菅沼薫さんに聞く、50代からのメイク術

50代からの女性のアイメイクをきれいに仕上げるコツ

公開日:2019.05.08

更新日:2023.07.26

前回のビューラーの使い方に続いて、マスカラ選びのポイントやまつ育など、まつ毛メイクについて菅沼薫さんに教えてもらいました。アイメイクをキレイに仕上げるために必須のアイテムや、アイメイクのクレンジング方法もご紹介します。

マスカラ選びのポイントはブラシの形状

今やマスカラは目力アップに欠かせないアイテム。ドラッグストアなどにも、ボリュームアップタイプ、長さを出すロングラッシュタイプや、上向きカールにするタイプなど、多種多様のマスカラが並んでいます。どれを選んでいいかわからないほどに(笑)。

マスカラ選びでポイントになるのがこれらのタイプより、ブラシの形状。とくに50代以上の場合、まぶたに埋もれがちな細く短いまつ毛にキレイに塗るためには、ブラシの細さはマスカラ選びの重要ポイントと言えます。

左から、ストレートタイプ、コームタイプ、カールタイプ

おすすめなのは上の3つのような、細めの3タイプ。カーブが急だと目のカーブに合わせるのが難しく、ブラシが太いと皮膚についてしまいます。ブラシがまっすぐで毛足の短い細めのタイプであれば、目のカーブに合わせやすく、下まつ毛も皮膚につけずに塗ることができます。

ちなみに私はコームタイプと、ストレートタイプを合わせ使いしています。まずはコームタイプのマスカラで根元からしっかり上げて、仕上げとしてストレートタイプのブラシのもので、まつ毛をセパレートさせながら広げます。こうすると、ダマにならず、適度にボリュームのある根元からすーっと上に向かったまつ毛に仕上がります。ぜひ試してみてください。

マスカラの色は、黒を選ぶのが断然オススメです。黒目とのなじみもよく、アイラインの代わりにもなって目をはっきり大きく見せてくれます。黒目がブラウンがかっている場合は、濃いめのブラウンを選んでもよいでしょう。

 

アイメイクをキレイに仕上げるなら拡大鏡と綿棒を用意

マスカラに限らず、アイメイクをするときに、私は必ず拡大鏡と綿棒を使っています。メイクをキレイに仕上げるコツは、しっかり見ながら行うこと。そもそも見えないところに、細い線をまっすぐ引けるわけがありません(笑)。

拡大鏡を使えば目もとの細かい部分までしっかり見ながらメイクをすることができ、はみ出しや塗り漏れを防げます。細いまつ毛も鮮明に見えるので、下まつ毛にマスカラを塗ろうとして、皮膚につけてしまった、なんて失敗もほとんどありません。

うっかりはみ出したりしたら、綿棒ですぐに取ればOK。また、明るい場所で行うのもメイクをキレイに仕上げるコツの一つ。色のつき具合がはっきりわかるので、メイクが濃くなりすぎず、塗りすぎ塗り漏れによる色ムラも防げます。
 

50代に“まつエク”“つけまつ毛”は不要?

50代に“まつエク”“つけまつ毛”は不要?

マスカラを落とした後も、目を大きく見せられる! と人気なのが“まつエク”こと、まつ毛のエクステンション。今生えているまつ毛に専用の接着剤で人工の毛をつける、つけ毛です。1か月程度ごとにメンテナンスが必要ですがつける人工毛の長さや色、量次第で、自由自在になりたいまつ毛を叶えることができます。

もちろん50代でもエクステンションをつけることは可能です。ですが、エクステンションをつけることで、もともと細く少ないまつ毛にダメージを与えてしまうこともあり、個人的にオススメか? と言われたら、そうではありません。

だったら、つけまつ毛はどうかというと、つけまつ毛をキレイにつけるにはテクニックが必要で、メイク上級者向け。50代以降のまつ毛メイクは、私はビューラーとマスカラ使いで十分だと思っています。
 

まつ毛美容液は3週間使い続けてみる

まつエクと同じように最近増えているのが、まつ毛を太く長く育てるまつ毛美容液。医薬品のまつ毛育毛剤から、マスカラの下地としても使える化粧品まで種類が増え、ますます注目が集まっています。

年齢を重ねると、髪の毛同様にまつ毛もハリやコシが失われやすくなります。またターンオーバーの乱れも、まつ毛が細く短く少なくなる原因の一つ。せっかく生えた毛が、太く長く育たずに抜けてしまうのです。これらを解消するために、まつ毛が健やかに育ちやすい地肌環境に整える美容液は効果的と言えるでしょう。

効果は使う商品によって異なりますが、どの商品でも今日塗って明日太く長く増えることはありませんので(笑)、少なくとも3週間は使い続けてみてください。1か月くらいして効果が感じられないようであれば、商品を変えてみるといいでしょう。
 

アイメイクは専用クレンジングでしっかり落とす

アイメイクは専用クレンジングでしっかり落とす様子

今のアイメイクは汗などで落ちにくい分、落とすのが大変。クレンジングで簡単に落とせる商品も多くなってはいますが、上手に洗わない限り、肌に残ってしまいます。クレンジングした後、顔を拭いたタオルがうっすら黒くなった…という人も多いのではないでしょうか?

アイメイクを肌に残さないためにも、クレンジングは一度で済ませずに、アイメイクをオフしてから全体のクレンジングをするようにしてください。

目元専用のクレンジング剤を含ませたコットンを目元にのせ、ゆっくりやさしく下にずらすように拭くだけで、アイメイクのほとんどはオフできます。はじめは手間に思うかもしれませんが、慣れればこの方が結果として簡単に、しっかりメイクを落とすことができます。また、目元の薄くデリケートな皮膚を必要以上に刺激することもありません。過度な刺激は、目元の小じわの原因になります。

クレンジングはスキンケアの基本ということを忘れないでくださいね。

■もっと知りたい■


 

菅沼 薫

ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、化粧品成分検定協会理事、日本香粧品学会学術委員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

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