沼 薫

ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、化粧品成分検定協会理事、日本香粧品学会学術委員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

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